紙の本
埋もれていた歴史
2021/05/29 08:33
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タロ・ジロが南極で一年間生存していた話は幼いころに聞きもちろん知っていました。
確かに、食料はどうしたのかとの疑問は浮かびませんでした。
感動した物語の部分しか見ていませんでした。
この本を読みその理由がわかりました。
北村泰一さんがよく思い出していただき、嘉悦さんがまとめていただきこの話が世間に知られたことは大変素晴らしいことです。感謝いたします。
私も陰ながら人の役に立てたらうれしいと思います。
たとえ評価されなくても、そんな生き方が出来れば本望です。
亡くなった犬たちを北村さんが水葬されるシーンは涙が溢れました。
電車の中でしたので、大変困りました。
我が家の愛犬のことが更に更に愛らしく、愛おしく思いました。
裏表紙の犬ぞりの写真、真剣な犬の表情を見て、その健気さに再び涙が溢れました。
紙の本
知らざるもう一匹の犬の謎にせまる
2021/02/28 06:34
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画やドラマになり有名なタロとジロのほかにもう一匹南極で生き抜いた犬がいた!
丹念な取材に基づいたドキュメンタリー
老人施設に入っている北村氏へ取材に訪ねたエピソードから始まり、この本を書くまでの過程。
北村氏の話や資料に基づく南極探検の話。
第三の犬はどの犬かの推理。
推理は納得できるもので、「そうか、彼がいたから二匹は生き残れたのか」と名前を知られていない犬への尊敬と感謝の感情があふれた。
大変すばらしい作品だと思います。
紙の本
面白かったです
2020/09/27 00:51
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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画にもなったカラフト犬タロとジロの南極での生還劇は有名ですが、その陰でもう一頭生きていた犬が存在した。それはどの犬だったのかを、残された資料と元南極越冬隊員北村氏の証言を基に検証しているのがこの本です。またそれ以外にも、南極越冬隊設立やカラフト犬が南極に持ち込まれた経緯から、犬たちを置き去りにせざる終えなかったことまで非常に綿密に綴られています。
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タロとジロが南極で1年生き延びていたのは、リキがついてたんだね。そして北村さんがまた戻って来ると思って、基地を離れなかったんだね。謎が判明した最後は、涙が止まりませんでした。
第一次越冬隊で犬係をされていた北村泰一さんが、一年後に再び南極を訪れてタロとジロと奇跡の再会を果たす-映画「南極物語」でもお馴染みのように、ここまでは誰もが知っているけれど、そこからの事は全く知らず、そして一次越冬の間、樺太犬がどのような活動をしたのかなども知らなかった。この本には詳しくその辺りの事が描かれていて、真実の南極物語を知ることができました。
北村さんは、あぁやって置き去りにしてしまった犬たちを弔われたのですね。北村さんが雪に埋まっていた7頭の犬達の遺体を見つけだし、そして水葬される場面、読んでいても北村さんの想いは想像できかね、この時も涙が止まりませんでした。
南極で置き去りにされ、犠牲となってしまった樺太犬たち。「あまりに可哀想な話」だと思っていました。おそらくほとんどの人もそう思っているでしょう。でもこの本を読んで、南極越冬隊の方達と共に、日本から遥か1万キロ離れた南極の地にやってきた樺太犬達が、どれだけがんばったか。どれだけ誇り髙き彼らだったか。その事を知り、そんな悲しい思いだけで彼らを語るべきではないと思いました。日本の発展の裏に、こんな素晴らしい犬達がいたってことを、改めて多くの人達に知ってもらいたいです。
心の底から、この本に出会えて良かったと思います。
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読んでる途中、映画南極物語をみたくなった。
ラストまで読んで、映画南極物語は無いな、と結論づけた。
まあ、当時は第3の犬の事など知られてなかったし、エンターテインメントのため行方不明になった犬を適当なシーンに当て死亡させるのも止む無しだったかも知れないが、でもやっぱりこの本読むと観る気になれない。
よく頑張ったよなぁと当時の犬たちを想う。
映画南極物語世代はしっかりと現実を知るべくこの本を読んで欲しい。
そして、急に遊星からの物体Xの犬を思い出したw
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あの南極観測隊のタロとジロ。置き去りにされながらも生き残った奇跡の二頭のカラフト犬。その生存の影にいた第三の犬の存在を検証するノンフィクション。
映画「南極物語」ほかタロジロの物語は有名。当時、犬を置き去りにせざるを得なく、また次の観測隊メンバーに選ばれ、タロジロと再会を果たしたという犬の世話係、北村隊員にインタビューしながら検証した話。南極観測に当たっての犬ソリ隊の形成に当たる苦労。ヒトとイヌとの信頼関係の形成など、第三の犬の内容がなくても充実した内容の感動作。
タロジロは生き残ったが死んだ第三の犬、どの個体だったかは記録からはわからない。幼い二匹の犬の奇跡の生存。南極観測隊の苦闘と共にカラフト犬たちの存在を後世伝える良質なノンフィクションであろう。
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帯の「だれもが、昭和基地で生きていた犬はタロとジロだけだと思っています」にひかれて衝動買い。すんごくおもしろかった。よい本に出逢った…。
プロローグからぐいぐい引き込まれ、南極越冬隊の犬係だった北村さんの愛情深さと犬の懸命さにボロボロ泣いた。いぬ!いぬ、かわいいよ!
