サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 3 5件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.2
  • 出版社: 松籟社
  • サイズ:20cm/153p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-87984-238-9

紙の本

北は山、南は湖、西は道、東は川

著者 クラスナホルカイ・ラースロー (著),早稲田 みか (訳)

京都の町を走る京阪電車の扉が静かに閉まる。無人の駅にひとり降りたつ美しい若者—彼こそ、かの光源氏の孫君。何かが彼にささやいている、彼の求めるものが、何世紀もの長きにわたっ...

もっと見る

北は山、南は湖、西は道、東は川

税込 1,980 18pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

京都の町を走る京阪電車の扉が静かに閉まる。無人の駅にひとり降りたつ美しい若者—彼こそ、かの光源氏の孫君。何かが彼にささやいている、彼の求めるものが、何世紀もの長きにわたって探し求めてきた「隠された庭園」が、この地にある、と。しかし—ハンガリーの想像力が“日本”と出会うとき。【「BOOK」データベースの商品解説】

京都の無人の駅にひとり降りたつ美しい若者−。彼こそ、かの光源氏の孫君。何かが彼にささやいている、彼の探し求めてきた「庭園」が、この地にある、と…。現代ハンガリーを代表する作家の日本滞在体験が結実した小説。【「TRC MARC」の商品解説】

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー5件

みんなの評価3.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (1件)

紙の本

源氏の孫君は京阪電車に乗って

2009/02/14 18:16

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:abraxas - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者はハンガリー人。ハンガリーの文学界では著名人で映画の脚本も書いているらしい。ちなみにハンガリー人の名前は日本人と同じで、姓・名の順に表記されるそうだ。それだからどうというわけもないけど親しみを覚えてしまう。

で、この小説だが、ハンガリー人がハンガリー語で書いているのに舞台は京都。登場人物も日本人である。そんな小説は今どきめずらしくもないと言われるかも知れない。どっこい、これは、少しちがう。ストーリーらしきものは確かにある。が、まるでそれがサイド・ストーリーのように読んでいて感じられる。

のっけから奇異に感じられるのは、冒頭に「2」とふられた章からはじまるからだ。ページは1とあるから落丁ではないと分かる仕組みになっている。「列車は線路の上ではなく一本の鋭い刃の上を走っていた。」という書き出しで、読者は現代の京都の町に誘導される。

福稲というから東福寺界隈と思しきあたりで京阪電車をおりた話者の眼には死んだように静まりかえった京都の町が映っているらしい。蓮実重彦の書く文章のようにきわめて息の長い文章が延々と綴られるに連れてまるでカメラを通して見つめているように、微細な風景が話者の心象風景を綯い交ぜるようにからめて語られてゆく。

一章自体は短いのだが、寺の境内の様子についてびっしり書き込まれた情景描写が終わると、新しい章が現れ、初めて主人公の名が明かされる。それが、源氏の孫君である。そうなのだ。この不思議な小説の主人公とはあの光源氏の孫なのである。

『名庭百選』という本に紹介されていた庭を探しに、供も連れず京阪電車に乗ってやってきたのだが、町は祭か災厄でもあったのか人っ子ひとりいず、案内人もないままに寺に入りこんでしまったところである。

叙述の体裁は断章形式で、時系列は操作されている。時折、誰もいない京阪電車の駅舎の情景を描いた章が挿入されるあたりは、まさにカットバック処理された映画を見ているような気分にさせられる。

寺を造るために、北は山、南は湖、西は道、東は川に囲まれた地を見つけるところからはじまり、吉野の山に生えた一本のヒノキを探すという、日本の寺の造営法から伽藍配置、一本のヒノキが宮大工の長年の経験によって山門のどの位置に使われるかといった蘊蓄がこれでもかというほど偏執狂的に記述される。

やがてそれは、主人公が探しながら見ることのかなわなかった秘密の庭の描写へと移るのだが、中国から風に乗って運ばれたヒノキの花粉が、運良く生きのびて、この寺のこの場所にまで来ることができたのかを例の蛞蝓が這い回った後に生じる燐光を帯びた航跡のような文体で延々描写される。

その合間合間に、孫君捜索の命を受けた背広にネクタイ姿の供の者たちが自販機のビールで酩酊するといったスラップスティックの場面を点綴しつつ、瀕死の犬やら、板壁に目玉の部分を釘で打ち付けられた十三匹の金魚だのというみょうに禍々しいオブジェを介し、持病の発作を癒すため一杯の水を探し求める主人公の探索行を物語るという、一筋縄ではいかない小説なのだ。

物語の展開があまりに奇想天外で状況が飲み込めないことから、読者はきわめて宙ぶらりんの状態で読むことを余儀なくさせられる。しかし、それでも謎にひかれるように読み進めていくと読むという作業自体は、次第に快楽の度合いを深めていくのであって、上質の読書体験が読者には約束されていると言えるだろう。

一つ落ち着かないのは、この独特の語彙とうねくるような文体がどこまで著者自身のもので、どこからが翻訳者の努力によるのだろうという点である。センテンスの長さは原著に合わせているのだろうが、寺社の建築、作庭に関する用語等は翻訳者の手柄だろうか。二度の半年ほどの京都滞在で自家薬籠中の物としたのなら、著者の見識を賞賛するしかないが。

最後の章のひとつ前で、場面はもとの京阪電車の駅舎に戻り、既視感に満ちた光景が描写され、物語は円環を閉じるように見えるのだが、列車の方向は初めとは反対の北を指し、京都の町でいましも起きようとする災厄を予言する禍々しい言葉が終わりの始まりを告げる。

こういう世界が好きな人にはたまらない作家だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2013/03/06 15:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2018/11/03 11:42

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2019/08/13 00:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2020/09/22 09:14

投稿元:ブクログ

レビューを見る

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。