紙の本
今、読むべき作品
2023/01/03 18:44
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投稿者:リオボカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
使用済み核燃料や放射性廃棄物、増え続ける汚染土と汚染水への対応を放置して、原子力発電所の再稼働や増設、新設へ突き進もうとする現在に読むべき作品だと思います。鉄道ファンも楽しめるのではないでしょうか。
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「ホワイトアウト」を彷彿とさせる「巻き込まれ感」
2021/09/25 09:56
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日新聞の日曜版に連載されていた作品。青森から佐賀までの「秘密の貨物」の運搬を巡って、登場人物たちがそれぞれの立場から「正義」を貫こうとする物語。描かれる時間の短さ(大半は青森から名古屋までの一日)や登場人物たちの「巻き込まれ感」に、「ホワイトアウト」を思い出しながら楽しみました。
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自衛隊からの緊急要請で、特別な燃料を輸送して欲しいとJR貨物に依頼が来た。以前自衛隊の訓練輸送をしたことがある元運転士の井澄が全体の統括者として抜擢される。表向きは、災害に備えて貨物列車を使った訓練計画だということだが、緊急であったり、何を運ぶのか極秘であったり、燃料を積もうにも見せてくれなかったりと疑惑が渦巻く。
そして、青森から佐賀へ輸送を開始するのだが、現場を見て変に思った記者、列車を止めようとする人物など行手を阻むことだらけで、果たして無事に辿り着けるのか?
題名のシークレットエスクプレスですが、通常ダイヤにない臨時列車という意味です。
何を運んでいるのか?JR貨物を舞台にした物語で、JR貨物にまつわる豆知識も紹介されていて、鉄道好きとしては面白かったです。
どっちかというと、あまり注目されない貨物列車。単に物を運ぶだけでなく、特殊な内容やイレギュラー対応、営業所(作品内では線区)同士の連携プレイなど貨物についての仕事の模様が垣間見れました。
基本的に三人の視点で物語が進行します。貨物列車を見守る井澄、取材する女性記者、列車を止めようとする謎の一味、3方向からなのですが、読むパートによって、列車に対する気持ちが変わっていくので、複雑な感じでした。
井澄からすれば、「無事に佐賀まで運んでほしい」
記者からすれば、「列車に近づき、真実を探ってほしい」
一味からすれば、「どうにかして列車を止めてほしい」
コンテナの中身は何なのか?段々と燃料の正体が明らかになるにつれて、「闇」の大きさや深さがいかに壮大なのかがわかりました。フィクションではありながらも、一部本当だとは思いますが、あり得そうな内容に恐怖を感じました。
自分の知らないところでこんなことが繰り広げられていると思うと、歯痒い気持ちになりました。
でも、その中で活躍する井澄を始め、JR貨物で働く登場人物の働きぶりは読み応えがありました。
いずれにせよ、話の展開としてはどの方向へ転がっても、理想的な結果にはなりません。一方では良い結果でもありますが、同時に他では悪い結果ともなります。
結局、おいしい話には必ず「裏」があることを感じずにはいられませんでした。
映画のような激しいアクションや攻防戦ではありませんでしたが、疑惑という精神状態のなか、奮闘する登場人物たちは圧巻でした。側から見れば、穏やかな騒動ながらも、それぞれが働く「仕事」ぶりが垣間見れて楽しめました。
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自衛隊の要求で燃料と称される物を青森から佐賀まで運ぶ事になるJR貨物。
ベテラン運転手は荷物に疑問を抱く。
何かおかしいと思う新聞記者も貨物列車を追っかける。
妨害も懸念される。
隠蔽の元にたくさん人達を巻き込んだサスペンス。
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JR 貨物が依頼された何やら怪しげなタンクコンテナの緊急輸送。しかも青森から佐賀までのの長距離!自衛官やら警察官も乗り込みルートや日程も極秘。運行を妨害する組織も現れて…。原発の問題も絡め輸送の緊迫感も書かれているのだが、あまり動きがなかったせいかそれほどハラハラドキドキなしに読了。
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JR貨物に積み荷が謎の特殊燃料を青森から佐賀まで運ぶという輸送計画がスタートする。
序盤から政府と警察からの圧力を感じる…
取材に走る新聞記者に行く手に迫る妨害など…
その中で、職務を全うする運転士はとても熱く素晴らしい。
一気読みしたあとで
本日9/20の朝刊見出しが、タイムリーで思わず二度見するほど…
放射性廃棄物海外委託も。
柏崎刈羽原発また不備。
