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商品説明
三島大明神様。走湯権現様。駒形吉祥様。どうか私を大将軍にしてください−。激烈に滑稽。激烈に悲痛。千年の時を超え、現代に生きる源義経が、自らの怒濤の生涯を語り出す。『文藝』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
町田康
- 略歴
- 〈町田康〉1962年大阪府生まれ。作家、歌手として活躍。「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞、「きれぎれ」で芥川賞、「告白」で谷崎潤一郎賞を受賞。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年9月号より
書標(ほんのしるべ)さん
「こんな〇〇初めて」という言い回しがある。「普通はこうだ」と思っていたのに、予想外の事が起こった時に使われる。
ところで、「義経記」という物語がある。室町時代に成立した軍記で、その名の通り源義経の幼少時代(牛若丸)から没落までが描かれており、昔から日本人に親しまれている。そんな「義経記」を、あの町田康が書いた。帯にはこんな言葉が添えられている。「平家、マジでいってこます。」いつもながらの、こてこての関西弁にやられた。
読み始めると、一行目から驚かされる。「かつて、ハルク・ホーガンという人気レスラーが~。」「ハルク・ホーガン」である、「人気レスラー」である。なるほど、これは著者自身が語り手というタイプの小説なのだ、町田康が強者をハルク・ホーガンに例えたのだと読み進むと、なんと、この語り手は義経である事が分かる。義経は、現在の日本を熟知しているようで、「いまで言うと玄関先にSECOMと書いたシールを貼っておくようなもの」なんて事を言ったりする。あまつさえ、「知らない間に精神的に殺されてゾンビみたいになってる。奴隷にされているの気づかないで自分は勝ち組だと思ってる。」なんて、現代人を厳しく批評したりもする。しかもファッションおたく。
町田康らしい関西弁と、現代の若者が使うような話し言葉を織り交ぜられた、笑いをふんだんに盛り込んだ物語に、濁流にのまれたように、脳みそをもみくちゃにされながら、あっという間に読了。
呆然としながら、たった一つ思うこと。「こんな義経記始めて」。
紙の本
著者は義経をどうしたいのか!
2016/11/07 11:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒトコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
派手目の装丁にカタカナのタイトル、書店で目を引かれたのに「義経記」であることを見逃しそうになった。
「泣き虫弱虫諸葛孔明」に馴染んでいなかったら付いて行けなかったかもしれない、ハチャメチャ現代語の語り口と登場人物人物たち。
悲劇的生い立ちにもかかわらず、屈託なく実利を求めて邁進する九郎義経。判官贔屓という気もおこらない爽快さ。
黄瀬川参陣目前で終わってしまったけど…と思ったら、まだ文藝誌上で連載続いてるらしい。
紙の本
破天荒なる源平
2017/02/24 11:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
義経だけではなく、伊勢三郎や吉次宗高など歴史の闇に葬られた人物たちが浮かび上がってくる。現代語と古典の融合を目指した語り口もよかった。
紙の本
町田節は健在
2016/12/09 17:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
久し振りに町田康を読んだ。町田節は健在で、とても面白かった。「義経記」の現代版ということで、文体はふざけてるけど、史料は読み込んでいるようだ。最後はかなり中途半端なところで終わってしまっているので、きっと続きがあるんだろうね。