「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
西洋に遅れまいと、開国まもなく明治政府は礼服を洋装に大転換する。高い身分に限定された大礼服は、豪華だが高価で手に入れるのは一大事だった。国の威信の象徴を人々はどう受け止めたか、忘れられた服の歴史を追う。【「TRC MARC」の商品解説】
明治5年(1872)、服制で国家の礼服が定められた。これを大礼服といい、昭和29年(1954)に法的根拠を失うまで、80年間利用された。従来の衣冠束帯から西洋に遅れまいと洋式礼服になったことで、高価な調製費や仕立屋の問題が起こる。皇族や官僚、有爵者らの着る絢爛豪華な大礼服は、勲章や宮中席次とともに権威の象徴であった。目立つために微妙にデザインを変えたり、安い古着を探し回るといった挿話も紹介。【商品解説】
目次
- 序章 大礼服には権威と魅力があるのか
- 一 本書の目的と分析視角
- 二 先行研究とその問題点
- 三 本書の構成
- 第一章 近代洋式大礼服制の創出
- 一 岩倉使節団と洋式大礼服
- 二 洋式大礼服の制定
- 三 大礼服制に対する批判と服装観
- 第二章 文官大礼服の権威創出
- 一 大礼服と小礼服
著者紹介
刑部 芳則
- 略歴
- 〈刑部芳則〉1977年東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科博士課程修了。学位取得。博士(史学)。日本大学商学部准教授。著書に「京都に残った公家たち」「三条実美」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
大礼服の時代
2016/10/07 20:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治から敗戦直後まで存在していた大礼服を題材にした本は珍しいと思う。日本史の本に掲載されている高官や華族が着ている大礼服の変遷や宮内省に勤務した人々が着ていた大礼服について、細かく書いているのは参考になる。
著者は今までに大礼服を研究していた服飾の専門家は服飾の変遷を、ただ時系列で紹介したり、背景となる史料を読んでいないと批判している。そういう本は読んでいないから分からないが、この本にしても朝鮮王公族や朝鮮貴族、勅選貴族院議員や官僚になった朝鮮人・台湾人といった大礼服を着用する機会があった植民地出身の人々について一言も触れていない。
戦後の一時期、制定された天皇服と一緒に皇族服が制定された事が最後の章に出て来る。皇室令を改定して皇族服が制定されているから、「天皇家の戦い」(「昭和天皇の戦い」初版まで)の英親王と皇族服の話自体は朝鮮王公族は対象外なので、それでも成り立つと初めて気がついた。しかし、そうなると「高松宮日記」に出て来る王公族と皇族服の記述が合わなくなる。