電子書籍
シュメル神話とシュメル社会
2022/04/09 23:01
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
シュメル神話についてあらすじが紹介された後にそのお話の時代背景や当時の思想などが解説されていてメソポタミアの社会について学ぶのにわかりやすい本。
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2009/07/15読了
シュメル、つまりメソポタミアの神話が列挙されている。
神話の物語性、読む楽しみよりは、粘土板に書かれている原文に忠実たることを重視しているようで、研究書の抜粋といった趣。
そのため、無味乾燥な記述を免れていないのが残念。
しかし、シュメルの世界という普段触れることの出来ない世界の知識を、予見や改編を交えずに得られるという面では良い本である。
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-20090430
ティグリス.ユーフラテス流域に栄えた最古の都市文明シュメル。粘土板に刻まれた楔形文字群が伝える神話の数々、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など‥。旧約聖書やギリシア神話に連なる祖型としての神々が詳述される。
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[ 内容 ]
いまから五千年前にティグリス、ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明シュメル。
粘土板には多くの神話が残され、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など、後世に伝えられたものも多い。
これらの神話の世界では、酔っ払う大神、死後の国を覗こうとする女神、蛮族を征服する王、怪獣など、様々なキャラクターがいきいきと活躍している。
代表的な神話のストーリーを紹介し、神神の役割や性格、舞台背景などを詳説する。
[ 目次 ]
序章 粘土板に書かれた物語―シュメル神話の基礎知識
第1章 「創世神話」―人間はなぜ創造されたか
第2章 神々が送る大洪水の物語―伝説はシュメルにはじまる
第3章 「楽園神話」と農耕牧畜比較論
第4章 シュメル世界の規範「メ」と神々の聖船
第5章 エンリル神とニンリル女神の性的ゲーム―成人向け神話
第6章 大地母神と死んで復活する神―イナンナ女神冥界降下顛末記
第7章 大王エンメルカルと「小さな王」ルガルバンダ
第8章 『ギルガメシュ叙事詩』成立縁起―ビルガメシュ神の英雄譚
第9章 王による王のための神話―英雄神の怪物退治
終章 大河のほとりで―シュメル人国家の終焉とその後の伝承
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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- p.26 2011/02/03 18:07
- p.74 2011/02/04 14:03
- p.112 陰門
- p.136 2011/02/07 17:57
- p.162 2011/02/09 02:55
- p.264 2011/02/10 03:41
- p.290 キングギドラ
- p.316 Abyss
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この分野の現状がわからないが、相当に網羅的で資料的な一冊に思える。これをポータルに一次資料にあたれば論文ネタの宝庫ではないか。ギリシア・ローマ→旧約聖書の、西への道筋は明らかだが、東への道筋はどうなのか。
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世界最古のシュメル文化には、以前から興味があったのでどんなドラマが繰り広げられているかを楽しみにしたのですが・・・・。
正直、原文のみの本を探した方がよかったです。
というのも、解説とかは後からでいいんだよね。
純粋に古代の物語を楽しみたい人向けのタイトルですよ、これじゃあ。
シュメル粘土版の訳と、注釈だけで充分。
僕のような初心者には、解説がだらだらしていたり、意味のない引用(古事記・ギリシャ神話)とかどうでもいい文章が多かった。
タイトルがよすぎるのも問題。
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前半3分の1くらいまで、シュメールの社会や神話の概略がわかるまでは、興味深く読んだ。が、その後は淡々と続く神話の紹介に集中力が途切れた。とはいえ、文章からも挿図からも誠実な仕事であることはよくわかる。
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非常に興味深い。
並べられるシュメルの神話のなかで、一番興味を引いたのは、イナンナという女神が、何故か冥界に行く、という神話。
何故か、と書いたのは、その赴く理由が理解出来ない、という意味では無く、女神がなぜ冥界に行こうとするのか、理由の説明が全くされない、という意味。
この神話が、日本の黄泉下りに非常に似通っている。
以下にあらすじをざっくりと書く。
イナンナという女神は、冥界に赴くことを決意する。
冥界は門の向こうにあり本来はいってはならない。イナンナは、もし門を潜って戻れなくなった場合を考え、自分の従者を務める神に、「戻らなければ、エンリル(シュメル神話の主神)に、エンリルが聞いてくれなければ、ナンナ(月神。エンリルの息子)に、ナンナが聞いてくれなければ、エンキ(水や知恵を司る神。エンリルの兄弟。イナンナの父?)に助けを求めよ」と言い含め、自身は冥界に赴く。
冥界に下りると、冥界の女神、エレシュキガルは、属伸に命じ、イナンナを殺してしまう。
イナンナの従神は、言いつけ通り、エンリル、ナンナ、エンキに助けを求めたが、応えてくれたのはエンキのみだった。エンキは一計を案じ、従神に「生命の草」と「生命の水」を持たせた。従神が冥界に赴き、イナンナの死骸にエンキの指示通り振りかけると、果たして死んだイナンナは蘇った。
