「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
ナノ・スケール生物の世界
100万分の1ミリで迫る自然の神秘! アリの触角からヤモリの脚の裏まで、生物の微小世界を最先端技術の「走査型電子顕微鏡」で撮影。高解像度&フルカラー画像が満載。【「TRC...
ナノ・スケール生物の世界
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
100万分の1ミリで迫る自然の神秘! アリの触角からヤモリの脚の裏まで、生物の微小世界を最先端技術の「走査型電子顕微鏡」で撮影。高解像度&フルカラー画像が満載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
リチャード・ジョーンズ
- 略歴
- 〈リチャード・ジョーンズ〉英国王立昆虫学会会員、元英国昆虫学会会長。昆虫や環境について『ガーディアン』『BBCワイルドライフ』などに寄稿。ラジオやテレビにも出演している。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
「百分の一ミリで迫る...
ジュンク堂書店秋田店さん
「百分の一ミリで迫る神秘!」というものの、実際のところは今イチぴんと来ない“百分の一”ですが、
ページをめくって納得。肉眼ではまず無理。
「べラルゴニウムの葉の表面についた突起」を百分の一で見るとそこには、しっぽをフリフリいびつに微笑む未知の生物が。
このナノスケールを可能にするのが、走査型電子顕微鏡(SEM)です。難しい話は置いておいて、
ピンからキリまであるもののお値段はウン千万の顕微鏡界のスーパーエリート。良い仕事してます。
ただ一つ残念なのは擬似カラーである点。SEMの画像は白黒なのだそうです。
約二百ページフルカラーの本書は左ページに対象物、右ページにそのナノスケール画像という構成で未知の世界へ連れて行ってくれます。
(自然科学書担当)
紙の本
大判の画像でみる、生物の「細部に宿る」芸術的な世界。美しく、迫力も満点。
2010/12/29 22:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナノメートル(nm)。一ミリの千分の一のそのまた千分の一。
タンポポは沢山の花が集まって咲いているのだと知っている人も、虫眼鏡で覗くとその一つ一つの花に雌しべや雄しべがあるのに改めて驚くかもしれません。そしてその雄しべをもっと拡大してみたらなにが見えるでしょう?ナノメートルの世界はそんな世界です。
雄しべの先には花粉があり、花粉にはさらに細かい模様がついている。本書はそんな世界の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を集めたものです。
ナノメートルの世界は虫眼鏡や普通の光学顕微鏡では見ることができません。そこでSEMが登場します。原理はともあれ、基本的には「ものの表面」をとらえたのがSEMの画像です。
大判の画面に表示された姿はどれも迫力満点。見開きの左ページに肉眼で確認できる大きさの(花全体とか、昆虫の顔全体とか)画像、右ページにナノスケールのSEM像。説明は別の頁に集め、極力「像を邪魔しない」よう、構成にも鑑賞しやすい工夫がされています。
実際に取得されるSEM像はX線写真などと同じで、色はありません。本書では綺麗な彩色が施してあります。前書きにはその理由をこんな風に説明しています。「擬似カラーをつければ魅力ははるかに高まる。色をつけるからといって、対象を汚すことにもゆがめることにもならない。SEMが見ているものについて誤った印象を与えようとしているわけでもない。彩色のおかげで画像が豊かになり、この上なく繊細な美しさを私たちは目にすることができる」。少々うがった見方をしてしまいますが、このような説明がわざわざ書いてあるということは、良しとしない意見もがかなり強いということなのでしょう。 確かに美しくなるという点では文句のつけようがありません。ただ、「同種のものに違う色をつけ」てあったり、「色の情報として固定観念を与える」と感じられるもの(例えばミツバチの毒針に付着したものが血のような赤に着色してあるなど)もあります。そういう点では、本書の目的は「科学的興味」よりも「美感=芸術性」の方に比重が置かれた、と考えたほうがよいと思います。
「ナノ・スケールの世界」(原題もNano Nature)とタイトルにあり、前書きの書き出しも「サイズは重要な問題である」なのですが、折角のSEM画像それぞれにサイズが表示されていないことも、「科学的面白さ」を期待して読むと少し残念に感じるところでした。「肉眼レベルの像」のどの部分をSEMに撮ったのかを、可能なところは説明頁にでも図示してあれば「科学的面白さ」ももっと増えたのにとも思いました。
それでも、自然がこんなに細部まで素晴らしい構造をもっていることは幾度見ても感動です。ここからさらに、分子の構造まで自然は規則正しく構築しているということまで想像をつなげれば、なおさらです。表現の問題はありますが、生き物の「細部に宿る」世界を堪能できます。
いろんなもののSEMを撮って紹介した本としては、「ぶらりミクロ散歩」(こちらはエッセー風の文章で、生き物以外も対象)など多数あります。「いろんな世界を覗いてみたい」気持ちは世界共通、いえ人間に共通なのかもしれませんね。