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ただの犬ではなくて、人間と同じように心があり感情があり愛があるこそ胸が痛くなる。私自身犬を飼っているからこそ、共感できる部分がたくさんあった。彼らの本能は本当に素晴らしいものであるし、カラフト犬として立派に役割を果たしたことを讃えたいし、忘れるべきではない事実であると思った。タロとジロの再会の場面、亡くなってしまったカラフト犬、人間が来るまでの生き延び方など驚くことばかりだった。
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友人からの誕生日プレゼント。
まず、この本を読む前の前提知識としては以下。
【TBS開局60周年ドラマ『南極大陸』(主演:木村拓哉)より】
・印象的な犬はリキ。リーダーシップが強く、唯一家族との別れが描かれた犬。(娘役は芦田愛菜)
・船、宗谷
・タロとジロが生きていた
単なる対談本かと思っていた。
しかし読み進めてみると、特に後半、
ミステリー小説級の鳥肌の連続。
何気なく漏らしていた記憶が、最後の犬への解明に。
「リキ帰還」のシーンには、2度涙。
水葬のシーンは衝撃で涙目。
また、この本のいいところは、
受け手が「ああ、なんて素敵な美談」と過剰に感じないよう、科学者として、「樺太犬として、生き残るためのシビアな戦略」を強調しているところに好感を持てた。
どこまで史実で、どこまで脚色されているのかは分からないが、どちらにせよ「科学者」としての見解には違和感が無かった。犬の気持ちには犬にしか分からないのかもしれない。それでも、人間には想像力がある。
都合のいい考えだけを追求するのではなく、
人生の選択・意思決定の中で、
周りの動物や人間、過去の偉人の思いに対して、
想像力を働かせて生きていきたいと思った。
時には都合のいい捉え方も、素敵かなと。
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「いいね」をいただいたnanadeutschlandさんの本棚を拝見し、この本の存在を知りました。
38年前に見た「南極物語」で涙した思い出が甦ったが、タロ・ジロと第三の犬以外のカラフト犬にも焦点を当て、残置された7匹の水葬の場面では涙が溢れた。
ブクログによって良い本に出会えました。nanadeutschlandさんにも感謝申し上げます。
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タロとジロの他に生きていた犬がもう一匹いた!
その犬の正体は?なぜ公表されなかったのか?
歴史的事実としても貴重な記録。
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その犬の名を誰も知らない
著 嘉悦洋さん。
監修 北村泰一さん。
真実の南極物語。
封印された第三の犬の正体をめぐる。
第一次南極越冬隊。
終戦から10年。
科学技術で世界に貢献する。
南極観測の実現。
何をやるにしても、最初というのが必ずあります。
必要なのは、可能にする勇気ですよ。
すごい人たちだなぁー。と、
まず、思った。
その中で、犬係として参加していた、
北村泰一さん。
犬達を置き去りにした事。
胸を痛め、
第三次越冬隊に志願。
タロジロとの再会。
亡くなった犬達を水葬する場面。
涙涙。
第三の犬ちゃんは、
北村さんを、昭和基地の仲間達を、
待っていたんだね。
映画 南極物語
もう一度見てみようと思いました。
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南極物語で渡瀬恒彦がやってた役のモデルになった九大名誉教授の記憶を辿って、第9次隊が遺体を発見したものの殆ど公になっていない、タロ、ジロと一緒に昭和基地に残っていたであろう「第3の犬」を追う話。物証がないので、当時の記憶と記録を積み上げて、そこから推測するアプローチなんだけど、読後、落ち着いて考えると、質的研究みもあって面白い。
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読んでよかった、と思う。
「タロとジロの奇跡」から10年後、南極昭和基地にてカラフト犬の遺体が新に発見された_ 。全く報道されなかったこの事実について、南極第一次越冬隊最後の生き証人となった北村泰一さんと、元新聞記者である筆者が検証を試みる。
87歳の北村泰一さんは高齢者施設に入居されており、取材開始時には記憶が覚束ないところもあったという。しかし、「犬たちが南極でどう生き、死んだのか、すべてを証言しますから、それを記録に残して欲しいのです」「タロとジロ以外は今もなお、名もなき存在のままです。彼らが南極で苦しんだり喜んだりしたすべての真実を、世の中に知ってもらいたい。そうでなければ、私は死んでも死にきれない」という一念で長期に渡る取材に臨んだという。
北村青年の南極行きに懸ける強い意志と行動、共に過ごす中で培われた犬達への信頼と尊敬、そして南極を離れる際に“逃げられないように首輪をいつもよりひとつ縮め、きつく締めた”こと。
今更、賛否について語るつもりはない。だが本書を読むことで、北村氏が伝えたかった、犬たちのソリ犬としての誇りを、確かに受け取ることができた。
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映画『南極物語』世代としては、タロとジロ以外の犬達の名前もしっかり覚えているので懐かしさもあり、特に好きだった「その犬」の物語に心が震えた。
過酷な仕事をする大型犬の訓練は過酷なものだが、越冬隊犬係の北村氏とカラフト犬達との絆や信頼関係は強く濃いものだったのだろう。