紙の本
実はヤンキー(?)なガロア少年
2016/11/30 23:49
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
二十歳で亡くなった超天才数学者ガロア…と高校の時の担任(数学)から言われ続け、軽い妄想チックだが何となく恋してしまったガロア君。。。
死の真相を知って、かなりの衝撃。数学者は個性が強すぎ、というイメージを植え付けてしまいそうだが、いるいるこんなヤツ…!!
なかなか彼の詳細はところどころ不明なままだが、更に新しい情報が入りそうな予感…。
紙の本
ガロア・マニア必読の書
2015/03/09 15:32
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投稿者:ぴの - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の加藤氏は、ガロア・マニアとしては驚くべき人です。
従来の伝記の調査はもとより、ガロアに関係するパリの街々を調べて歩き、従来説を正しています。
例えば、エコール・ポリテクニークの受験の失敗は、試験官の無能のせいだと思われていました。
加藤氏は、当時の試験制度の検討から仕方の無いこととしておられます。
定式化されたガロア像を持っている身には、何とも言いようがない虚脱感がありますが、加藤氏のガロアに対する愛情ある姿勢から、受け入れるしかありません。
他にも、なるほどと思うことが多々あります。
ガロア・マニアであれば、読むしかありません。
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ある人の行動原理を客観的に検証することは、たとえそれを行うのが本人であれ、困難を伴うと思います。生きた年数はその人の人生の価値の本質的な源泉ではないという、僕の根拠なき実感が認められるとしても、ガロアの人生はその若さと外生的な社会によって大いに磨耗されていったと言わざるを得ないのは、やはり悲劇的です。
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高校生のとき、深夜のNHK教育で某品格の先生が数学者列伝を放送していた。その放送で初めてガロアという、絵に描いたような天才とその人生に魅了された。(数学も好きになった)
その放送はたった30分程度だったので、今回きちんとガロアの生きた時代、提出された論文や当時の数学者の関係などを知りたくて本書を手に取った。天才ゆえの孤独と孤高、(父譲りの)純粋さと不幸な運命、そして過激な政治活動への歩み、ガロアの生涯を手軽ではあるがしっかり追うことができた。
次は重い腰を上げて「ガロア理論」の本を読もうと思う。
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しんぶん赤旗2011.02.06 コーナー「本と人と」
《「私のような数学者にはガロアは〝神様〟みたいな人ですが、あの時代背景の中で相対化してみると、意外と〝普通の人〟だったのではないか、ということを書きたかったのです」》
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面白い!シンの『フェルマーの最終定理』みたいに数式理解できなくてもすらすら読めました。生涯に焦点を当てているせいかな?この手の数学の本を今年はどんどん読みたい。ちなみに2010年最後に読み終えた本。
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19世紀のフランスの数学者エヴァリスト・ガロアの生涯について書かれた本。
この本では、ガロアが生きた時代背景や数学的背景、また彼に関わった数学者たちに関する説明が丁寧にされています(彼の理論の数学的な詳細についてはあまり書かれていません)。
特に、現代でも名前が知られている多くの数学者(コーシーやポアソンなど)が接点をもっており、その影響を受けてガロアが変わっていく様子は大変読み応えがありました。
私は彼がつくったガロア理論に関してはほとんど知りませんが、現代の数学でも多く用いられている非常に有用な理論のようです。そのような理論を10代でつくったことを考えると彼の非凡さがよくわかります。と同時に20歳という若さで亡くなってしまったことは、(筆者が本文で何度も述べているように)非常に残念に感じます。生きていたらどのような理論を構築していたのでしょうか。
数学好きじゃなくとも、フランス革命後の激動の時代を生きた彼の人生は魅かれるものがあるのではないかと思います。
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ガロア理論でおなじみの天才数学者ガロアさんの生涯の本です。
数学は得意じゃないし、まったくもって興味ないんですけど
サイモンシンの「フェルマーの最終定理」
その前の「やる夫で学ぶフェルマーの最終定理」で
数史を面白く感じてしまったばっかりに
ガロアを読んでみようと思った次第です。
帯がもうすでにやばい
“この証明を完成させるための方法がある。でも私には時間がない”
って感じで
20歳ですからね。
お亡くなりになられたのは。
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疲弊した精神は遠くを求める。
解析学の解析学の解析学。この機制は、知性の働くところ何処にでも現れる。超越の無限上昇を内在化できるか。
17世紀に於ける西洋近代数学の勃興期から19世紀の現代数学(「構造主義的数学」)への「革命」的なパラダイム転換の先駆けとして「ガロア理論」が位置付けられており、数学史の流れが整理できた。また、革命から19世紀前半までのフランス政治史の流れも、ガロア一家の物語を通して活き活きと思い描かれた。
"泣くな。二十歳で死ぬためにはあらん限りの勇気が必要なのだ"
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数学者ガロアの生涯を追った本。
20歳で女性を巡った決闘で死亡したことで有名な数学者だが、読むと単純な悲劇ではないことがわかる。
