サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

両さんと歩く下町 『こち亀』の扉絵で綴る東京情景 みんなのレビュー

  • 秋本 治 (著)
  • 税込価格:7346pt
  • 出版社:集英社
  • 発行年月:2004.11
  • 発送可能日:購入できません

新書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー23件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (11件)
  • 星 3 (8件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
23 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

生活者を納得させる緻密さ、リアルさ

2004/12/07 00:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:関 智子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

浅草、千住、向島、神田などの下町の街角風景を描いた「こち亀」各話の表紙絵そのものと、こち亀の舞台としてのそれぞれの街に関する裏話、街の取材にあたってのエピソードを交え綴った本。
 驚愕するのは表紙絵の中の街の描写がきわめて正確なことである。
 ここに取り上げられている街の多くは私の生活圏の近くにあるので、モデルになった場所もだいたいわかるが、ほとんどふつうの街の一角で特に有名な場所ではない。
 にもかかわらずその1つ1つの場所がきわめて正確に取材され、かつ高い画力により消化され表現されている。(つけたすと表紙絵だけでなく、本編の背景で特定の場所をとりあげる際もかなり正確)。すでに消えてしまった風景は貴重な場の記録にもなっているし、これだけの記録の集積は江戸時代の名所図絵さながらおそらく後生にも残ると思われる。
 なお東京スタジアムの項で、その時に入手した資料や取材の結果から、想像して再構成した背景を作品に描いたところ、後に実際に同様の風景が写真に収められているのを追体験したことが触れられているが、ただ資料を正確になぞっているだけでなく、想像で描いた風景が実際にあった街の景観に迫るほどなっている箇所もあるらしい。このような絵の数々をエピソードとともに確認できるだけでもおすすめの内容である。
 もちろん絵の部分だけでなく、本文も読んでいて面白い。下町がドラマなどに登場する場合、ステロタイプの登場人物で人情話的な処理、経済力はなぜか比較的少なめに描かれることが多い(そういうステロタイプな下町に思い入れがある人も意外と多く下町に住んでいるというと困ることがあるのだが)、実際はさまざまな性格の人が住み、経済力もさまざまである。
 こち亀の場合はステロタイプの下町のキャラだけでなく、さまざまな人間が生活する下町を実はきちんと描いているし、「超神田寿司」のようにリアルで新しい下町のキャラを開発している。生活者として納得できる視点なのだ。そのような生活者の視点がきちんと入っている秋本さんのまちの紹介文書はガイドとしても秀逸である。
 なお私は秋本さんよりかなり年下だが、小さい頃母親などに連れられたおでかけコースは上野動物園、松坂屋か赤札堂、じゅらくかナガフジで秋本さんの「定番コース」とほとんど変わりがない。秋本さんはこのコースが定番であるとの自信がないまま「定番」と描いたのだそうだが、私の友人の範囲を考えてもこの記述は間違いではない。このような細部のエピソードも生活していないとわからないリアルさが満ちている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

