はだれ恋 拾われ男の妄想 （ラヴァーズ文庫）

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投稿者：apple2　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

了くん。育った環境の割に凄く健気で可愛いです。捻くれツンデレ具合も絶妙に愛らしく……拾った八尾(夫妻)の性格も良かったんでしょうね。
了くんのイメージは猫です。フーフー背中の毛を逆立てて警戒しつつ、飼い主が好きで好きで仕方がない猫。
だいぶやんちゃで自傷の傾向があるので、最後は八尾さんと丸く収まって良かったです。

小山田さんのセクシーな八尾氏と、愛らしくも逞しい了くんの画も素敵に合っていました。

昭和の頃、越境して暴走族(身近では既に絶滅)にいた少年曰く。
『盗んだバイク』という発想は育ちが良い証拠で、そもそも盗んだ概念はない。とのこと。
『俺の物は俺のモノ。他人の物も当然、俺のモノ』

了くんは罪悪感の固まりで、痛々しい位でした。

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投稿者：すいかめろん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

カラー口絵、挿絵、あとがきあり。

攻の八尾は30台半ば位のおっさん域とはいえ働き盛りのガテン系いい男(愛妻家)。生まれてからずっと邪魔者扱いされてきた受(了)が自分の男を寝取ったいう理由で母親に家を追い出され路頭に迷っていた時に拾ってくれた人。
からっぽだった受に八尾夫妻は、生活の術を与え必要とされる喜びを教えてくれました。

八尾への恋心を抱きながらも、彼の病弱な妻・芙実も大切な恩人であるからこそ自分を押し込めようとする了が切ない。愛情と義理の狭間で罪悪感からマイナス思考に囚われる姿はさもありなんと無理なく納得できました。
ラヴァーズ文庫ですのでエロ描写多めですが、半分以上がタイトル通り了の妄想エロで残り3.5割はモブ姦という不思議な構成。まぁ攻が愛妻家ですのでリアル本命Hが少ないのは致し方なし。
優しい芙実が遺した手紙のささやかな人間らしい我儘にも泣けました(/_;)

八尾が旧車専門の修理工場社長という設定なので、旧車ウンチクが一杯です。中原さんの愛が感じられます。
小山田さんの挿絵もとても素敵でした。

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投稿者：そら　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

中原さんお得意のオヤジ攻めでしたがいつもと違い真っ当な人でした(^_^;)。家を飛び出して行くところの無い了を拾ってくれた八尾。奥さんが居るノンケを好きになってしまった了がいつも心の中で奥さんに「ごめんなさい」って謝ってる姿がいじらしかった。小さい頃から家庭に恵まれなかった了に家族の温かさを教えてくれた八尾夫妻。同じ会社の従業員もバーの人達もみんないい人でほっとさせてくれました。最後は少々駆け足気味に感じましたが、せつないお話は大満足でした。後半までは了はずっと行きずりの人と関係をもっていたので何度もそういう人とのシーンがあるので苦手な人はいるかも。私的には全然ありでした。小山田さんのイラストは相変わらず素敵すぎました。

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投稿者：なつゆき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

報われない、報われてはいけない想いに身を焦がす受け。
受けが行きずりの男に酷く責められたいのは性癖というだけではなく、攻めの奥さんや攻めへの罪悪感だろうし彼の育ってきた環境を考えるに切なくて哀しい。受けとは正反対の明るく太陽の下を歩いてきたような攻めと病気の奥さん、いい人過ぎるからよけい罪悪感が高じる。
痛いなぁ切ないなぁと思いながら読んだけど意外に後味は悪くなくハピエンでほっとした。