- 販売開始日: 2015/07/04
- 出版社: 東京創元社
- ISBN:978-4-488-71505-2
狩人よ、故郷に帰れ
著者 リチャード・マッケナ , 中村融
動物と植物の未分化な葉状生物フィトが繁茂する無名の惑星。この無害な土着生命を全滅させる惑星改造計画の一員クレイグに対し、研究者ミドリはフィトの異質な知性の驚異を説く。だが...
狩人よ、故郷に帰れ
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商品説明
動物と植物の未分化な葉状生物フィトが繁茂する無名の惑星。この無害な土着生命を全滅させる惑星改造計画の一員クレイグに対し、研究者ミドリはフィトの異質な知性の驚異を説く。だが、フィトを駆除すべく禁断の遺伝子組み換え植物が導入され……テラフォーミングにまつわる倫理的問題に切りこんだ、先駆者にして不朽の宇宙生命SF。第46回星雲賞海外短編部門候補作。(本書は中村融編訳『黒い破壊者 宇宙生命SF傑作選』の収録作を単体で電子書籍化したものです)
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表題作は必読!
2017/05/15 01:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AKHT - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳が良い。標題の「黒い破壊者」しか読んでいませんが、初出稿の翻訳なのでもちろん新訳。これが文章のテンポが素晴らしく、トントン拍子に読み進めるので、ドラマのスリル感がぞんぶんに味わえる仕上がりになっています。
「黒い破壊者」は今でも充分に通用する作品だと感じます。内容はネタバレになるので割愛しますが、SFの「科学的」という側面は味わえないものの、虚構ならではのスリルとスペクタクル感はかなり高く、人類対異星人の戦いを描いた物の中でも屈指の出来だと思います。設定がごくシンプルなことも読後感の良さに効いています。
他作品は読みかけで挫折しました。どれも21世紀にはちょっと物足りない内容で、テーマも今ひとつ乗れませんでした。
私は結果的に表題作を読むためだけに購入したことになりましたが、他の人は他作品も楽しめるかもしれません。シンプルな設定で人類の直面した脅威に対処する過程を楽しみたい方は必読!
宇宙生命と遭遇した時、人類はどう行動するのか?
2017/05/09 14:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
深宇宙へ進出した人類が遭遇する、多種多様な宇宙生命。
動物と植物の未分化な生命(マッケナ)
動植物の共生生命(シュミッツ)
テレパシー能力を持つプラズマ生命(アンダーソン)
世界に聳え立つ巨大植物(ヤング)
謎めいた海洋生命(ヴァンヌ)
奸智に長けた猫型生命(ヴァン・ヴォーくト)
アンダーソンの作品を除けば、地球に住む生物と似通ったところがあると思います。
だからこそ、人類が遭遇する未知の生物だけでなく、それを取り巻く自然環境を
生態学の観点から考察されており、その世界に真実味を与えています。
この短編集はあくまで、「宇宙生命」との「ファーストコンタクト」を扱っています。
宇宙生命とそれを取り巻く環境を読み解くだけでは、小説を楽しみ切れたとは言えません。人類が宇宙生命とどのように関わっていくかも重要なポイントだと思います。
人類が宇宙生命とどのように対峙するのかには、次のようなパターンがあるでしょう。
1.宇宙生命に知性があるかどうかを調べる。
2.宇宙生命と共生する。
3.宇宙生命を排除する。
この次の段階として、人類は以下のような行動を起こすかもしれません。
4.宇宙生命が生息していた星を、地球環境にテラフォーミングさせる。
5.宇宙生命と共生するために、人類が自身の身体を改造する(この短編集には、このような作品は収録されていません)
もちろん、このようなパターン以外の例も挙げられるでしょう。
ただ、こういったことについて考えると、より作品を楽しめること間違いなしだと思います。