紙の本
北方謙三の目に見えないすごさ
2015/08/16 13:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがと思った。読ませる。
老いたとか面白さが薄れたということがない。
以前、もしかしてそうかと思ったことがないとはいわないが、
ここへ来てむしろすごみが増している気もする。
それはちょうどこの「岳飛伝」の古参の登場人物がそういう様子を見せるのと似ている。
たとえば九紋龍史進。
私にそのすごみを感じさせたのは、直接にはこれから何か大きな事が起こる、という、
何か予感めいた感覚を引き起こしてくれるところではないかと思う。
この巻では金軍と梁山泊軍がぶつかり合う。
結果は引き分けで大きな変化があるわけではないが、
それでもウジュか呼延凌か、いずれかの大将、あるいはもしかして史進クラスが死ぬのではないか
と思わせられる迫力もあり、
そしてそれもどうやら来たるべきより大きな動きへの波の一つに過ぎなかったのかと思わせられる。
当面は海、そして南なのだろうが、北も含めていよいよ目が離せない感がある。
というわけで粗筋として振り返れば、それほど激しいものはないのに、
あらためて作者の力量を感じさせられた一巻だった。
紙の本
烽燧の章
2018/05/30 20:14
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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓成、郤妁、韓順の物語は家族の再生を描こうとしているのかなと最初は思っていたけれど、どちらかと言うと離婚家庭の理想像、ロールモデルなのかなと今は思う。子供を家族だけで育てるのはもう限界、これからは社会が育てる時代だとよく言われるが、それがどういうことなのか、この三人を見ているとちょっとわかるような気がしてくる。
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こんなに胃が痛くなって、心臓に悪い読書初めて。
今いる長老たちは永遠なのだよ!
そんで、呼延凌はまたほったらかし状態になるのだろうか。
秦容まであっさり妻帯しちゃってさ
楊令伝のころと比べるとみんな愛にあふれてます。
個人的には、戦人をつらぬいてほしいです、はい。
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話が戦だけに留まらず、経済の話を含んで来ているので話の収拾がつかなくなりつつあるような気がする。戦も中途半端な感じで分ける事が多く、モヤモヤ感が残る。それでも面白い。
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金軍と梁山泊の戦は、決着がつかないまま、双方多大な犠牲者を出した状態で、一旦終結。
兀朮は、対岳飛戦の時もそうだったけど、こんな戦ばかりですね。
秦容は「呼延凌がまだ嫁取りをしていないのだぞ・・・」的な事を言っていたのに、結局、公礼を嫁にします。
呼延凌も幸せになってほしい・・・
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梁山泊()vs金国(ウジュ)との戦いで分けて、後は、南方の岳飛、の様子ばかりで中弛みの章でいまいち。
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兀朮の呼延凌の戦いは引き分け,大理における南宋と岳飛のぶつかり合いは最終巻?!~兀朮も呼延凌も機が熟したと感じ,正面切っての衝突となった。呼延凌の武器は動かない歩兵で,金の騎馬隊を歩兵の待つ場所へ追い込む作戦だ。歩兵を率いるのは山士奇。4日目の衝突は午前で終わり,金軍が夜襲を3度に渡って掛けてきて,歩兵が開いた四つの花の一つに誘い込んだかに見えたが,史進の遊撃隊や,楊令の息子である胡土児の必死の反撃で,互いの首は繋がったが,山士奇は戦死した。秦容は北へ打って出る準備をしつつ,山岳兵だった公礼を妻として迎え,岳飛は南宋に百名ずつ散っているかつての岳飛軍を訪ねて,頭を下げて歩く。岳飛には,大理の辛晃を破って南宋を滅ぼすだけでなく,北へも侵攻し金も潰す決意を固める。轟交賈の簫炫材は梁山泊の荷だろうと,南宋の物資だろうと,西域の珍品だろうと扱う積もりだ。象の川の造船所を切り盛りしていた李俊は長江への出撃を聚義庁に申し入れ,出撃していく。南宋の秦檜は雷州に新しい交易の拠点の建設を命じる~ この巻は,長江の戦いと,大里における南宋と岳飛のぶつかり合いだと思ったが,肩透かしを喰らった。燧はひうちいしの意味。それぞれの章の意味は已然として不明
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少し停滞気味な展開でしたが、今回は金軍と梁山泊軍の派手な陸上戦があり、ついに状況が大きく動いた感じですね!
