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商品説明
原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。【「BOOK」データベースの商品解説】
日本は敗戦の絶望の中、アメリカ発の不老技術を導入した。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は百年後に死ななければならないという法律も成立。やがて、百年目の“死の強制”が間近に迫り…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山田 宗樹
- 略歴
- 〈山田宗樹〉1965年愛知県生まれ。「直線の死角」で横溝正史賞を受賞。他の著書に「嫌われ松子の一生」「黒い春」など。
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書店員レビュー
もしも不老不死のカラダを手に入…
ジュンク堂書店新潟店さん
もしも不老不死のカラダを手に入れたら
現在の生活はどう変わるのだろう
本作のように生存期間を100年と決められると
それを拒否しようとする者が必ず現れる
本当に永遠の生命を手に入れたら
人は幸せになるのだろうか
不老不死という永遠のテーマを
現在の社会問題とうまく絡めていて
リアリティを感じる作品に仕上がっている
文芸担当 小松
本格ミステリーの「直線の死角」…
ジュンク堂書店郡山店さん
本格ミステリーの「直線の死角」を読んだ時から、山田宗樹さんのファン
でした。しかもこの作品が初めてのSFだなんて、これからどれだけ
期待させてもらえるんでしょうか。
「永遠の若さを手に入れられるようになった未来の人類。しかし百年後には
法律により死を選ばなければいけない」
もうすでに、様々な問題が起こることは想像できるのですが、ストーリーの
展開が自分の予想する上のまた更に上を行くんです。
結末が知りたくて、本の厚さなんて忘れて読み進めてしまうはずです。
文芸担当 郡司
紙の本
こんなSFを待っていたっっっ!!!
2017/12/27 00:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF社会派小説。
もし不老不死の技術が一般化したらどうなるかという物語です。
SF設定は、不老不死の処置(HAVIと呼ぶ)と、安楽死施設
などがあるだけで、雰囲気はパラレルワールド的に描かれています。
近未来という感じはしません。
その設定の中で、個人が、社会が、どのように動くかという
社会派的な部分が強い小説でした。
「もし世界がこうなったら」というブレーンストーミングを
しているようで、とても刺激的です。
> 生存制限法(通称:百年法)
> 不老化処理を受けた国民は
> 処置後百年を以って
> 生存権をはじめとする基本的人権は
> これを全て放棄しなければならない
内務大臣直轄生存制限法特別準備室。通称「特準」。
特準が準備した百年法施行キャンペーン映像から
物語が始まります。
HAVIという不老不死処置が開発されたことで、
身体は老いないため人口は増加の一途をたどります。
サイボーグではないので、病気になれば死ぬことも
ありますし、事故死もあります。
しかし医療技術も進歩し、オートカプセルという安全な
乗り物が増えると、死因のNo.1は自殺という、
とても現実味あふれる社会が描かれています。
人口コントロールのため、他国ではすでに定めた年数で
生存制限法が運用されています。日本はアメリカにならって、
国際的に最長の百年を選択して立法をしましたが、
先送りに次ぐ先送りで行きついた結果であることは
想像に難くありません。
百年法初年度適用者が直近に迫ると、とうとう、本当に百年法を
施行するのか、国民投票にかけるという愚挙に出ます。
それも、総理大臣の暴走で。
国民投票の結果、法施行は凍結となりましたが、直後に
世の中に閉塞感が蔓延し、殺人や爆弾テロが発生するのです。
その結果、105年で運用開始という、なんとも切れの悪い
スタートが切られたのです。
いかにも日本的で近視眼的な行政と、全体最適を
目指そうとする一部の官僚の姿は、現代日本の縮図です。
別に官僚がすばらいしいと言っている訳ではありません。
これは近視眼的で自己保身の経営層と、全体最適を目指す
「一部の」若手改革管理職にも置き換えることができます。
なんとなく、この閉塞感は分かりますよね?
全編にわたり、百年法・HAVIを通して、生の価値と人間性を
描き出しています。当然ながら、拒否者という逃亡者も発生し、
様々な葛藤が生まれていきます。
上下巻で合計800ページの長編ですが、ドラマチックな展開で
飽きさせません。下巻は一気読みでした。
抜群に面白く、文庫本を買おうかと考え始めました。
星五つでは評価がもの足りないくらいです。
紙の本
考えさせられるSF傑作です
2015/03/19 00:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は、不老不死の技術が普及した世界を描いた社会シミュレーション的小説です。
上巻は、不老不死社会を統制する政治家、不老不死社会に翻弄される一般市民の目線から不老不死社会の光と闇が描かれています。明確な主人公はいません。不老不死社会を俯瞰し、ただひたすらに医療の発展の行く末を考えさせられることになります。
若干突飛な設定もありますが、それ以上に生きることの価値をまっすぐに考えさせられる良い作品だと思います。
紙の本
テーマが重すぎたかな~
2013/07/05 00:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレには注意してますが、気をつけてお願いします。
アメリカとの戦争でなぜか2発ではなく5発の核兵器を使用され、ボロボロになった日本の現在~近未来が舞台。
この辺はネタバレにはならないと思うので書きますが、永遠の若さを手に入れることが出来るウイルスが戦後発見され、それを投与することにより、投与を受けた人間は老化しないという仮想の日本が舞台です。
永遠の若さを手に入れることが出来るので当然生殖機能も衰えないので、人口が自然減少しないということで、この措置を受けた人間は、措置を受けてから百年後に死なねばならないという法律に基づいた契約にサインしてから措置を受けます。
しかし、百年経って・・・お察しの通りの事態が起こるという話です。
これ以上は読まれる方の意欲を削ぐので詳しくは書きませんが、ある意味究極の死生観、永遠の命という宗教的とも言えるテーマを取り上げていて、これは生半可な覚悟では書き切れないテーマを扱っていると思いました。
契約したとは言えまだ生きることが出来る人間を国が法に則って犯罪者でもないのに殺すという内容ですから。
うまく練り上げられた作品だなと思う一方、やはりテーマが重すぎるという感は否めません。
決して軽いというわけではないですが、テーマの重さに耐え切れてないといったらいいのか、死生観をもっと掘り下げて書けたんじゃないかと、そこが残念です。
山田宗樹さんの本は初めて読みましたが、最初100ページくらいは登場人物と言い文体といい安っぽい感じがして正直外れかと覚悟しましたが、進むにつれそういう感覚は感じなくなりました(まぁ初見の著者の本を読むときは100ページは最低我慢しなきゃいけませんが)
内容が内容だけに重たいし、気が沈む側面もありましたが、概ね満足しています。
後半の展開も、意外といえば意外な方向に進みますし。
ただ、もう少し宗教観死生観を深く持って挑んで欲しかったなということで、厳しいですがマイナス1です。