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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.1
- 出版社: 白水社
- サイズ:20cm/281p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-560-09203-3
紙の本
ナイフ投げ師
著者 スティーヴン・ミルハウザー (著),柴田 元幸 (訳)
自動人形、遊園地、気球飛行、百貨店…ようこそ“ミルハウザーの世界”へ。飛翔する想像力と精緻な文章で紡ぎだす、魔法のような12の短篇集。【「BOOK」データベースの商品解説...
ナイフ投げ師
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商品説明
自動人形、遊園地、気球飛行、百貨店…ようこそ“ミルハウザーの世界”へ。飛翔する想像力と精緻な文章で紡ぎだす、魔法のような12の短篇集。【「BOOK」データベースの商品解説】
自動人形、遊園地、気球飛行、百貨店…。飛翔する想像力と精緻な文章で紡ぎだされるミルハウザーの世界。全12話を収録する魔法のような短篇集。語りの凄み、ここに極まる。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ナイフ投げ師 | 7−27 | |
---|---|---|
ある訪問 | 29−49 | |
夜の姉妹団 | 51−70 |
著者紹介
スティーヴン・ミルハウザー
- 略歴
- 〈スティーヴン・ミルハウザー〉作家。著書に「マーティン・ドレスラーの夢」「バーナム博物館」など。
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紙の本
読み方注意
2008/07/02 12:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中乃造 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミルハウザーは幻想小説という括りで自分は理解していて、この短編集もそうでありつつ、怪奇により近い怖さが際だっていたように思います。けっこう毒になる。
収録作品の中では「パラダイス・パーク」がとても印象に残っていますが、しくじったなという反省もあり。長めのこの作品、途中パラダイス・パークがどう発展していったかという件が比較的単調に感じられ、読むペースを上げてしまったんですよねえ。でも最後まで行き着いて、がびーんとショックを受けました。じっくり噛み締めながら読んでいたら、このラストをもっともっと楽しめたはずだと。これがオイオイってくらい私好みのラストだったので、非常に悔しかったです。なのでこれから読もうという方には、是非是非じっくり腰を据えて取り組んでねとオススメしたいです。
「新自動人形劇場」は、もう異常に愛します。自動人形ネタであることからして当然だし、どのへんが「新」なのかって部分が本当になんというかなんともいえない。同じく自動人形師を描いた「アウグスト・エッシュンブルク」(『イン・ザ・ペニー・アーケード」収録)と同時期の作品だということですが、「新自動人形劇場」のほうが凄味があって、私は好きだな。
紙の本
パラダイス・パークに行ってみたい
2020/03/15 15:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の翻訳者である柴田元幸氏はミルハウザーの小説には「きわめて職人的な芸術家が登場し、その芸をみるみる高めていって世間にもてはやさるが、やがて芸があまりに高度になっていって、大衆から見放されるものの、芸の道はいっそう究められ、もはや自壊するしかないところまで上りつめていく」主人公たちがよく登場するという。確かに、この作品集にもナイフ投げ師、百貨店経営者、遊園地経営者、人形師といったその類の人たちが登場する。コニーアイランドについて知識のないない私はサラビーという男が造ったという遊園地「パラダイス・パーク」が実在していたと思い込み、この話はサラビーについての伝記だと思い込んでいた。もちろんそんな遊園地は存在せず、自壊してしまった天才職人のお話だったわけですが
紙の本
ミルハウザーは癖になる
2008/03/02 22:43
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
出先で手持ちの本が読み終わりそうになってしまい、半ば衝動的に買った本。スティーヴン・ミルハウザーは初めてだったが、柴田元幸が何冊か訳しているのを知っているし、きっと外れないだろうと思った。それから、装丁が非常にお洒落なのも購入に至った理由だ。カバーの表面がザラッとしていて、中もちょっと藁半紙のような紙が使われている。そして、各短篇のタイトル部分のページは黒の塗りつぶしになっていて、タイトルが英語で白抜きになっている。読んでいて気付いたけど、短篇の最初が黒ページになっていると、本を横から見たときに、今読んでいる短篇があとどのくらいで終りなのかがよく分かるんだよな(まあ、分からないほうがいいという意見もあるかもしれないけど)。
初めて読んだけど、変わった話を書く人だね。「私たちの町の地下室の下」のように嘘話をいかにもそれらしく語るところはポール・オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』にも似ている。でもそういう話だけでもないんだよな。「ナイフ投げ師」や「夜の姉妹団」なんかは読んでいて、どこに連れていかれるのか分からない怖さがあるし、「空飛ぶ絨毯」や「月の光」のようなファンタジー系の話もある。でもやっぱり「新自動人形劇場」「協会の夢」「パラダイス・パーク」で用いられている描写の細かさが一番の持ち味なんだろう。これらの微に入り細を穿つ描写は読んでいて圧倒される思いだ(時にくどすぎる嫌いもあるけど)。そして、そのような描写の果てに独特の悲哀に満ちたラストが待っている。
柴田元幸は訳者あとがきの最後にこう書いている。
『イン・ザ・ペニー・アーケード』も素晴らしかったし、『バーナム博物館』も見事なものだった。だが、先に述べたように、ミルハウザー的濃さからすると、この第三短篇集の濃度はただごとではない。といってもそれは、門外漢を疎外するような、中途半端に純度の低い濃さではない。初めてミルハウザーをお読みになる方も、いきなりこの本から、ミルハウザーの魔法に心おきなく感染していただければと思う。
心おきなく感染しました。確かにミルハウザーは癖になるね。
k@tu hatena blog