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紙の本

魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)

著者 デボラ・ハークネス (著),中西 和美 (訳)

その本は図書館の奥でひっそりと眠っていた。彼女を待ちわびるように…。イェール大学の若き歴史学教授ダイアナは、錬金術の研究中にオックスフォードのボドリアン図書館で一冊の写本...

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魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)

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商品説明

その本は図書館の奥でひっそりと眠っていた。彼女を待ちわびるように…。イェール大学の若き歴史学教授ダイアナは、錬金術の研究中にオックスフォードのボドリアン図書館で一冊の写本を手にする。褪せた金箔が放つ虹色のきらめき、鼻をつく不思議なにおい。それは彼女に何かを語りかけているように見えた。由緒ある魔女の家系に生まれながら魔法を否定して生きてきたダイアナはすぐに本を返却するが、やがて周囲で奇妙な事が起きはじめる。すべてはあの写本が原因なのか?ダイアナはオックスフォードの教授で天才科学者と名高いヴァンパイアのマシューと共に壮大な謎に取り込まれてゆくが—。【「BOOK」データベースの商品解説】

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評価内訳

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紙の本

新たなパラノーマル・ファンタジーの世界へ

2011/12/13 07:56

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界に存在するのは、4種類の生き物たち。
人間、デーモン、魔女、ヴァンパイア。

主人公のダイアナは強力な魔女の家系だが、魔力から可能な限り遠ざかっていようとする歴史学者だ。
そんなダイアナが、オックスフォードのボドリアン図書館で魔力によって封印された写本を手にする。
すぐに返却したダイアナだったが、写本は数多くのデーモン、魔女、ヴァンパイアたちが求めているものだった。
ダイアナはヴァンパイアのマシュー(オックスフォードの教授で天才科学者)とともに、壮大な謎に取り込まれていく。

流行のパラノーマル・ロマンスだと思って手にした本書。
しかし読んでみると、重厚でアカデミックな雰囲気が漂う。

なにしろ主人公は歴史学者。
お相手のヴァンパイアは科学者だ。
錬金術や科学を魔女やヴァンパイアの種の起源と進化を研究するために使う学者たち。
ラボではゲノムやミトコンドリアDNAなどの言葉が飛び交い、彼らは懸命に研究を続けている。
それぞれの種の絶滅を避けるために。
そして自身の生の発祥を知るために。

学内の様子は、一般に知られる研究者の日常とよく似ている。

それもそのはず。
作者もダイアナと同じく歴史学者。
16~18世紀のヨーロッパにおける魔法と科学の歴史を専門としているらしい。
もしかしたら作者も本当は魔女なのでは?と思えるほどにマニアックな専門だが、そんな著者の手にかかると、美貌のヴァンパイアも危険で魅力的なことに加えて、とても知的だ。

ユーモラスなのは、ヴァンパイアと魔女とデーモンがヨガ教室でレッスンをするシーン。
危険で知的な本書の中にあって、このシーンはとても微笑ましい。

呪いをかけられた写本の謎。
ダイアナの両親の死にまつわる謎。
ダイアナ自身の魔力に関する謎。
悠久ののときを生きてきたマシューに関する謎。
様々な謎が敢然一体となって渦巻き、上巻が終わる。

新しいパラノーマル・ファンタジーの世界に迷い込んだようだ。
下巻のページを繰るのがとても待ち遠しい。

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2011/07/25 23:12

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