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昨今の日本における死刑囚と死刑についての実態が赤裸々に綴られています。元刑務官でなければ書き得ない内容で、興味深く読みました。
死刑+無期懲役 vs 終身刑など議論になっている点についても触れていますが、かつて死刑に係わった立場もあってでしょうか、今ひとつ主張に歯切れの悪さが残っているように感じました。
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「死刑はいかに執行されるか」の文庫化…持ってたのに2重購入。
タイトルと作家名に釣られて瞬間的にレジへ。
どんなときも中身チェックは必須ですねorz
文庫化のときの改題には要注意!
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真面目な本なんですがね
年表とか組織図とか日記とか
色んなものがあるだけにリアルで
死刑執行までの劇画とかもあり
死刑執行をする刑務官が精神的にやられたりだとか
なんだか色んな角度で死刑を考えて
ちょっとホント気持ち悪くなってしまった一品。
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死刑執行を実行した刑務間は、ほぼ不幸な人生になっているという。「仕事で人を殺す」ことで気が触れてしまうらしい。しかし大変な仕事だ。
死刑制度に反対賛成と、以前から問題になっているが、私は賛成派だ。犯罪抑止の為にも廃止してはいけないと思う。被害者のことを考えれば「廃止しろ」なんて言えない筈だ。全体的にもっと重くしてもよいくらいではないか。生かしておくにも我々の莫大な税金が投入されているのだ。
冤罪や知的、精神障害者の犯罪となるとまた、話は違ってくるが。
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死刑について知りたい、というのが
この本を手に取った理由。
ですが、半分ぐらい読んで挫折…。
著者である元刑務官の私情があまりにも入りすぎていて、
まるで、どっかの知らんおっさんから愚痴を延々聞かされているような不快感。
上の連中には決して分からないとか、ただニュースを見ているだけの一般市民には伝わらないだとか…
それを伝えるために本書いてんだろ、うるせぇ!
というのが、正直な気持ちです。はい。
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著者は、各地の刑務所及び拘置所に勤務経験のある元刑務官であり、映画「13階段」ではアドバイザーも務めた人物である。
日本では死刑制度は完全秘密主義となっており、死刑囚の拘置所での様子から死刑執行まで、状況が明らかにされることはまずありえない。
そのような状況下で、実際に死刑囚と接触してきた刑務官から語られる言葉は、死刑というものを考えるうえでは非常に重要なものである。
本書では、死刑場がどのような構造になっているか、死刑がどのように執行されるのか、執行官はどのように選ばれどのように執行するのか、そういったことが赤裸々に書かれている。
私が主に考えさせられたのは、以下の点である。
まず、死刑囚の人間性について。
死刑囚の、マスメディアで報道される像と、拘置所における像のギャップがある。
当然、死刑囚によって人格は様々だが、囚人として模範的な死刑囚が多いのである。
凶悪犯罪を犯したことについて擁護するつもりは毛頭ないのだが、どんなに反省して改心しても、救われることがないのが死刑囚だ。
そして、こうした模範的な死刑囚であればあるほど、早期に死刑が執行されるという現状が、これは執行する側(法務省)の都合なのだが、とてもナンセンスに感じられるのである。
次に、死刑執行人の問題。
死刑制度について議論がなされるとき、中心的な争点は死刑囚の人権である。
死刑は国家による殺人だとか、そういったものである。
それも重要な争点ではあるのだが、多くの場合、死刑を執行する人間の問題はそこから抜け落ちている。
そういったことに、本書を読んで気づかされた。
刑務官の多くは、死刑反対論者だそうだ。
ただでさえ、人間を死に至らしめることの精神的重圧があるうえに、日頃接している(多くの場合は、模範囚とは良好な関係が気づかれているそうだ)死刑囚の刑を執行するとなれば、その負担は計り知れない。
そういった論点からも、身のある議論がなされるべきではないだろうか。
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死刑関連の本は、すこし読んできたつもりだったが、思い返すと刑務官視点のものは初めてだったように思う。
やはり、視点が違えば思いも変わってくるのだろう。
死刑囚の1番身近にいて、1番最後まで見届けてきた方の書く言葉は、つよく心に響いてきた。
まぁ、「死刑のすべて」と語るには、若干弱い感じも否定できないけれど、著者の思いがあふれる1冊ではあると思う。
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死刑本はいろいろありますが、刑務官が書いたのはこれぐらい?前半はかなり興味を引く内容だけど、中盤になぜかやたら凝った小説が長々とあったり、後半は話題があちこち飛びまくったりでちょっとがっかり。死刑の賛否は最後に書いて、そこまでは事実だけを書いてくれればよかったのに。。
