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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/11/09
- 出版社: 原書房
- サイズ:20cm/343p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-562-05593-7
紙の本
なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか
私たちは進化的変化の加速と新しい種類の生命の発生を目の当たりにしている−。英国の生態学者・進化生物学者である著者が「生物多様性の真の姿」を説く。外来生物の排除に生態学の立...
なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか
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商品説明
私たちは進化的変化の加速と新しい種類の生命の発生を目の当たりにしている−。英国の生態学者・進化生物学者である著者が「生物多様性の真の姿」を説く。外来生物の排除に生態学の立場から異を唱えた書。【「TRC MARC」の商品解説】
現代は人間による生物絶滅時代だといわれる。一方で人間社会から利益を得て、おどろくほど多くの新しい種が生まれ、適応している。外来種や雑種もそのひとつだ。進化生物学の大家が世界をめぐって見えた、生物多様性の「真実」。【商品解説】
著者紹介
クリス・D.トマス
- 略歴
- 〈クリス・D.トマス〉1959年生まれ。英国ヨーク大学の生態学者・進化生物学者。英国学士院の特別会員。ロンドン動物学会のサイエンティフィック・メダル、イギリス生態学会の会長メダル等を受賞。
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紙の本
ヒトという種が地球全体の生物種に影響を大きく及ぼす時代。
2019/01/09 15:38
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原題を直訳すれば「地球を引き継ぐもの」といったところだろうか。外来生物を積極的に受け入れよ、というわけではない。しかし極端に排除するのはどうか、地球の長い時間の中ではどう考えればよいかの問題提起である。
近年は外来の生物種が在来種を脅かしている、というニュースは増加の一方である。どうやったら外来種が増えるのを遅らせることができるのか。外来生物はそういう視点で話題にされることが多いようだが、本書は違う。著者は「ヒトは生物種を変化を加速させているがそれも生物の在り方の一つだ」とする。
温暖化により寒冷地に押し込まれていた生物種が復活しているとか、外来種を餌にすることで変化して生き延びている種があるなど、外国語版の科学読み物ではよくあるパターンだが、実体験の話から入って主張を展開していくという手順が各章で繰り返される。体験のところはもう少しはしょってくれてもよいのでは、と思うのは読み手がせっかちなのかもしれない。そういう個人的な「読みづらさ」はあったが、提起されている問題はかなり身につまされるものであった。
現在はヒトという種が地球全体の生物種に影響を大きく及ぼしている時代であるということに反論は少ないだろう。「どこまでを外来種とするのか線引きは難しい」とか「雑種ができることも新しい環境への適応ではないか」というような主張はわからないでもない。しかし「(人間が上手くやっていきたいなら)ダイナミズムに抵抗するのではなく、促進する必要がある。」(P284)とまでの主張には抵抗を感じる読者もいそうな気がする。
実際、増える人口を支える食料維持のために土地を変えて行くことをやめろというのも難しいし、グローバルに人間が移動させている生き物を止められるか、といえば無力感を感じることも正直ある。ただ、人間の動物的感覚がついていけないほどの急激な変化は避けたいものだと思うのだが。
簡単に結論付けられない問題であるが、たくさんの人に読んでもらって考えてほしい内容である。