紙の本
ドリトル先生のカバンはドラえもんのポケット並み
2006/06/10 22:23
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物と話が出来る獣医にして博物学者のドリトル先生が活躍するシリーズ。シリーズ第2作目ですが、1作目より読みやすいし、面白いのではないかと。
読みやすさの理由は、本書の語り手が靴屋の息子トミー・スタビンズくんであることが大きいです。後にドリトル先生の立派な助手になる彼も、初登場の本書では、まだほんの子どもです。ドリトル先生の人柄に引かれたトミーは、住み込みの助手として働き、勉強(動物語を含む)を教えてもらうことになり、航海にも連れて行ってもらいます。トミーの視線による新鮮な驚きの毎日に、読み手は知らず引き込まれていく寸法。
ドリトル先生の航海は行き当たりばったり的なところもありまして、波乱万丈です。密航者がいたり、ずうずうしい押しかけ船員がいたり、嵐にあって難破したり……でも、ドリトル先生は動じません。先生は基本的にはユーモアがあって穏やかな人柄。(時どき、とんでもない怒り方もしますけど)なにより常に動物たちのことを思っていて、理想と現実の狭間で悩んだり憂えたりもしますが、絶望とは無縁で道を切り開こうとする人です。
動物たちのキャラクターも魅力いっぱいです。ちょっと口うるさいけれど賢いオウムのポリネシア、誠実な犬のジップ、良きお母さんと言った風情のアヒルのダブダブ、気取りやスズメのチープサイド、サルのチーチー。みんなドリトル先生のことが大好きで尊敬しているけれど、先生の欠点もまたわかっていて、家族のように見守っている様子も伝わってきます。ドリトル先生と言うのが、基本的に学者バカの理想主義者なので、仲間たちの中でも現実派のポリネシアや家計を預かるダブダブが苦労をすることも、しばしば。大変だねえと見ているトミーくんも、数年たたぬうちに彼らの仲間です。
この物語で私が何より心躍らせたのは、何を隠そうドリトル先生の鞄でした。壊れかけて紐で縛ってある、さほど大きくない鞄ですが、ドリトル先生は旅行に行く時はたいてい、その鞄一つ。そこから過不足なく、色々な物が出てくる、まさに夢のような鞄なのです。いったい中身はどうなっているのか? ちなみに、トミーと初めて会った時など、食パンが一斤、ソーセージ1ポンド、しゃべる貝を採集したガラスの瓶が出てきました。おおっ、四次元ポケットか?
紙の本
ピンクの大きな海のカタツムリ
2001/04/20 23:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りーこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、ドリトル先生シリーズの2冊目にあたります。
本の書き手は、トミー・スタビンズという男の子で、ドリトル先生の助手として登場します。ドリトル先生は、南大西洋の漂流島であるクモサル島で、大博物博士のロングアローが行方不明になったと聞き、トミーと動物達を連れて早速クモサル島へと出発します。
そして、帰りに会うのが、ドリトル先生の映画でもお馴染みのピンクの大きな海のカタツムリ。先生はカタツムリと友達になり、海の底をカタツムリの殻の中に入って航海するのです。想像するだけでも楽しそうでしょう? 映画とあわせて読むと楽しいと思います。
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これで幼少時代育ったようなものなので。大好きとかそんなレベルでは語れないくらい大切な本。全巻13巻ですが、一番有名なこの巻を載せてみた。
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昨日の夜読んでいたらおもしろくてしかたなくて夜更かししてしまった。スタビンズ君の視点になってあどけない、おもしろいことに満ちた世界をはらはらしながら旅することができる。彼のドリトル先生への信頼や航海への憧れがわがもののように感じられる。井伏鱒二の、ユーモアに満ちておだやかな素敵な訳にも脱帽。
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小学二年生の思い出の本。オウムやサイや、いろんな動物と話ができるドリトル先生に夢中だった。クラスの友達もみんな読んでた図書館のアイドル本。
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読書が楽しいと思うようになったのは、ドリトル先生に出会ったからだと思います。トミー・スタビンズ君になりたかった。
