紙の本
ファンタジーなのにリアル…
2002/07/31 01:12
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゲド戦記シリーズもとうとう3冊目。時間は登場人物達の上にも、
平等にそして残酷に流れてゆきます。
前回の冒険で世界に平和をもたらす腕輪を持ち帰り、時は静に流れ
ゲドは自分が魔法を学んだ賢人の島の魔法学院で大賢人となってい
る。そのゲドの元に一人の若者が訪れる。若者はエンラッドという
国の王子でアレンという。アレンが持ってきた知らせとは、自分た
ちの治める国の中で魔法が効かなくなってきているというものだっ
た。大賢人ゲドの元には、エンラッドだけでなく、世界のあちこち
から魔法が効かなくなってきているという知らせが届いていた。そ
れは世界を統治する王が800年も不在であるということから起き
た世界の不均衡がもたらしている害なのか?それとも他に原因があ
るのか?もはや若くはないゲドは、アレン王子ただ一人を供に、世
界の果てを目指す。
ファンタジーの世界の中で、主人公がこう言う風に年をとっていく
設定は初めて読みました。壮年というよりは、老人に近い人物とし
てゲドが描かれているのですが、その冒険の中で、ゲドは持ってい
た偉大な魔法の能力のほとんどを使い果たしてしまいます。まるで
その命の火を燃やすようにして、世界の平和を守るのです。こんな
に哀愁を漂わせたファンタジーの主人公が今までいたでしょうか?
まるで、定年退職直前のお父さんの背中を思わせます(笑)。英雄は
ただ去り行くのみ。と言う言葉がありますが、あまりにも淋しい展
開です。作者は本当に冷静な目で物語を作っていますねえ…。次が
いよいよ最終巻。いったいどんなお話が待っているのでしょうか。
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ゲドが大賢人になり、一人の影に苦しむ少年と共に立ち向かう物語。ゲドの成長も楽しみながら、ゲドがサブ的役割で、他に主人公がいる形がやはり新鮮。ゲドはやっぱり永遠のヒーローであってほしいけど、人はいつか老い、次を担う者が必ず現れる。それを物語っているような気がした。ファンタジーだけど、人間に当たり前にある期限に言及しているからこそ、ただのファンタジーで終わらないんだなぁと思う。
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世界や己を知ると、どういう人間になるのか。言葉は減り、どんどん重みを増していく。青年はその深さに疑いや畏れ、希望を抱き、旅をする。ひとつの旅を終えようとしている老人と、旅を始めたばかりの青年の対比が小気味よく描かれる。躍動感と重厚感、光と影、生と死。対立する二つは別のものなのか。なぞを残しつつも、深いテーマでぐいぐい引き込まれる。
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アレン王子の成長する様子が頼もしくていいです。
最初のころは王子とは名ばかりのただの少年ですが、
旅の間に立派な王者へと成長していきます。
それにひきかえ、大賢者ゲドは旅の間に
力をなくしたただの老人になってしまって、
「無常」を強く感じます。
この夏のジブリ映画の原作ですね。
予告編を見ましたが、竜の女(ひと)テルーの描写に不満を感じます。
美しい人間の女性と恐ろしい竜の顔が1人の
人間の中に同時にある、という不思議を強烈に
描いて欲しいと思っていたのですが、
ちょっと微妙です・・・
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ゲド戦記第三部です。
長い間ゲド戦記はこれで完結と思われてたんですよね〜。
十分それだけのまとまりのある話ではあるんですけど。
ジブリによるアニメ映画の製作が決定しています。
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ジブリでアニメ化されたエピソードです。竜は出てくるけれど、ドラクエ的なもんじゃありません。映画は見るとしてもDVD化されてからかな。図書館予約数は2(06/04/18現在)です。続きはあるようですが…End。
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影〜帰還までではある意味ゲドの最後の冒険だと思います。若いアレンはその時分のゲドよりできた男ですが、やはり芯が定まってなくて、彼の成長記といっても過言じゃないかも。
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やっとアレンが登場。ハイタカの成長した姿に、一巻時の傲慢だった時に比べてしまいじんわりきます。言葉ひとつ何か残るものがあるのです。
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映画の原作になったらしいのですが…
アレンとゲドの世代交代になる話だと思いました。
アレンの成長も頼もしくあるのだけど、ゲドの老いがなんか悲しかったです。
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魔法の館の長としてアースシーをおさめる大賢人ゲド。災いの源を断つため、若いアレン王子をともなって最果ての地におもむき、死の国の境界で死力を尽くして戦う。
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ゲド壮年期。初読が立ち読みだったので、内容を誤解していたことが後日判明しました。やはり本はちゃんと読まねば。
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ゲドが歳を重ね、若い青年と旅をする。壮年の心、青年の心、読んでいるとふだんの生活によくあるような葛藤がでてくる。
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どうにもゲド戦記は話の終着点が見えてしまってつまらない。もっとこう、予想もしなかった展開に!とかならないかな。それともこの展開のよみやすさがいいのかな。
2008/2/21
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今回ゲドはもう大賢人です。主役は若い王子、アレン。
この話と次の「帰還」が混じってジブリの「ゲド戦記」ができたんだねー。納得。
しなやかで、瑞々しいレバンノン、素敵ですw
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名作「ゲド戦記」3巻目。ここでいったんは終了、後に4巻そして5巻も書かれましたが。
この世界がおかしくなっている…
王の一人息子アレンは、ロークの大賢人として名高いゲドのもとへ遣わされ、すぐにその人柄を尊敬してゲドに仕えることを望みます。
ゲドもまた、何を探すかも定かでない探索の旅の連れとして、少年アレンを選ぶのでした。
世界の果ての海で筏の上だけで暮らす民族に助けられ、人の世界には現れないはずの竜が太古から得ていた言葉を失い、しだいに狂気にむしばまれていく姿を目の当たりにします。
死んだと言われていた魔法使いクモの仕業らしいと突き止め、生と死の境界を越え…
アレンとホートタウンに行くあたりは映画に近いところがあります。
ただ映画はほとんどそのあたりで対決して終わりだもんねえ…
2時間ほどでまとめるからとはいえ、スケールが小さい。ダイジェストみたいなもんだから〜ぜひ原作も読んでください。