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商品説明
朝鮮総督府の権力のあり方とその変遷、日本米穀市場とのかかわりを重視し、植民地期朝鮮における米穀検査制度の歴史的展開の全過程を考察。朝鮮における米穀生産と流通過程の再編過程を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 第1章 開港から併合まで(開港期)
- 第1節 開港から日清戦争期まで(1876〜1895)
- 第2節 日清戦後から日露戦争期まで(1895〜1905)
- 第3節 日露戦後から「日韓併合」まで(1905〜1910)
- 第2章 「日韓併合」と植民地農政(1910年代)
- 第1節 「自主的」検査の実施
- 第2節 朝鮮総督府米穀検査規則の制定と部分的道営化
- 第3節 全国的直営化への改正(1917年)
- 第4節 植民地朝鮮の農政と品種改良策
- 第5節 道営検査制度実施の影響
著者紹介
李 熒娘
- 略歴
- 〈李熒娘〉1954年韓国生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程及び博士課程修了。中央大学総合政策学部教授。
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紙の本
米作からみた植民地支配の光と影
2017/10/25 14:39
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投稿者:miyajima - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本帝国が植民地朝鮮にコメを栽培させ、しかもその米が日本国内で競争力を持つように検査制度を充実させ、商品として競争力を持つように品種改良を施し、その結果日本で大きな競争力を持つようになったと説く本。そんな視点をいまだかつて持ったこともないし、誰も教えてくれなかったので大変に面白く読めました。
1920年代には朝鮮米に対抗しえた日本産米は東北米と越後米に絞られるほどになったというのですね。まずは東北米は耐冷性があって食味に富む「陸羽132号」を開発します。越後米はというと東北米と違って直球勝負ではなく、極早世の「農林1号」を開発。朝鮮新米が出回るまでの端境期に市場に出荷するという戦略を取って対抗したそうです。
もちろん負の側面もあって、戦時体制下では農民に供出を強要し家宅捜索まで行ったりしたのですが。要するに、市場メカニズムに従った朝鮮産米の日本市場統合というあえて言えば光の部分と、総督府の農民支配という明らかな影の部分をしっかりと描いた労作と言えましょうか。