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紙の本
滅びのモノクローム (講談社文庫)
著者 三浦 明博 (著)
【江戸川乱歩賞(第48回)】【「TRC MARC」の商品解説】CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から...
滅びのモノクローム (講談社文庫)
滅びのモノクローム
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商品説明
【江戸川乱歩賞(第48回)】【「TRC MARC」の商品解説】
CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!? 第48回江戸川乱歩賞受賞作、待望の文庫化。(講談社文庫)
1本のフィルムが暴く日本人の恥ずべき犯罪!
CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!? 第48回江戸川乱歩賞受賞作、待望の文庫化。【商品解説】
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紙の本
えーと、物足りないです
2019/10/12 13:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
うーん、ミステリーとしてもサスペンスとしてもかなり微妙。
読んでいてちょっと困るレベル。
やりたい事はわかるけど、底が浅い。
紙の本
私に「さらば、乱歩賞」と言わしめた作品です。以降、わたしはメフィスト賞作品を読むことはあっても、乱歩賞受賞作は手にすることも有りません。こんなにも人間が薄汚いなんて
2005/10/17 20:40
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仙台の骨董市で、レアもののリールを手に入れた広告代理店勤務の日下は、サービスにともらった缶のなかに古いフィルムを見つける」ミステリ。
第48回江戸川乱歩賞受賞作ですが、私には『13階段』に続いての空振りで、これを最後に乱歩賞作品を読まなくなった、記念的作品でもあります、はい。正直、空振りどころかゲッツーものですね。
小説は敗戦の直前の長崎ののどかな日常から始まります。三日前に広島に落とされた新型爆弾のことを知り不安を覚える倉場富三郎は、犬のムスとともに庭師の申松が庭木の剪定をしているのを見ています。そのとき、直前まで小倉への原爆投下を予定していたB29、通称B29ボックス・カーが上空に現れました。
そして現代。仙台東照宮の骨董市を覗いていた広告代理店勤務の日下哲は、青空骨董市には不似合いな値付けをしている店を見つけるのです。といって日下には、その値段が妥当かどうか判断する知識はありません。隅に置かれた柳行李の中にレアもののリールを発見した日下は、価値の分らない女店主から、一万円でリールと柳行李、そして不思議なスチール缶を手に入れることになります。
仕事に戻った日下を待っていたのは、営業の高橋が持ち込んだ政党のイメージCMの企画競合プレゼンの話でしたた。参院選の宣伝事業費は80億といわれます。自公党宮城県連は、いち早くCMを造ろうと動き始めていました。そして日下はスチール缶に入っていた古い16ミリのフィルムを何とか復元し、その企画に使うことを考えます。そして彼のアイデアは採用されるのですが。
彼らの周りで起きる事件、フィルムに写された釣りの風景、古いリールには何の意味が。そして倉で倒れた月森進之助の生命は。
日本の戦後を問いかける小説で、今この小説が書かれた必然性は大きいと思いますが、それが何であるかは読んでもらうしかありません。ただし、それがうまく行っているかとなると、正直疑問です。読んでいて、どうしようもない古さと野暮ったさを感じるのです。
登場人物は、全てが薄汚い印象です。この中で現代的といえるのは、数ページで姿を消す月森冴子とカルト大西くらいでしょう。正直、こんな人間ばかりならば日本なんてどうなっても良いといった思います。
戦争を題材にするのは悪くありません。現代政治の腐敗をつくのもいいです。しかし、なぜこんな人間しか描けないのでしょうか。巻頭に作者の言葉がありますが、もしかすると作者はこのまま現代の日本がまっすぐ戦争へと進むことを望んでいるのではないのかと勘ぐりたくなります。
選評が本に掲載されない乱歩賞本ですが、一体どういった根拠でこの作品が選ばれたのか、知りたくて仕方がありません。選評を公表するのは、乱歩賞選考委員、そして出版社の義務ではないでしょうか。ともかく、作者の意図が読めない、全く記憶に残らない作品でした。