こち亀と下町と、そして秋本さんの魅力を存分に引き出す珠玉の一冊

2004/11/23 12:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:苦楽 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、大人気・大長編コミックス「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(通称こち亀)の扉絵を集め、その背景となる東京の下町について作者である秋本治氏が少年期の思い出や取材、そしてその場所を扱った話のこぼれ話や反響について書いたものである。
 順に、葛飾、千住・浅草、隅田川、上野、神田とこち亀にとってなじみ深い場所を扱い、最後には「男はつらいよ」シリーズの監督である山田洋次氏との対談が付いている。
 本書の魅力は、緻密に描かれた扉絵もさることながら、郷愁を誘う秋本氏の過去の思い出と作品に描かれた過去の下町の姿、取材で秋本氏が目にした下町の変化と変わらない風景、そしてそれらが作品にどう描かれ、どんな反響があったか、というものであるが、それらを通して秋本氏の魅力が読み手に伝わってくる。
 “お化け煙突”こと千住火力発電所についての行では、秘密基地を作ったが中で火を焚いたために消防車が出てくる大騒ぎになったこと、葛飾の水路に飛び込んだ友人のエピソードなど、こち亀の回想編の元になったエピソードや、不忍池で感じた都会の中の闇と一歩出て目にした松坂屋の光というコントラストに象徴される、秋本氏の土地への愛情が伝わってくる。
 さらに、秋本氏の背景への書き込みの拘りには定評があるが、既に失われた東京球場について書いた「光の球場!」の巻きの裏話では、資料を基にして書いた背景が、掲載後に見つかった荒川ふるさと文化館の写真と一致してほっとした、というエピソードが語られ、秋本氏の拘りを改めて実感できたことを報告しておきたい。
 何せ、背景には徹底的に拘る秋本氏だから、フィクションの作品でありながら街や実在の施設、名所などに関する拘りは一級品で、それと作品の解説が相まって独特の魅力を形成している。葛飾伊勢屋の両さんどら焼きや上野大黒屋のてんぷら、水天宮三原屋本店の塩せんべいなどの食べ物を始め、上野アメ横のミリタリーグッズの中田商店といった取材や秋本氏お勧めのお店、浅草三社祭とその取材のこぼれ話、神田祭とお茶の水から明神下の神田散歩と作中に出てくる超神田寿司の擬宝珠ファミリーの裏話、佃島を1989年、1996年と取材に訪れた時、そのモダンな変化に驚き、対照的に全く変化してない家の前の車まで同じだったというエピソードが扉絵付きで紹介されているなど、両さん好きには何よりのガイドブックとして仕上がっている。とにかく、紹介されている過去、取材時、作品にまつわるエピソードが非常に魅力的で、凡百のガイドブックとは一線を画している。一例を挙げるならば、浅草の花屋敷が取材時には休みだったというような取材時のハプニングも上手く作品に盛り込み、それを作者自らが具体的な作品名を挙げて解説しているから、こち亀好きには副読本としても必見である。
 最後の、山田洋次監督との対談では、共に下町を舞台にした長期作品のクリエイターとしての共通項、マンネリと変化の二律背反や、世代の違いによる秋本氏から山田氏へのリスペクト、山田氏から秋本氏へのエールもあり、互いにファンとしての一面を見ることが出来て興味深い。
 本書は、こち亀好きには絶対に買うべきだ、と断言できる一冊であり、こち亀を知らない人にも、東京の下町で育ち、今もそこを歩き、愛している一人の人間の下町への愛が詰まったエッセイ・画集・ガイドブックとしてお勧めしたい珠玉の一冊である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「こち亀」を全く読んでないヒトには少々ツラいかも知れないが……

2005/10/03 11:37

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 題名の通り,「こち亀」……まさかこれが何の略だか分からないヒトはいないと思うが老婆心から書いておくか。これは1976年から少年ジャンプにずうっと連載している漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(最新刊はなんと第145巻!)の,略語というか愛称である。で,題名に出てくる「両さん」というのはこの漫画の主人公・両津勘吉巡査のこと。よろしいな?
 コホン……改めて。題名の通り,「こち亀」の扉絵として描いた下町(亀有,千住,浅草,上野,隅田川界隈など)の情景をネタに,亀有出身の著者が懐かしい東京の姿を語るという趣向。「こち亀」を全く読んでないヒトには少々ツラいかも知れないが,この本片手に一度下町を散策してみようかしらという気にさせてくれる本である。巻末にある山田洋次監督とも対談も面白い。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2004/12/08 20:28

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2005/01/01 17:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2006/04/19 16:31

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/09/07 04:03

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/11/19 22:27

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/06/26 19:13

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/07/23 12:35

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/05/08 16:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/09/07 08:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/12/12 01:44

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/02/06 13:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/14 20:55

投稿元:ブクログ

レビューを見る

23 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。