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商品説明
【アジア・太平洋賞特別賞(第28回)】誰が、どのような理由で、いわゆる「捨て鉢の戦争」、「勝ち目のない戦争」に日本を導いたのか。指導者たちが「避戦」と「開戦」の間を揺れながら太平洋戦争の開戦決定に至った過程を克明に辿る、緊迫の歴史ドキュメント。【「TRC MARC」の商品解説】
それがほぼ「勝ち目なき戦争」であることは、指導者たちも知っていた。にもかかわらず、政策決定責任は曖昧で、日本はみすみす対米緊張緩和の機会を逃していった。指導者たちが「避戦」と「開戦」の間を揺れながら太平洋戦争の開戦決定に至った過程を克明に辿る、緊迫の歴史ドキュメント。【商品解説】
目次
- プロローグ たった一日。なんというその違い!
- 1 戦争の噂
- 2 ドン・キホーテの帰還
- 3 事の始まり
- 4 軍人のジレンマ
- 5 厄介払い
- 6 南北問題
- 7 七月、静かなる危機
- 8 「ジュノーで会いましょう」
- 9 勝ち目なく、避けられぬ戦争
著者紹介
堀田 江理
- 略歴
- 〈堀田江理〉東京出身。英オックスフォード大学より国際関係博士号(D.Phil.)を取得。同大学で教鞭をとった後、政策研究大学院大学、イスラエル国立ヘブライ大学などで研究、執筆活動を行う。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年7月号より
書標(ほんのしるべ)さん
誰も望んではいなかった。誰も、勝てるとは思っていなかった。そのような「戦争」を、なぜ日本は始めてしまったのか?
終始優柔不断な姿勢で日中戦争の泥沼化を防げなかった近衛文麿はもとより、国際連盟脱退演説で一躍「国民的英雄」となった松岡洋右や、「主戦派」の先鋒と目されがちな東條英機もまた、最後まで避戦への希みを胸に秘めていた。
だが、陸軍大臣を兼務する東條は、それまでに犠牲となった「英霊」の死を無駄にはできない。誰よりも対米英戦争の可能性を憂慮していた昭和天皇は、同時に陸海軍の大元帥であった。
軍隊は、「必敗」と思われる戦争でも、決して「戦えぬ」とは言えない。「政府がきめたのだから、仕方ない」となる(だから、軍隊を持ってはいけないのだ!)。
一方陸海両相を含む政府は、陸軍出の首相の下、軍隊の論理を拒否できない。
果たして皮肉にも、対米英戦の勝利の不可能を見抜いていた「戦術の天才」山本五十六の真珠湾攻撃が採用され、「巨大な国家的ギャンブル」が開始された。
アメリカの禁輸措置により、資源なき日本は確かに窮乏していた。国民は真珠湾をはじめとする「連戦連勝」の報を、喝采の拍手と万歳で迎える。メディアの責任も、重大である。
責任の所在が全く不明な政府は、「民意であった」と言うだろう。
時あたかも、幻の「東京オリンピック」が中止となった直後であった。
同じ愚を繰り返してはならない。
紙の本
毎年考えること
2017/12/20 12:12
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年も12月8日がきた。米国ハワイの「リメンバー・パール・ハーバー」の式典ニュースなどが報道される。あの戦争が終わったので今の日本があるのだろうが、あの戦争は何故行われたのか、よくわからない。では、戦争なかりせば、今の日本はどうなっていただろうか。
真珠湾奇襲攻撃はなぜ行ったのか、というアメリカ留学中に同級生からの問いに答えようという動機がこの本を書かせたそうだ。
類書も数多く出版されているようだが、これまでの図書のなかでは分かりやすい。文章量が多いので、登場人物の人間性もよく描かれていると思う。
戦争開始に踏み切らせた日本的欠陥、政治文化・制度が今も変わっていないようにみえる。