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商品説明
元駐キューバ大使が、東西冷戦の生き証人「カストロ兄弟」の実像を伝える書。キューバ・ミサイル危機の裏側、今後のキューバの行方にも触れる。カストロ兄弟の未公開写真も掲載。〔「カストロ」(中央公論社 1996年刊)の改題改訂増補〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
宮本 信生
- 略歴
- 〈宮本信生〉1937年京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。法学博士。駐キューバ大使、駐チェコ大使を歴任後、外交評論家として執筆、講演活動に入る。「中ソ対立の史的構造」で大平正芳記念賞受賞。
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紙の本
「清廉」とも言える政治家の姿勢
2017/01/29 07:55
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年11月、フィデル・カストロが死んだ。1959年キューバ革命を成功させ、その後社会主義体制となったキューバの体制を弟のラウルと維持してきた。本書はキューバ大使としてフィデルとラウルと親交があり、キューバ社会の現実を見てきた著者の、キューバ革命に至った歴史と、キューバ革命を維持し、「平等主義」にもとずく社会主義体制の内実が紹介されている。
1989年のソ連崩壊から社会主義国が次々となくなっていく中で、「社会主義国」として体制を維持してきたのは、「清廉」とも言える政治家の姿勢であったとキューバの政治家を評価している。
アメリカの経済封鎖や世界からキューバと同様に圧政に苦しむ国をなくそうと、軍事援助をしたことによる軍事費の増大など経済的な困難、経済政策の失敗なども指摘。「カストロ=独裁・恐怖政治」というアメリカの宣伝が広く流布しているが、著者はそれも否定している。弟のラウルのやさしい横顔も大使夫人が巻末に掲載。
私も昨年末キューバを旅したが、経済的な困難さはありながらも、治安は良く、ベトナムよりも物乞いやしつこい物売りもいなかった。どこで写真をとってもよく、軍人がそこここにいる風景もない。また旅したいと思う良い国であった。
本書はキューバを知る上での良書である。