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さいはての島へ 改版 みんなのレビュー
- ル=グウィン (作), 清水 真砂子 (訳)
- 税込価格:1,980円(18pt)
- 出版社:岩波書店
- 発売日:1977/08/01
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紙の本
魔法を使わない大魔法使いに忠誠心を誓い付いていくアレンは悩みながら学んでいく。
2006/08/14 09:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エンラッド - この投稿者のレビュー一覧を見る
3巻ではゲドはわりと年をとっていてロークという島(魔法学院)の大賢人となっていて、ある日エンラッドという国の王子アレンが、魔法使いやまじない師達が皆魔法を忘れて使われなくなっているという、知らせを持ってくる所から始まる。
アースシーの世界では賢い魔法使いは高度な魔法を使うと災いがおきやすい事をよく知っているため大賢人のゲドは魔法使いなら大抵はできる初歩魔法もたまにしか使わず、大賢人なのに偉ぶらないし、命令はしないし、他の優秀な魔法使いの生徒ではなく、モレド(優秀な血筋)の子孫であるというだけでアレンは旅の友に選ばれ、ほとんど魔法使いの直感みたいな物のみで旅先を決めてるようだし、無口だし、時々、アレンは本当にこの大賢人と名乗る男は魔法を使えるのか?魔法使い達は皆魔法を忘れているのでこの男も同様魔法を忘れてしまっているのか?モレドの子孫を誇りに思わないわけではないが自分は魔法は使えないし付いていくだけで何の役にもたたないではないか?、と色々心配になったりするがゲドの言う事はモレドの子孫を誇りに思うそなたが誇らしいみたいな事ぐらいしか言ってないような気がして安心してよいのか不安になってよいのかどちらともつかず一応説得させられ気をとりなおして旅を続けるといったふうでゲトとの信頼関係が近づいたり遠ざかったりしていて面白い。最後辺りになると竜もでてきてくれるし(アレンは喜んだ。中には危険なのもいるが…)、ゲドも魔法を使う必要制ができてきてゲドもアレンも満足だったし、読者も満足だった。全般的には死と生の話が多く内容も深くてリアルな話で大人むけといった感じです。
紙の本
大魔法使いゲドと、エンラッドの王の息子アレンの苦難の旅。その果てに待っていたラストに、心地よい解放感を味わいました。
2004/05/21 10:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
行きて帰りし物語。魔法に満ちたアースシーの世界。力強く羽ばたいているファンタジーの飛翔。ゲド戦記シリーズ第3巻の本書は、スリリングで面白かったあ。わくわくさせられました。
話の滑り出しは、こんな感じ。
アースシーの世界のあちこちで、魔法の力が弱まっていることが分かります。その原因は何なのか? 一体何が起きているのか?
この危機的な状況を打開する使命を担ったのが、大賢人のゲドと、エンラッドの王の息子アレン。ふたりが、アースシーの魔法衰亡の原因を突き止め、災いを取り除くために、南海域に向けての航海に出発します……。
航海のさなか、いくつもの危険と遭遇するうちに、ゲドに対するアレンの気持ちが揺さぶられるんですね。信頼と不信、共感と反発のはざまで、アレンの心の中の羅針盤の針がくるくると回転する。そして、アレンは成長していく。ゲドとアレンの心の絆が時に弱まり、またしっかりと結び合わされながら、物語はひたひたと進んでいきます。困難の中で精神的に強く、たくましくなっていくアレンの変化する姿に、本書の一番の読みごたえを感じました。
そうそう、ゲドとアレンのふたりを見ていて、エリス・ピーターズの「修道士カドフェル」シリーズのブラザー・カドフェルとブラザー・マークのこと、ちょこっと思い出しました。
ラストシーンがいいんだなあ。大魔法使いゲドと、エンラッドの王の息子アレンの苦難の旅路の果てに待っていたものは何だったか? 読み終えて、素敵な贈り物をもらった読み心地。清々しい解放感を味わうことができました。
ひとつ残念だったのは、ゲドがだいぶ年をとっていたこと。もっと若い頃のゲドの活躍を見てみたいなあと、そんな気持ちもしたことです。