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テンポよく3つの視点で進んでいきながら、謎が少しずつ明らかになっていく。
しかし、急停車したあとの最後尾のディーゼル車が動くところ、今一つイメージも出来ず、意図も理解できず。
更に元首相の裏仕掛けも???と。なんだか結局謎解きが出来ず・・・けど到着したから今更元に戻って読むのもなぁ。
JR貨物のことが少し知れたことはよかったかと。
単なる私の理解度不足、頭硬くなっているしあえて深読みはいたしません(笑)
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JR貨物に入った、自衛隊の特殊燃料を緊急輸送するという依頼。しかし異様に物々しい警護と、ベテラン運転士の感じた積み荷への違和感、そして明らかにこの輸送を狙ったものと思える架線事故の発生。本当に積み荷は特殊燃料なのか。政府は何を隠蔽しようとしているのか。そしてこの緊急輸送は無事に成功できるのか。息詰まるような社会派サスペンス。
なんだか……ありそうなだけに嫌な話だなあ、という印象です。積み荷の中身が何なのか、というのは状況を考えればそこそこ早くに推察はできるのですが。本当にこういうのってありそうなんですよね。そういう意味ではとても怖いし、だからうまくいったあとならその時知らされなくて良かった、となるのかもしれないけれど。何か起こった後では遅いんだよね。
JR貨物の職員たちのお仕事小説としても読めます。鉄道好きな人にはたまらないじゃないかな、こういうの。
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真保さん期待の新作だが、物語に入り込むことができず淡々と読み終わった。こちらが勝手に想像していた内容とのギャップに戸惑うばかりだ。エンタメの形式を取っているが、実態は原発に絡んだ問題提起だというのが最大の理由かもしれない。自衛隊の緊急輸送を担うことになったJR貨物の社員、“きな臭さ”を嗅ぎつけた青森の新聞記者、暗躍する男女などが交互に描かれるが、彼らの行動にはまるで説得力が感じられない。エクスプレスも貨物列車だしなあ……。惹句の割にはスケールが小さくてがっかりしたが、この国では起きそうな話だとも思った。
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読み終わって巻末を見て初めて気づいたが、毎日新聞日曜版別刷に連載されていた小説が単行本化されたもの。
連載されていた時には読まなかったが、そういえば載っていた…。
青森から佐賀まで廃棄物核燃料を運ぶといったストーリーだが、ものがものだけに依頼する方も全容を明かさない。
読んでいて、軽視しがちだったJR貨物の仕事に対する取組み姿勢がよく分かったのが良かった。
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久しぶりの社会派アクションに期待したが、真保さんらしからぬ…健気に事実を知らしめようとする行為をテロと呼んで最後まで引っ張ったり、いつもの最後の謎解きも混乱。ここまで反原発だと東電に買い占められるのではと心配した途端に、被害者に冷たくなったり立ち位置もグラグラ!初の3評価…
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ミステリと鉄道、しかも貨物列車という興味深すぎるテーマだったがラストの動機解説が政治的でよくわからなかった。敵の実行部隊が弱すぎたのも残念。設定が良かっただけに勿体ない。
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緊急輸送の貨物列車を巡る攻防。
意図せず2冊続けて同じ題材。
他人事ではない部分もあり
まだエンタメとして純粋に楽しむことは難しい。
[図書館·初読·10月19日読了]
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真保裕一の最新社会派サスペンス作品で、題材としては、原発問題に絡み、政府が絡む謎の物質を急遽大急ぎで貨物電車を使って青森から佐賀まで運ぶことになり、その乗務員や自衛隊、警察、政府関係者たちが、それぞれの思惑の中で、隠密に輸送するのですが、それを妨害しようとする団体やマスコミが絡み、無事に運びきることができるのか?や謎の物質の正体は?ということが絡みながら結末を迎えていくという内容です。物語のプロット自体は良いと思いましたが、やや詰め込み過ぎた感が残りました。
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青森から佐賀まで、自衛隊の特殊燃料を運ぶ依頼がJR貨物に入った。だがルート上で架線事故が発生。しかも、積み荷は液体の燃料とは思えない挙動を見せる。さらに次々と危機が…。
貨物列車オタクや原発に特に関心がある人ならより楽しめたのかもしれないけれど、どちらでもない私にとってはイマイチな作品だった。この設定で真保裕一ならもっとハラハラするかと思ったのに…。
(D)