ihaさんのレビュー一覧
投稿者:iha
2022/03/14 11:35
素晴らしい一冊です
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
文の構造を基礎から徹底的に叩き込む本です。決して楽ではなく、むしろ理解→暗記の繰り返しで非常にタフですが、それらを乗り越えた暁には成果が確実の約束されている一冊だと思います。
2020/08/18 17:50
果てのない物語
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上田誠氏による戯作「サマータイムマシン・ブルース」を下敷きとした四畳半物です。小津を始めとする四畳半神話大系の個性豊かな愛すべき登場人物たちがタイムマシーンに乗って今日と昨日を行ったり来たり。いろいろ騒動を起こし、主人公である「私」を引っ掻き回しまわすのはまさに四畳半の真骨頂。他者の戯作が見事に著者の四畳半のいちエピソード(これもお得意の並行世界?)へと化けています。非常に面白かったです。
2022/03/14 11:51
勉強になります
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英文解体新書の著者による新書による英文解釈本です。解体新書よりは易しめですが、文学や新聞などなど色々な媒体の英語を読み解く重要なヒントが散りばめられています。巻末の60の例文は勉強になるので繰り返し読んで覚えこもうと思います。
電子書籍三体
2021/12/03 10:56
面白かったです
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非常に複雑で壮大な物語です。冒頭は中国の文化大革命から始まり歴史小説かと思いきや、あっという間に時間軸が現代に移動し、科学者の不審死を扱うサスペンス物のようでもあり、SFのようでもあり…。いろいろな要素が繋がりはじめ物語に全容が少しづつ明らかになり始めるのは中盤以降。難解な科学や思想的な考察もあって非常に読み応えがあります。そして物語は全人類に絶望を与え唐突に終わりを迎えます。次作ではどういう展開になるのでしょう。非常に楽しみです。
紙の本外国語上達法
2021/12/03 10:22
面白かったです
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どうやったらネイティブのように言葉を操れるようになるのだろう。そもそも努力でその域に入ることができるのだろうか。この本の最終章で「レアリア」という言葉が出てきます。その国、その地域固有の共通認識を指すこのレアリアという言葉が母語話者と言語学習者の決定的な違いを表している気がいたしました。言語をより深く知るために、やはり体験に基づく知識は大切なんだと再認識した次第です。
2021/11/19 12:26
面白かったです
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フランスとの100年戦争に始まり、国内のジャック・ケイドの乱を経て、最後はランカスター対ヨークのばら戦争にて終演とシェイクスピア作品の中でも屈指の荘打差を誇る三部作です。その分多くの人物が登場し、それぞれの思惑が複雑に入り組み難解な部分もありました。人間の業を多角的に描いた名作だと思います。
紙の本運命の裏木戸
2021/11/19 12:08
面白かったです
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クリスティーの実質上の最後の作品なのだそうです。と言う事で名探偵夫婦の活躍も今作で終わりとかなりさびしいです。初登場時は「2人合わせて45歳」と若かった2人ですが、年を重ねて今作ではお互い70を超えた老人になってしまいました。息の長い作品です。年はとりましたが、タペンスの好奇心と茶目っ気は相変わらずで、とても愛らしいです。今作には今までみたいな派手さはありませんが、しっとりと読ませてくれました。年も年なので物足らないくらいがちょうど良いのかもしれません。代わりに2人の愛犬ハンニバルが大活躍でした(笑)。
紙の本ねじれた家
2021/11/19 11:48
面白かったです
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あるお屋敷で大富豪が毒殺され、その犯人はどうも家族の一員らしい。怪しい人が二転三転し、最後は一番意外な人が犯人で終わるという、ある意味クリスティーの典型のような作品です。「犯人は自己主張し、そして常にしゃべりたがる」という大ヒントがありながら、今回も最後まで犯人が分からず、終始ドキドキしながら読み進めてまいりました。
紙の本英文解釈教室 新装版
2021/11/19 10:50
面白かったです
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言わずと知れた受験英語の名著で、英文解釈系のテキストの代表のような一冊です。一冊やり通すのには結構時間がかかりますが、繰り返し取り組むことで難解な英文も読めるようになります。
紙の本熱帯
2021/09/20 13:43
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複雑怪奇でひとを煙に巻くようなはなしでした。「熱帯」という物語を境界として現実と非現実を繰り返し行ったり来たり。そしてどんどんとその境界が不明瞭になり、自分がどちらにいるのかよく分からなくなってしまう。とにかく不思議な読後感が残りました。
紙の本悪党たちの大英帝国
2020/11/08 14:27
面白かったです
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英国史上にその名を残す7名の人物に焦点を当てた伝記です。表題に「悪党」と銘打つだけあってそれぞれがとてもアクの強い人物ばかり。むしろそのくらい個性が強くなければ人間は大成しないのかもしれません。まずその人物の悪党たるゆえんが綴られることで序章が始まり、その後の人生が功罪両面から丁寧に描かれてゆく、とてもドラマチックな作りになっています。非常に面白かったです。
紙の本ガリヴァー旅行記
2022/04/03 12:58
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幼少のころに児童文学として小人国や大人国などに触れたことはあっても、完訳がここまで文学の薫り高く、風刺の効いた大人の読み物と知ることはなかなかないのかもしれません。特に第四部の「馬の国」は人間の欲深く残忍な本性をユーモラスかつ痛烈に批判しています。子供に読ませられる無邪気さと、大人の分別がうまく混ざり合った叙情豊かな作品だと思いました。
紙の本おっちょこちょ医
2022/03/14 12:06
面白かったです
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架空の国の無医村にやってきた待望のお医者がとにかく粗忽者という物語です。病名や薬の分量などもうっかりと間違えるので、村の患者たちには非常に油断ならない先生です。しかし、医者としての腕前は確かで、根がまっすぐゆえに、村人たちからは呆れつつも受け入れられてゆきます。彼のユーモアたっぷりの粗忽ぶりが描かれている前半に比べて、後半は、戦争が村に及んだこともあり、非常にシリアスな展開となっています。正直で粗忽な先生が生きるのには厳しすぎる時代だったのかもしれません。優しいですが非常に切ない物語でした。
電子書籍三体III 死神永生 下
2021/12/03 10:58
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地球人類と三体人たちの戦いの物語第三弾後編、そして最終巻です。前作では、三体人の侵略を退ける代わりに、太陽系の座標を全宇宙に知らせてしまうという大きな犠牲を払いました。今作では、未知の地球外文明の攻撃に備えるためにあらゆる努力を行います。そのまま、太陽系を死守する物語かと思いきや、想像をはるかに超えたスケールで物語が進行し、物語の着地点も想像を絶します。素晴らしい作品でした。
電子書籍三体III 死神永生 上
2021/12/03 10:57
面白かったです
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地球人類と三体人たちの戦いの物語第三弾前編です。前作で絶体絶命ののち、奇策を用いてかろうじて引き分けに持ち込むことができましたが、今作ではそんな危うい均衡状態が破られ、またしても人類は侵略の危機に陥ります。さらに新たなより手強い敵の影も見え始めて、非常にアップダウンの激しい状況です。この先どのように話が展開して、人類はこの危機を乗り越えるのか全く想像つきません。下巻を楽しみにしたいと思います。