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逃げる幻 (創元推理文庫)
家出を繰り返す少年が、開けた荒野の真ん中から消えた―ハイランド地方を訪れたダンバー大尉が聞かされたのは、そんな不可解な話だった。その夜、当の少年を偶然見つけたダンバーは、...
逃げる幻 (創元推理文庫)
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商品説明
家出を繰り返す少年が、開けた荒野の真ん中から消えた―ハイランド地方を訪れたダンバー大尉が聞かされたのは、そんな不可解な話だった。その夜、当の少年を偶然見つけたダンバーは、彼が何かを異様に恐れていることに気づく。そして二日後、少年の家庭教師が殺される―スコットランドを舞台に、名探偵ウィリング博士が人間消失と密室殺人が彩る事件に挑む傑作本格ミステリ。【「BOOK」データベースの商品解説】
家出を繰り返す少年が、開けた荒野の真ん中から消えた。発見された少年は、何かを異様に恐れていた。2日後、少年の家庭教師が殺され…。スコットランドを舞台に、名探偵ウィリング博士が人間消失と密室殺人が彩る事件に挑む。【「TRC MARC」の商品解説】
目撃者の前で、少年が開けた荒野から忽然と消えた人間消失事件と、密室殺人――スコットランドを舞台に、名探偵ウィリング博士が不可能犯罪に挑む謎解きの傑作。本邦初訳。【商品解説】
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家出?だから?と思いきや
2017/01/28 22:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
初マクロイ。家出を繰り返す少年を調べていくうちに殺人が発生。その犯人は?ってな話です。雰囲気のある作品ですが、なかなか事件が起こらず、家出?だから何やねん、と思いながら7割方読み進み、事件発生後はアレヨアレヨと言う間に解決へ。でも犯人の意外さと伏線の回収は、なるほど確かにそうやわと納得。地味ぃな話ではありましたが、不思議な魅力はあるものの、正直、他の作品も読んでみないと、自分に合う作者かどうかよう分かりませんでした(・_・;
紙の本
地味だけれど雰囲気があります。
2015/08/24 17:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ef - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦集結直後、米軍予備役大尉のダンバーは、とある密命を帯びてスコットランドのハイランド地方に滞在することになります。
爆撃機を改造した輸送機の中で、ダンバーはネス卿と出会います。
ダンバーは精神科医であり、少年非行の権威でもあったのですが、彼のことを知っていたネス卿から「仮定の話ですが」という切り出しでとある少年の問題を尋ねられます。
ネス卿が言うには、その少年は何不自由のない家庭にいるにもかかわらず、月に3度も家出を繰り返しているのだそうです。
「何が原因なのでしょうか?」
「情報が不足しているのでお答えはできませんが、家庭に問題があることは間違いがなさそうですね。」
ダンバーが宿泊することになっていた民家はネス卿の領地の中にあり、そして、その家出を繰り返す少年(仮定の話じゃないんです)の家もネス卿の領地の中の貸家だというのです。
ダンバーが民家に腰を落ち着けてみたところ、例の少年はまた家出をしている最中だというのです。
一緒にいた成人男性の話によると、ムア(スコットランドのヒースが生い茂る荒れ地ですね)を歩いていた少年が、突然姿を消したのだとか。
それこそ、手品でコインを目の前で消すように、ふっと消えてしまったというのです。
もちろん、大人達は少年が消えた辺りを探したのですが、まったく痕跡もないというのですね。
その夜、ダンバーが寝ようとしたところ、部屋の隅に潜んでいたその少年を発見しました。
少年は何かにおびえているようで、しかもストリートファイトの経験があるようで、ダンバーを手こずらせますが、最後には取り押さえられます。
少年をその家まで送り届けるダンバー。
少年の父親は、高く評価されている作家でした。
でも、それは玄人筋に評価される作風で、「売れる」本か?と言えばそうではなさそうです。
ですが、文学的には非常に高いレベルの作品とされているのですね。
その奥様も(後に分かりますが)作家さんでした。
奥様の作品は、ご主人の作品とは正反対で、大衆受けがしてベストセラーにもなり、お金も沢山稼げるのですが、文学作品としてはまったく評価されないような作品でした。
この二人の間の子供が家出を繰り返しているのか……。
夫婦の間には軋轢もありそうだが……
と、考え込むダンバーでした。
というのが本作の出だしです。
かなり地味な作品に感じます。
それはまるで、スコットランドの荒涼としたムアのような。
確かに、その雰囲気は満点です。
そこで家出を繰り返す少年。
だから何?
と、感じてしまうのですが、もう少し我慢して読み進めてください。
大分終わりの方になって、急展開します。
う~ん、どうジャンル分けすれば適切でしょうか?
ミステリ? なのかな?
でも、事件が起きるのは大分後の方です(ええ、起きるのですよ)。
そこからは一気に畳みかけます。
推理小説としてはあまり評価できません。
ですが、雰囲気はとても独特で、そこは良いと思います。
これは好きずきだなぁ。
「嵐が丘」はお好きですか?
あれとは全く違うけれど、舞台となる荒れ野はまさにあの雰囲気です。
その描写もふんだんに出てきます。
そういう感じを堪能できる地味だけれど、渋いミステリという感じでしょうか。