しかし、蘇ったイナンナが、冥界から地上へと戻るには(つまり、冥界は地下である、ということになる)そのために身代わりを冥界に送らなければならない。
イナンナの夫、牧畜神のドゥムジは、イナンナの死を悼まず、奢った暮らしを続けていた。イナンナは夫の様子に怒り、彼を自分の身代わりに指名し、冥界の悪霊がドゥムジを殺そうと、ドゥムジを追い始める。
ドゥムジは、死にたくないので、イナンナの兄である、ウトゥ(太陽神)に助けを求める。ウトゥはドゥムジに逃げる為の策略を与える。
最終的には、身代わりとなったドゥムジは彼の姉妹と半年づつ冥界に留まることを取り決められる。
(別の神話で同じシーンを語ったものでは、ドゥムジはウトゥの策略により、二度、死の危機から逃れるものの、三度目にして悪霊に捕まって殺されてしまう)
似通っていると感じる点は、以下。
・冥界は地下にあり、生者の空間とは隔絶している。しかし、往来が不可能ではない。
・冥界に赴くことで危機に陥る。
・男神と女神が対立する。
・冥界に残る神が出る。
この辺の、冥界に赴く系の神話が、日本のそれに限らず似通ってるのは、どこかで習合したりしてるせいなんだろうか。西方系の神話はともかくとして、距離が大きく離れた日本で似た話と感じる神話にあたるのがちょっと興味深い。
また、これまでシュメールの「死後の世界観」の具体的な記述に当たれてなかったのですが、この本で少し知れた。
解説されている、「ビルガメシュ神 エンキドゥと冥界」では、冥界に下りたエンキドゥが地上に戻れなくなり、ビルガメシュはエンキの力を借りて、エンキドゥへと冥界についての様々な質問を投げかける。
エンキドゥは、「冥界では、地上で子供を沢山つくっていたものがより幸せであることや、葬儀の供物がないばあいどうなるのか」など、様々な解答を生者のビルガメシュへと与える。
もっともこのエピソードは、新アッシリア時代(シュメール滅亡から千年程度後。紀元前10世紀くらい)、に加えられたようで、シュメールの習俗かどうかはちょっとわからない。
アッシリアの書には、日本で言う「お盆」のような、死者が還ってくる時期があったようなので、ギルガメシュ叙事詩に死後の世界への解答を入れたのかもしれない。いずれにしても、原案がシュメールにあったのかどうかは良くわからないところではあるのだけれど。
なかなか楽しめました。
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最古の文明を築いたシュメル人の神話に、大洪水伝説や楽園神話、冥界冒険譚など、「旧約聖書」や「日本書紀」などで馴染み深い話の源流が見られるのはとても興味深い。
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シュメル神話の成り立ち、有名な物語の解説、シュメル文化の終焉の物語までカバーしてあり、分かりやすかったです。
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シュメール神話の原文(日本語訳)を交えつつ解説している。
絵や写真が多く、目からも情報が入る。また解説も細かくわかりやすい。
いわゆる「神話」の部分のみ取り上げられている。シュメール神話を詳しく知りたい方にオススメする。
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シュメル神話についての予備知識はまったくないが
おとぎ話の詰め合わせとしてまずは読ませてもらえる。
ギルガメシュと言えばビッグブリッジの死闘か
怪しげな深夜番組かと思っていましたが、ここで出てくる
英雄の名前だったのですね。
半神半人の英雄は神話の世界ではありふれていて
王権の正統性の源泉をこうしたところに
持たせることができるので、ギルガメシュもそうした英雄の一人のようです。
ギルガメシュの冒険の話も面白いのですが、
個人的にはイナンナが戦いと愛と豊作の女神とされつつも、都市に着く神である
というのが一番のふむふむポイントですね。
というのも神は理念や現象に結びつくことが多いのですが、
それは不変であり普遍であるからです。
神が滅びてしまうかもしれない都市につく、その帰結としての物語も
ちゃんと用意されています。
都市が破壊されて異民族に占領されて嘆くイナンナに
「神々が合意して決めたのだから、その国を捨てなさい」と諭すのです。
そして、また別の王権の都市として復興するだろうと。
ここには政治とは別にそこに暮らす営み自体は
なくならないという諸行無常な都市住民の信仰心が見えるようです。
他にも黄泉の世界への冒険などお約束な物語も含めて
色々詰め合わせで、お得感のある本に仕上がってます。
(しかし、これもまたバチっとした理論はないのよね。
ケレーニイあたりとか読まなかんかね)
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仕事の資料として買った。購入日は忘れたのでかなりいいかげん。2009年の春頃、くらいの精度。共著だが、二人とも女性。こういうマニアックな歴史物では、女性は珍しい気もするが、逆に今は女性の方が、こういうすぐに金にならないような研究に熱心なのかもしれないとも思った。帯には「血湧き肉躍るストーリー」とあるが、そういうことはまったくない。淡々としている。聞き慣れない固有名詞が多いので、かなりよみづらい。7章くらいからは、とばし読み。それほど影響はないが、著者の感覚が古いのか、よくわからない表現がある。P236「御神酒徳利のように行動をともに〜」とあるが、なんのことやら、わからない。正直言って、よほど関心のある人しか、読み続けにくいように思える。""
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ようやく文字による記録が可能となった文明の黎明期における神々と人間との関わりがよくわかる。
ギリシヤ神話や旧約聖書にも類似の話が出てくるシュメール文明の神話、神話や宗教の源流を見る思いがする。