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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/06/27
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/365p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-390204-3
紙の本
ネアンデルタール人は私たちと交配した
ネアンデルタール人の遺伝子は、現生人類の中に生きていた! 長年の試行錯誤の末に、新技術「次世代シーケンサー」で約4万年前のネアンデルタール人のDNAの増幅に成功した科学者...
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商品説明
ネアンデルタール人の遺伝子は、現生人類の中に生きていた! 長年の試行錯誤の末に、新技術「次世代シーケンサー」で約4万年前のネアンデルタール人のDNAの増幅に成功した科学者が、30年以上の苦闘のすべてを明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
◆2022年ノーベル医学・生理学賞受賞! 受賞研究に至る人生のすべてを本人がつづった波乱万丈の回想録
現生人類にもっとも近いヒト族だったが、数万年前に絶滅し、その遺伝子は絶えたと思われていたネアンデルタール人。
しかし、ひとりの科学者が数十年に及ぶ苦闘の末に、化石骨からネアンデルタール人のDNAを復元した。そして、そのDNAが現生人類の中に数%残っているという驚愕の事実を明らかにしたのだ。
本書はその男、スヴァンテ・ペーボ博士が自ら記した回想記。
ペーボは学生時代にミイラのDNA復元に挑んだのを皮切りに、古代DNAを取り出し、今やコロナ検査で全世界に知られるようになったPCR法を用いて増幅、復元するという研究ジャンルそのものを創始したといえる。
しかしその道のりは苦難の連続だった。何万年も埋まっていたDNAには現代の微生物や人間のDNAが混入し、正確に増幅するのは非常に難しい。ペーボが精密な復元方法の確立に腐心する一方で、他の研究者たちは、次々と何万年どころか何千万年も昔の化石からDNAを取りだしたと称する、『ジュラシック・パーク』まがいの無責任な研究を華々しく発表する。
不遇の時期を耐えたペーボに訪れた転機が、ネアンデルタール人を目標としたことと、DNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」の登場だった。新たな遺伝子工学を可能にするほどの威力を持つ次世代シーケンサーを使って、ペーボは4万年前のネアンデルタール人ゲノム解読という乾坤一擲の大レースに勝利する。
誠実な方法の研究を貫いたことが、最後には大逆転をもたらしたのだ。
そして、現生人類とネアンデルタール人のDNAの比較は、驚くべき事実をも明らかにした。日本人を含む「非アフリカ人」はすべて、数%のネアンデルタール人DNAを持つのに対して、アフリカ人は持たない。これは、5万年ほど前にアフリカを出た現生人類が中東でネアンデルタール人と交配して世界中に広まった、という説の強い証拠だ。
ネアンデルタール人と現生人類に接触はあったのか、あったのならば両者はセックスしたのか? これまで化石と遺物からは永遠にわからないと思われていた疑問に、ペーボは鮮やかに具体的な証拠をもって答えたのである。
この成果によって、いまや、彼らと現生人類を分けたものが何だったのか、彼らの遺伝子が私たちの中でどんな働きをしているのか、ということさえも、具体的に研究する道が開けつつあるのだ。
最先端の技術革新で古代の遺物を研究するギャップ、スリリングなネアンデルタール解読レースに手に汗握り、淡々としながらもときにあけすけなユーモアを発揮する著者の筆致にクスリとさせられながら、科学という営みの面白さを満喫できるポピュラー・サイエンス。
【商品解説】
目次
- 【目次】
- 第1章 よみがえるネアンデルタール人
- 1996年のある晩、わたしの研究室からの電話が鳴った。長年の努力の末、絶滅し、失われたはずのネアンデルタール人のDNAを骨から復元できたのだ
- 第2章 ミイラのDNAからすべてがはじまった
- 1981年、医学生だったわたしは昔からの憧れのエジプト学と分子生物学の合体を思いつく。ミイラのDNA抽出を実験し、当代一の学者の目に留まった
- 第3章 古代の遺伝子に人生を賭ける
- 1987年、古代ゲノム研究の道を選んだわたしの人生は転換点を迎える。「PCR法」で古代動物DNAを増幅する実験を重ね、正教授のオファーが来た
著者紹介
スヴァンテ・ペーボ
- 略歴
- 〈スヴァンテ・ペーボ〉1955年スウェーデン生まれ。生物学者。ドイツ・ライプツィヒのマックス・プランク進化人類学研究所の進化遺伝学部門ディレクター。
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紙の本
北欧のサスペンス
2016/10/25 00:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは通常の科学技術本と言うよりも、北欧サスペンスの世界に住む科学者の体験記と言うべきものだ。彼の堅実なアプローチは、本人の性格と言うよりも、北欧人の特性ではなかろうか。そう言いたくなるような冷めた情熱に貫かれている。
この本を読み、ネアンデルタール人のDNAが現生人類に一部取り込まれていることは、十分に納得出来た。ネアンデルタール人は気候変動に対処出来ずに滅んだのか、現生人類に滅ぼされたのか。もっと別の人類による別の文明の可能性はなかったのかは、この本の範囲ではない。しかし、そう言ったことに思いを馳せたくなるような本であった。それも含めて北欧のサスペンスと言いたい。
良書である。一読を薦める。
電子書籍
科学的な興味
2016/03/15 22:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kuriocity - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある程度生物学の知識のある人は面白いと思います。個人的に人類の起原ということも興味があるので面白かったです。サイエンスやネーチャーの雑誌から論文を載せてくれといってくることもあるんだ、と驚きました。ライバルとのスピード競争など、スリリングな展開も興味ある所でした。ネアンデルタール人の遺伝子が現生人類に取り込まれているという結論はエクサイティングです。滅ぼされた、あるいは絶滅した、ではなく、吸収された、という感じです。ただ、DNAの分析で証明するには数学的な手法を使うのだ、というのは予想外でした。
紙の本
人間のルーツを探る
2015/12/30 12:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネアンデルタール人は現生人類とは別種だが、交配を示す証拠が出て来た!
研究熱心な著者の行動も楽しめる本です。
電子書籍
ワクワクが止まらない
2024/01/19 00:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Mano - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマはまじめな科学研究だが、ワクワクしながら一気に読んでしまった。著者がノーベル賞を受賞したこともあり、ネアンデルタール人のDNAがホモ・サピエンスにわずかながら共有されていることは、いまや世界の知るところとなった。この見事な研究の舞台裏を詳しく語ったのが本書である。いやー、おもしろかったです。
紙の本
いい本になるはずだったけど
2016/03/28 14:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よしおくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
現生人類、つまり僕らの祖先とネアンデルタールの交配はなかったという定説を打ち破る偉業であり、とても楽しみにしていた。
だが、この本は失敗作だろう。素人が読むにはやや難解であることはさておき、冒頭を除けば、ほとんどが自慢たらたらの話になってしまった。これは、この手の成功物語を書くときには特に気をつけるべきところだが、ベーボ氏も虚栄心には抵抗できなかったとみえる。
「すごんだぜ」「すごいだろ」と言われ続けると、逆に読むほうが白けてしまう。素人も興味を持つ科学的事実の発見なのだから、そこに絞って書いてほしかった。