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途中で死刑判決が出た事件を羅列しているようなところを少し読み飛ばしたりしたが、最後の項の死刑執行の様子の描写はさすがにリアリティがあった。
筆者の意見や心情が多分に入っているので、それも一意見として客観的に読むべきかと思う。
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読了。
刑務所の中、死刑囚が収容される一角。刑が確定したあとも、その執行までには何年もの時間がかかる。やけになった囚人の暴動を防ぐ為に、直前まで知らされずにひっそりと執行される死刑……。
書店で見かけ、これは知っているようで知らない世界だと思い、ふらりと手にとってみました。ドラマの中では、刑事や裁判関係はよく出てくるけれど、死刑囚が執行までをどんなふうにすごすかは、あまり語られないですよね。
人を処刑する立場の人々の心理、長年の間の閉鎖環境がもたらした弊害と秘密主義、死刑制度の問題と、死刑廃止運動がかえってもたらした悲劇。わたしたちが普段は眼を逸らしている現実。もと刑務官が綴るノンフィクション。
内容そのものは、読んでよかったと思うのですが、ところどころ暴露本みたいな色があって、それがちょっと苦手だったかもしれません。もちろん、正義感から書かれているということは、読んでいてわかるのだけれど、糾弾調の文章だと、共感よりも、警戒心のほうがつい先に立つというか。この方の仰ることは、物事の大切な一面だけれど、またほかの角度から見つめなおす前に、この意見だけを頭から鵜呑みにするのは、やや尚早ではないかというような。
長年のあいだに降り積もった苦悩や不満がそうさせるのでしょうし、激しい論調になるのは、心情的にはわかる気がする。けれど、人は何かを糾弾するときには、とても視野が狭まるものだから、それをすべての真実であるかのように鵜呑みにして読むのは、ちょっと危険だなとも思います。そういうとき、ひとは自分の立場に偏ったものの見方をするものだから。
もっとも、一見、冷静で公平にみえる文章のほうが、ほんとはもっと騙されそうで危ないのかもしれないんですけど。
さておき、興味深い一冊でした。死刑廃止論の理想と現実。死刑が確定しても、せめて人として死なせたい、罪の重さを自覚して悔いてから死んでほしいという思い。中には以前と人が変わったような、悔悟の色の強く見て取れる死刑囚もいて、そうした囚人と長く日々をすごしたあとに、その相手を刑場に引き立てていく……。
死刑確定者の数であるとか、拘置所の組織であるとか、そういう部分にも意外な思いがしました。
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元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。
死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてしまう。
そして死刑制度の前に、裁判や刑務所の問題に取り組む方が先なのではないか。死刑制度が逃げ道になってはならない。
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元刑務官が現在行われている「死刑」に関する全てを赤裸々に語り尽くした、今この時期だからこそ、読まれるべき本である。
死刑囚がその時まで過ごす日々…最も身近にいる看守と刑務官の苦悩…著者が想う「死刑制度」の是非…そして、死刑執行当日の始めから終わりまで…。
特に、本書に収録されている「死刑執行当日」の模様を描いた劇画『死刑執行』は、執行の瞬間を何度も経験した著者ならではのリアリティで描かれている。この劇画を読むだけでも、執行する者と執行される者の心情がひしひしと伝わってくる。
死刑制度を論議するなら、まずは本書を参考資料として読み込んでみては、いかがだろうか。
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丹念に書かれていて、つらくて、身につまされて、だけど刑事裁判官として目を背けてちゃならない事実。知らないでいるのはあり得なかった。裁判所に上がってくる部分なんて本当数%。どうすればいいのかな。でも全てに関われる立場なんてないからな。知らないことを自覚して、できることを精一杯するしかないな。
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今まで刑務官の方の視点で死刑について考えていなかった。
ただそれだけでなく、視点に偏りが少なく、大変読みやすく、また考える事を与えてくれる本だった。
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元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤罪が確実にあるという現実、短いながら充実した内容。裁判員制度もだいぶ定着し、市民が市民に死刑判決を出すことも珍しくなくなったいまだからこそ読んでほしい一冊。ちなみに、著者は、映画13階段のアドバイザーもしたとのこと。映画のリアリティにも納得。