当時の政治情勢から過激派に参加し、獄中にいたこともあるという。
いわゆる数学者のイメージからは遠く、不思議さを感じる。
また、本人の死後、社会からその功績が認められるあたりも悲劇性を強くしているのだろう。
月並みだが、認められたければ日々の行動も気をつけなさい、といったところだろうか。
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21歳にして亡くなった、数学にパラダイムシフトをもたらした、天才ガロア。
5年以上前に読んだ、フェルマーの最終定理が解ける過程を描いた本の中に、ちらっと紹介されるガロアに興味を持ち、本書を手に取ってみた。
この本の残念な点は、天才と呼ばれるガロアの凄さが、あまり伝わってこないこと。彼の成したことが偉業ということが、あまり詳しく書かれずに、さらっと描かれている。
良い点は、ガロアという人物がどのような環境で育ち、学び、そして亡くなったか、を様々な文献と著者の推論を交え描いていること。また、それらを理解する上で必要となる当時のフランスの社会事情を詳しく説明してくれる点も、非常に興味深い。
受験に失敗して志望校へ行けなかった、革命を起こそうとする狂気を持っていた、といったエピソードは、数学の天才と呼ばれる人物から抱く人物像とはかけ離れており、面白い。
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今年2011年はガロア生誕200年という。
そのガロアが生きた1911年からの20年は、ユゴーの「レ・ミゼラブル」の時代設定とほぼ重なっており、本書では、ガロアの生涯を描くのに、たびたびこの小説からの引用がなされ、フランスの、パリの、その時代を映すのに効果をもたらしている。
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15歳で数学にハマり,20歳で死ぬまでに,数学を根本から変える発想を生み出した天才ガロア。理解者に恵まれず,過激な共和主義に走り,投獄も経験し,最後には決闘で致命傷を負う。正に波瀾の人生。
広く流布した説とは異なり,コーシーだけはガロアの理論を理解してくれていたという話には救われる。ただ,彼は七月革命を前に亡命し,次に論文を受け取ったフーリエは急死して論文は散逸。エコール・ポリテクニークにも落ちる。父親が陰湿な中傷で鬱になって自殺。時はナポレオン失脚後の復古王政期。ガロアは共和主義に期待を寄せていた。1830年のパリ七月革命では,在学中のエコール・ノルマル校長の日和見主義で,学生は外出禁止。革命に参加できなかったガロアは憤慨し,校長を批判して退学処分に。その後は運動にのめりこみ,王の暗殺まで仄めかし逮捕。そんな運動のさなかもガロアは自分の数学をあたため,幻の著作の構想もまとめていた。
決闘の前の晩に友人シュバリエに宛てた手紙は有名で,彼の理論の骨子とともに「僕には時間がない」との走り書き。脚色してるみたいにドラマチックだが,これが事実なんだよなあ。手紙も残ってる。いやはやすごい人物だ。しかも,ガロアは五次方程式の解の理論のアイデアを,方程式だけでなくさらなる数学的構造に適用することまで示唆しており,群や体の理論の先駆けとなった。集合論の道具立てもない時代に,これだけのことをしたのはすごいし,同時代に理解されなかったのも仕方ないのかもしれない。ガロアの仕事が発掘され注目されたのは,1846年というから,死後14年が経っている。これだけの時間が経って,ようやくガロアの理論が理解されるようになった。天才はほんとにつらい。
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謎の決闘により二十歳で悲劇の死を遂げた天才数学者として有名なガロアだが、その生い立ちや時代背景などについてここまで詳しい本は初めて読んだ。
当時の高校にあたるルイ・ル・グランでの教師による細かい成績評価の変化や、数学との出会い、境遇への不満と憤り、政治活動への傾倒など、当時のガロアの心象風景を、残された歴史的事実に基づいて推測していく様子は、著者のガロアと彼の業績、数学そのものに対する深い敬意を感じる。
最先端の数学以外に興味を示さなくなったガロアが、当時のエリート校エコール・ポリテクニークへの面接入学試験で落とされる顛末は、某K大学の数学科で飛び級試験をうけて落とされ、面接官を罵った友人の反応と極めて似通っていて興味深い。
また、純粋さや理想に燃え、小賢しい大人たちを激しく糾弾する気持ちもわからんでもないし、つい日和見的に生きてしまう日々の生活を自戒させられた。
この本では、とくにレ・ミゼラブルと時代背景が同じということもあって、この小説の中の記述との対比が多いことも特徴的。これは編集者の助言によるものらしい。
例えば、彼が破滅の道を選ぶきっかけの一つであるフランス7月革命。ドラクロワの「民衆を導く自由(の女神)」において、女性の右側に描かれている銃をもった少年は、「レ・ミゼラブル」の登場人物の一人、ガヴローシュのモデルと言われている。左のオジサンはドラクロワ本人とも。
政治体制がコロコロかわっていた当時のフランスを思うと、今の日本はずいぶんマシにも思える。7月革命では、パリ内の街路樹と道路の石版は、バリケードの為にすべてなくなってしまったとか。
この時代に関係ある本として、次は途中で止まっているシュテファン・ツヴァイクの「ジョゼフ・フーシェ」や、バルザック、モームの著作なんかにも手を出したいと思うけれど、時間がない!
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Évariste Galoiksの伝記というよりもかいつまんで一生を解説している。
Galois理論の数学的な説明はほとんどないので、こちらを期待している方はがっかりします。
当時の社会背景、最近はやりのLes Misérablesと時代背景が似ている(フランス革命時です)ので、なじみやすい。
といいつつ、 Galoisの伝記なんて興味を持って読む人は限られていると思うので、本書のように数学的な説明はほぼなく、とはいいつつ伝記としても中途半端なので読み手を選ぶ一冊でしょうか。