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天皇と軍隊の近代史
著者 加藤 陽子
『戦争の論理』(2005年)以降に発表された論文のなかから読みやすさと読み応えを兼ね備えた論考を選び、昭和期における天皇と軍隊の相克を論じた書き下ろしの総論とともに収録。...
天皇と軍隊の近代史
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天皇と軍隊の近代史 (けいそうブックス)
商品説明
『戦争の論理』(2005年)以降に発表された論文のなかから読みやすさと読み応えを兼ね備えた論考を選び、昭和期における天皇と軍隊の相克を論じた書き下ろしの総論とともに収録。明快な論理と筆致で事実を照らし、歴史を捉える新たな視角を提示する論文集。近代日本の政軍関係の特質を析出し、国家の意思決定の背景を説き明かす。
目次
- はしがき
- 総 論 天皇と軍隊から考える近代史
- 1 天皇と軍隊、その特別な関係
- 2 軍の論理と「幕府」論の存在
- 3 徴兵制と軍人勅諭
- 4 宮中側近への攻撃と満州事変の作為
- 5 共産主義の影
- 6 士官候補生の天皇観
- 7 事件の計画性について
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作家や評論家がしたり顔で語る史論が学界ではとっくの昔に否定された説に依拠していることも珍しくない
2020/01/15 16:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
世間では「過去は変わらないのだから、歴史は暗記ものだ」という印象が強い。受験勉強の名残だろうか。しかし歴史学界では新しい研究成果が不断に生み出され、通説は日々塗り替えられていく。日清戦争については、陸奥宗光の回顧録に引きずられて、日本側が意図的に戦争に持ち込んだと考えられてきた。近年の研究では、清国に対する強硬な外交姿勢は、戦争にはならないという伊藤博文らの根拠のない楽観が背景にあることが解明されている。日露戦争に関しても、日本の世論は戦争を支持していたというのが古典的な理解だったが、以後の研究で国民のかなりの部分が厭戦的だったことが指摘されている。怒りに燃えた日本国民がついにロシアに勝利するという「物語」は戦勝後に生み出されたという。