これを引き金に今後、陸上や海上で、梁山泊&岳飛、金、南宋などの戦が行われて動乱の気配が出てきました。
恐らく、今後、物語は終盤へと動き出した感がありますが、どのような展開をみせていくのか?楽しみになってきました。
それにしても史進は息の長いキャラクターですね!
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★2015年2月4日読了『岳飛伝11 烽燧の章』北方謙三著 評価B+
このところ停滞気味だった物語の流れがようやく淀みを脱して、動き出した感のある第十一巻。
梁山泊軍の総帥たる呼延凌と金国軍の総帥たる兀朮(ウジュ)の最終決戦が始まる。総帥同士の一騎打ちも双方相打ちのような形で、決着がつかず、撤退。勝負は決しなかった。この二者の決戦がこの巻のハイライト。久しぶりの決戦の描写は、さすが北方と思わせる迫力あるものであった。
南(ミャンマー付近)に居て力を養っていた岳飛は、いよいよ自らの軍を率いて北上することを決意する。その前に南宋の各地に散らばる元部下であった岳家軍の集落を訪れ、3ヶ月かけて再会を果たし、南へ戻る。
西では、蒙古の一部族が、西遼の領土を犯し、韓成、土里緒などの西遼正規軍とぶつかり、西遼が勝利する。
一方、物流組織である轟交賈(ごうこうこ)は、梁山泊先代の楊令の遺志を継ぐかのように発展し、南宋、梁山泊、金などの国という存在を超えて、大量の物資を縦横無尽に各地を往来し、それが次第に人々に受け入れられ、なくてはならないまた、国の支配を受けない確固たるものになっていく。
梁山泊との決戦を終えて北の開封府へ戻った兀朮(ウジュ)は、決戦で負った傷を癒やした義理の息子である胡土児(コトジ)に、金国の首都である会寧府近郊に駐屯し、必要があれば、北の蒙古襲来に備える耶律越里を助けろと指令する。そして、この胡土児の北への進駐こそが、燕京にいる帝と禁軍への兀朮からの牽制と成るのである。
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北方大水滸の第3部11巻目。
梁山泊と金国の決戦の火蓋が切られるも、両主将の引き分けだし、史進も生き残るとは、決着を先に持ち越しますね。
岳飛と秦檜のニアミスには、袂を分かった二人の現況の差を浮き彫りにするようなドラマを感じました。
点描的な全体像も今回は分かりやすかったです。
李俊たち長老が死出の行軍を開始したようで、次巻が期待されます。
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20150531 色々な意味でターニングポイントかもしれない。広がりすぎた話をどのようにまとめるか。主役が誰なのか?も合わせて終わり方が楽しみだ。
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まだまだ面白さが衰えぬ岳飛伝ももう十一巻目。
岳飛の戦での活躍は次巻でようやく見ることができるのか?
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もうあとは梁山泊を国家に溶け込ませていく作業なので、こうなってしまうのは仕方がないか…。盛り上がるところがない。なぜ「岳飛」伝なのかも分からない。岳飛に視点が当たることがこれからもあるのだろうか。
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兀朮と呼延凌がぶつかったが、決着はつかず。呼延凌の七星鞭に吹き飛ばされた胡土児は回復。今後が楽しみ。楊令の子だと知る日は来るのかな?南の岳飛と秦容は辛晃を撃退。そろそろ岳飛が本格的に動き出しそうです。
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第11巻読了
この巻は、なんと言っても山士騎の戦死だろう。
立ったまま崩れおちていくのを秦容が抱きかかえていくシーンは、同じ歩兵の将軍だった、郭盛が死んでいくシーンに似ている気がする。
とてもいいキャラクターだっただけに残念だ。
一方、水軍も李俊の動きが注目だ・・・
前巻では、狄成や項充が命を取り留めたものの成り行きを見守りたい。