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商品説明
カニの恋の必殺技は求愛ダンスだけじゃない! 大きなハサミでメスを招き求愛歌をうたうオス、干潟をさまよい好みの相手を探すメス、ペア成立を妨害するライバルとの三角関係…。ハクセンシオマネキの興味深い生態を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
「グーッ・グーッ・グーッ……」暗い穴の奥でかすかに響く低い音。これはハクセンシオマネキのオスがメスを巣穴に誘う求愛音だという。しかしどんな音がメスに好まれるのかも、そもそも音がカニの身体のどこから出ているのかすらも分からない。不思議な歌に導かれてカニ研究者になった著者が見た、炎天下の干潟の恋模様。2021年度日本動物行動学会賞受賞研究【商品解説】
目次
- プロローグ
- 1章 干潟への招待
- ハクセンシオマネキとは
- 「ハクセンシオマネキは鳴くよ」
- 繰り返す満ち引きの間で
- 二つの恋のかたち
- いざ研究開始!
- 2章 カニの歌を聴け
著者紹介
竹下 文雄
- 略歴
- 〈竹下文雄〉宮崎県出身。北海道大学大学院水産科学院博士後期課程修了(博士(水産科学))。北九州市立自然史・歴史博物館学芸員(甲殻類・貝類担当)。日本動物行動学会賞を受賞。
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「恋」の研究実験は難しい。
2022/07/06 19:55
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物はどういう過程を経て配偶者を見つけ、繁殖までに至るのか?著者はカニ(シオマネキ)の行動を題材として実験的に解明しようとしている。
野外での実験は条件を揃えるのもなかなか難しい。一般の人も訪れる場所だと苦労話も多くなる。それに加えて著者の実験は「カニの異性選び」というかなり動物心理学な部分もあるもの。人間の「男女関係」で推し量っていいのかどうかわからないが、どこか「主観的な要素」が入り込んでしまいそうな分野の実験設定は難しい。だがその分、人間ではできないけれど動物ならできるかも?の面白さもあるようだ。そんな研究・実験のチャレンジ精神を感じた。
若手研究者中心の執筆シリーズのためか、研究のきっかけ、計画や論文化の苦労などの話が多くなるのは当然なのだろう。しかしその分「おもしろいけどまだまだこれから」感が強く、「新しい知見、考え方」の刺激を求めるにはもう一段階も二段階も、というところ。ストーリーが大きな科学の流れに注ぐまでに成長したらまた読ませてほしい。