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「ドリトル先生」シリーズ第二弾。
今回も、ドリトル先生は船の旅にでかけます。
夢があってすごくいいお話だから子ども向きだなぁ〜とは思ったけれど、穿った読み方をすれば、かなり白人優位主義の立場で書いてあるねぇ。白人は文明があり、優れた人間として書かれているのに対し、黒人は文明もなく、原始的な生活を営んでいる未開の野蛮人と書かれてる。カニバリズムを行っているとまで言ってるし。
他にも、ドリトル先生が白人文化を黒人に押し付けたりしてるところもあり。いかに白人文化が正しく優れたものであるかを黒人と比較することで露骨に描いている。
・・・って、こんなにバイアスかかった読み方ばかりしてたら、ドリトル先生がめちゃくちゃ傲慢な人間に思えてきちゃうよ(笑)童心にかえって読まないとね。
ちなみに、私はべつに、偏向的に描かれてるからって、この作品が駄目とか言ってるわけでは全然なくて、ただ、この本からは、ファンタジー要素以外のもの、つまり、その当時のイギリスを始めとする顕著な白人優位・黒人蔑視の世界の一端が垣間見えるなぁと思っただけです。ハイ。
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トミー少年や動物たちをつれて航海に出たドリトル先生は、漂流するクモサル島に上陸。島民の敵をやっつけて島の王様に選ばれたりしますが、やがて大カタツムリの殻にもぐって帰国します
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トミー少年はドリトル先生と冒険の航海に。海上をさまようクモサル島でロング・アローを救い出す。やがてみんなは大カタツ
ムリに乗ってなつかしい家に帰る。
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こんなお医者様が近くにいたらなぁ! ウチの猫も看てもらうんだが。ガブガブの活躍がなかったのが残念だが、ポリネシアが大活躍したのでいいか。ポリネシアにも傍にいてほしい。時に煩いだろうけどね。で、…雄だっけ、雌だっけ? 原作ならheとかsheとか書いてあるんだろうけど、日本語だとわかんないな。(2008-03-15L)(2013-01-06)
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小学生のころ、二年間隔週で借りて帰った名作。
井伏鱒二の児童書翻訳は神。
と、思ってたら、翻訳の下敷きが石井桃子でさらに震え上がった。
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ドリトル先生シリーズのうち、なにか一冊だけなら「航海記」。
ま、すりこみってことですかな。たぶん、最初に読んだ作品やから。
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【メモ】
小学校時代に勧めてみたい。あるいは、もう少し低年齢でも、毎晩寝る前などに内容をはしょりながら面白く読み聞かせてみたい。
浪漫、教訓、愛らしさに満ちている。井伏の名訳。
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ドリトル先生………。
とても思い出深い本です。
子どもの頃、夢中になって読みましたっけ。
ドリトル先生シリーズは全部で13冊ありますが、実家には「アフリカゆき」「サーカス」「動物園」「キャラバン」の4冊しかなく、この「航海記」は図書館で借りて読んだ記憶があります。
これを機に全巻集めるつもりですが、「アフリカゆき」は何回も読んで覚えているので、まず最初は持っていなかったこれから買ってみました。
(ネタバレあり)
ドリトル先生がカブトムシを見つけるところからロング・アローを助け出すところまでが、幼心にとてもドキドキしたのを覚えています。
最後の、解説(?)でオシツオサレツは原書だと「PUSHMI-PULLYU」であるというのを始めて知りました。
解説の舟崎さんも書いていらっしゃるけど、それを「オシツオサレツ」と訳した井伏鱒二さんはすごい。
まあ、小さい頃の私は、それが「押しつ・押されつ」だというのがわからず、なにやらオムレツのようなおいしそうな名前だな、くらいにしか思っていませんでしたが……。
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ポリネシアの皮肉まじりのおしゃべりが好き。
火を使わない人々のことを、暗闇でも目が利くというようにプラス面も描いているところが好き。
続きも楽しみ♪