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紙の本
ペコロスの母の贈り物
著者 岡野 雄一 (著)
時間も場所も飛び越えて母が会いに来る−。認知症の母との日々をつづり大きな共感をよんだ「ペコロスの母の玉手箱」続篇。『週刊朝日』掲載に描き下ろしを加えて書籍化。【「TRC ...
ペコロスの母の贈り物
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商品説明
時間も場所も飛び越えて母が会いに来る−。認知症の母との日々をつづり大きな共感をよんだ「ペコロスの母の玉手箱」続篇。『週刊朝日』掲載に描き下ろしを加えて書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
【文学/日本文学評論随筆その他】認知症の母との日々をつづり大きな共感をよんだ『ペコロスの母の玉手箱』の続編。母を亡くし、より色濃くよみがえる母の姿。少年期の思い出では、昭和の生活が新たな郷愁をさそう。「週刊朝日」の連載に書き下ろしを加えた待望の新刊。【商品解説】
認知症の母との日々をつづり大きな共感をよんだ『ペコロスの母の玉手箱』の続編。母を亡くし、より色濃くよみがえる母の姿。少年期の思い出では、昭和の生活が新たな郷愁をさそう。「週刊朝日」の連載に書き下ろしを加えた待望の新刊。【本の内容】
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紙の本
母を恋ふる記
2016/04/28 08:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ペコロスの母に会いに行く』で介護マンガと称賛された岡野雄一の、『ペコロスの母の玉手箱』に続く作品集である。
人気作となった最初の作品では認知症をわずらってグループホームで暮らす母親との生活が描かれているが、その母親光江(漫画ではみつえと平仮名表記)は2014年8月、91歳で亡くなった。
それ以降の岡野の作品は、第一作以上に母恋いの印象が強くなっている。
これは漫画版母恋物語だ。
岡野自身1950年生まれで今初老の域に入りつつある。
人生を振り返る時期ともいえる。
そのために母は避けては通れないし、それは父も同様であろう。
この漫画集には数編のエッセイも収められていて、そのうちの一つが父の思い出である。
父岡野覚はアララギ派の歌人でもあり、そんな若き日の父の姿がエッセイに綴られている。
酒の力で憂さを晴らすしかなかった若き父。岡野は「家を建てる」という漫画で、子どもの頃に父から受けた暴力も描きつつ、それでもその時酔いつぶれた父の肩を貸す成長した自分の姿を描いている。
その時の自分のことを謝りたい、という岡野は、父親ともこうして和解していく。
母、父、そして長崎で生まれた岡野にはもうひとつ大切な記憶がある。
原爆である。
岡野は「戦後5年経って生まれている」と、エッセイの中で振り返る。「手を伸ばせば届く距離にあった、戦争。原爆」。
「青空(そら)」とつけられた作品には、原爆で妹をなくしたケン坊兄ちゃんが登場する。兄ちゃんは夏になるときまって妹のことを思い出し、血の涙を流すような子どもだった。
子どもたちがかくれんぼをしている夏。隠れたままで誰にも見つけてもらえない兄ちゃんの妹。
戦争とか原爆を描いた漫画作品も多いが、この一篇も心に響く作品になっている。
岡野はその一つひとつは母を媒介にしてたぐりよせていく。
母の口ぐせであった「生きとかんば!」は母からの贈り物であったと岡野は綴っているが、岡野にくれた母の最大の贈り物は、時間を超える力そのものであったと思える。
紙の本
本人が死んでも続く物語
2016/02/20 00:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わらび - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一巻から大好きなシリーズ。
みつえさんがお亡くなりになったので、前巻で終わりかと思っていたので、発売を知ってびっくり。
もともと、みつえさんの記憶を行き来するような話が多かったので、過去話は1、2巻と同じ雰囲気だが、今巻は「みつえさんの死後」に「みつえさんを思い出す人たち」の姿が描かれている。
亡くなってもなお、とどまる記憶、描かれる記憶を見て、人が生きていたということは、こうやって残っていくのだな、と気付かされました。
この先もまだまだ続いて欲しい作品です。
紙の本
「あの世」と「この世」はかくも近い
2016/01/28 19:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はるうさぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゆういちさんのおかあさん、みつえさんは2014年の秋、
認知症→脳梗塞→最後は老衰で91歳で亡くなられました。
ゆういちさんのお父さん、つまりみつえさんのご主人のさとるさんは酒乱で暴力を振るう人でしたが、晩年、お酒をやめてからは非常に穏やかな好々爺になられたそうです。
そのご主人が亡くなられてから、みつえさんの認知症が発症します。
でも、みつえさんの心の中に存在するさとるさんは晩年の穏やかで優しい人なのですね。
どうやら認知症が取り戻す時間は一番良かった頃の記憶なのかもしれませんです。
グループホームで過ごすみつえさんと訪れる子供や孫達、みつえさんの身近な人たちの中に、みつえさんとさとるさんが時を越えて訪れます。
………
私がどうしてこの連作にひどく心を惹かれるのか、それは私が感じている「あの世とこの世の近さ」とここに描かれている「近さ」が同じものだからではないかと思います。
ーーーー
亡くなることは居なくなる事。
だから亡くなった父と母はもう居ない。
なのに
気配がする。
居る気配がする。
ーーーー
この「気配」というやつ、私も父の気配はよく感じるからわかります。
とりわけ亡くなった直後には父の気配は濃厚でしたし、行方不明になった弟を探す時や、母とふたりでめげそうになった時は「ロウソクの燃え方を変化させる」という芸当で意志を伝えてくれました。
いまでも気配は残っています。
このごろは孫達を守ってやってね、と頼んでいるので、いろいろと忙しいと
思いますが… (^_^;) 母のところにも行ってるだろうし。
私には霊感というものはありませんが、この「気配」というやつには結構敏感です。
まあ、自律神経が過敏だしなね(^_^;)
だから、岡野雄一さんが描かれる「気配」というのを実感として感じます。
この気配の存在ゆえに、みつえさんの
「生きとかんばぞ!
生きとけばどんげんでんなるとやけん!」
という口癖に、ゆういちさんと共に励まされるのでした。
人生の、生命の営みのひたぶるにただ愛しき…。
紙の本
温かい
2016/05/12 06:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ペコロスの母に会いに行く』の頃から愛読者です。
とても温かく優しい内様にホッとさせられます。
紙の本
こんなふうに感じられたら
2016/01/31 12:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:天本 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵を見てじわ~っときました。ペコロスさんの最新刊では、みつえさん(亡くなったお母さん)の若い頃や自分の子どもの頃が、時空を超えて現れます。それは切り取られた思い出ではなく、ふだんの暮らしの中に顔を出すのです。認知症になったみつえさんとの会話や、ペコロスさんがめぐらす想いに落涙…うまくいかないことがあっても、私もみつえさんの「生きとかんば」を大事にしたいです。