ブタカン!~池谷美咲の演劇部日誌~(新潮文庫nex)
著者 青柳碧人
都立駒川台高校演劇部は、個性溢れる奇人変人揃い。幼馴染で親友のナナコに誘われ、美咲は入部を決める。誘った本人が入院して休部になる中、舞台監督として、変わり者のメンバーと演...
ブタカン!~池谷美咲の演劇部日誌~(新潮文庫nex)
商品説明
都立駒川台高校演劇部は、個性溢れる奇人変人揃い。幼馴染で親友のナナコに誘われ、美咲は入部を決める。誘った本人が入院して休部になる中、舞台監督として、変わり者のメンバーと演劇部(ゲキブ)するべく美咲の奮闘が始まる。失踪する先輩、消えた台本の行方、顧問の恋愛問題まで!? 公演成功の鍵はいったいどこに? 演劇部の日常(シナリオ)は謎と刺激でいっぱい。青春ミステリの新シリーズ堂々開幕!
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書店員レビュー
池谷美咲、『ブタカン』始めました!
ジュンク堂書店福岡店さん
高校2年生の池谷美咲は、入院することになった親友の北条ナナコの代わりに、演劇部の舞台監督、通称『ブタカン』を引き受けることに。しかし演劇部の部員たちは一癖も二癖もある奴らばかり。新米ブタカンのドタバタ悲喜劇な日々が始まる……。
『浜村渚の計算ノート』シリーズでおなじみ、青柳碧人の新作の舞台はなんと高校の演劇部。しかも主人公が舞台監督というなかなか珍しい設定。ジャンルとしては青春ミステリとなっていますが、ミステリ要素は薄めで部活動モノというのを前面に押し出しており、かなり読みやすく仕上がっています。
基本的には、演劇部内で起こった問題を美咲が解決していく、という形で物語が進んでいくのですが、そこは変人揃いの演劇部、部員たちが起こす問題は新米ブタカンの手に余ることばかり。それでもどうにかしようと奮闘する美咲の姿は苦労人のそれですが、輝いても見えます。
前述したように、変人揃いの演劇部員たちを始め個性的な面々が登場する本作ですが、その中でも個人的にお気に入りなのが主人公である美咲ともう一人、美咲の親友であるナナコ。病気で入院しているはずなのに演劇部の状況を的確に把握し、しっかりと(ちゃっかりと)おいしいところを攫っていきます。
青春モノとしての完成度が高い本作。コミカルでテンポもよく、最後まで実に気持ちよく読み切ることが出来ました。明るく楽しい小説が読みたいという方には強くオススメします。
明るくコミカルな青春推理小説
2017/07/31 19:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あーや - この投稿者のレビュー一覧を見る
芝居をしている者として、「ブタカン!」という題名に惹かれて購入したのだが、演劇のことを知らなくても、充分に面白い。知っていれば、より一掃面白い。ま、男子がキャストで、女子がスタッフという演劇部が本当に存在するかは、かなり疑問だけれど。
演劇に関しては何も知らない主人公の気持ちで読んでいくと、個性豊かな演劇部の面々の自分の生きたいように生きている様が、まぶしくもあり、鬱陶しくもあり。彼らに巻き込まれながらもヒロインが成長していることを生き生きと感じさせてくれる。親友からの一言もほのぼのしていて良い。
謎と、親友の病状と、ヒロインの成長と、一冊でいくつもの話題が進行して行き、最後まで一気に読んでしまった。
ブタカン!~池谷美咲の演劇部日誌~
2016/02/27 15:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
青柳碧人の新シリーズの1作目。こちらがあとの掲載になったのは、この本が地元の本屋で手に入らなかったから。
家庭の事情で、高校に入ってからアルバイト生活を送っていた池谷美咲は、友人のすすめで演劇部に入部する。生徒から「変人の巣窟」と言われるだけあって、一癖も二癖もある人間ばかり。しかも誘ってくれた幼なじみは、闘病生活を送ることになった。岬は彼女のかわりに「舞台監督」という重責を担うことになる。果たして彼女は、彼らをうまく御することができるのか?
「幕が上がる」のヒットに触発されたのかも知れないが、専門用語もきちんと詳しく書いてくれているので、演劇を知らない人間も、すんなりと理解できる。作者も出版社も「ライト・ミステリー」として扱いたいようだが、本シリーズは立派な「青春小説」。高校時代自分みたいな「いじめられっ子」には無縁な世界で、こういう青春時代を送ることができた作者とキャラクターをうらやましく思う。そして最後のエピソードに出てくる「ジュリア」の台詞がとても重く感じられる。