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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/07/12
- 出版社: 生きのびるブックス
- サイズ:20cm/229p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-910790-04-6
読割 50
紙の本
無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語
著者 野崎 歓 (著)
大江健三郎の描く子供たちは、なぜひときわ鮮烈な印象を残すのか。子供時代と強いきずなで結ばれ、子供とつながる想像力に支えられている大江文学の素晴らしさを伝える。「生きのびる...
無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語
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商品説明
大江健三郎の描く子供たちは、なぜひときわ鮮烈な印象を残すのか。子供時代と強いきずなで結ばれ、子供とつながる想像力に支えられている大江文学の素晴らしさを伝える。「生きのびるブックス」ウェブサイト掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
大江健三郎の描く子供たちはなぜ、ひときわ鮮烈な印象を残すのか。
〈無垢〉への比類なき想像力にせまる、まったく新しい大江論にして、最良の“入門書”。
これから大江文学と出会う世代へ。読まず嫌いのまま大人になった人へ。
大江文学の意外な面白さに触れる一冊。
「子供たちに重要な役割を演じさせる大江作品は、子供時代と強いきずなで結ばれ、子供とつながる想像力に支えられている。(略)
若くしてのデビューから、老齢に至るまで、一貫して『チャイルドライク』であり続け、子供の無垢への追憶と志向を保ち続けたところに、大江文学の素晴らしさを見出したいのである。(本文より)」【商品解説】
目次
- ◆第一章 チャイルドライクな文学のために
- 「文学国語」と「論理国語」
- 大江健三郎を教科書に?
- 子供っぽさの魅力
- チャイルドライクな文学
- ◆第二章 学生作家の栄光と不安
- 憧れの仏文
- 翻訳から創作へ
- くそまじめな精神を打破せよ
著者紹介
野崎 歓
- 略歴
- 〈野崎歓〉1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。「異邦の香り」で読売文学賞、「水の匂いがするようだ」で角川財団学芸賞受賞。
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書店員レビュー
祈りについて
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
大江健三郎作品に登場する子ども像に焦点をあてた評論です。赤ん坊の泣き声、雨を蓄えることができる木、原生林、神隠し、呪術・・・・・・
大江作品を読んでいて頭に残るのは、何よりも台詞回し。先程申し上げたような情景の中で、大人が、また子ども自身が発する言葉の発光です。
大江さんの小説の中でも、息子さんの大江光氏をモデルとした、「イーヨー」という人の残す言葉は、きわめて強く光ります。ある日「すてご」という曲を、イーヨーは作りました。自分を「捨て子」と思っていたのではなく、自分の周りの人が「遺棄された赤ちゃん」を偶然見つけた経験を忘れないようにするため。いつか自分がそのような場面に出くわしたとき、その子を助けてあげられるように、言葉を選んだのです。
鳥のさえずりや川の流れのように、いつまでも聞けるけれど、いつまでも聞いていることで気が狂ってしまうのではないかとも思える音があります。それを昔の人は「祈り」と呼んだのかもしれませんが、大江作品を読むといつもこの「祈り」という概念について考えさせられます。
わかりやすく、想像しやすい言葉や情景を多く取り上げている評論集だと思います。大江作品のファンにも、これから読もうと考えている人にも、ぜひ読んでほしい書籍です。