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商品説明
物語の本質である語りの姿勢を活かし、「源氏物語」本文に忠実に、美しく正しい現代語で訳す。物語本文も対照形式で掲載し、訳文に表わせない引歌や地名などの説明も示す。第8冊は、匂宮から総角までを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
第八冊は匂宮巻~総角巻。薫十四歳~二十四歳の年末までの出来事。
光源氏薨去後、一族の中で、薫と匂宮という二人の貴公子の評判が高かった。薫は自らの出生に疑問を持ち、仏道に傾倒する。そんな中、俗聖のように暮らす、宇治の八の宮の許へ通うようになる。そこで、八の宮の二人の姫君、大君と中の君を知り、匂宮も興味を示す。光亡き後の世界を彩る、「宇治十帖」の幕開けである。
巻末の論文では『源氏物語』の遡及表現を取り上げる。『源氏物語』は長編の物語ゆえに、ある過去の出来事について、その過去の時点では全く触れられず、後になって改めて物語られたり、説明を加えられたりすることがある。これを、『源氏物語』の一つの表現方法として認めて、「遡及表現」と呼び、その具体例を紹介する。そして、物語における効果を考察する。【商品解説】
著者紹介
紫式部
- 略歴
- 早稲田大学名誉教授。文学博士。専攻は平安文学。2011年瑞宝中綬章受章。
主な編著書に『物語文学論攷』(教育出版センター、1971年)、『うつほ物語の研究』(武蔵野書院、1981年)、『奈良絵本絵巻集』全12別巻3(早稲田大学出版部、1987~1989年)、『常用源氏物語要覧』(武蔵野書院、1995年)、『源氏物語の享受資料―調査と発掘』(武蔵野書院、1997年)、『源氏物語古註釈叢刊』全10巻(武蔵野書院、1997~2010年)、『九曜文庫蔵源氏物語享受資料影印叢書』全12巻(勉誠出版、2008~2009年)、『平安文学の交響―享受・摂取・翻訳』(勉誠出版、2012年)、『フルカラー見る・知る・読む 源氏物語』(勉誠出版、2013年)、『ちりめん本影印集成 日本昔噺輯篇』(共編、勉誠出版、2014年)などがある。
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