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紙の本
シリーズも第3巻。続きを出してほしーなー
2006/08/22 22:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シノスケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗殺者ヴラド・タルトシュのシリーズもこれで3作目。毎回命を狙われ、一度など殺されもしたヴラドだが今度狙われているのは自分ばかりか最愛の妻カウティだった。ドラゲイラ族の中でもっとも下層に位置するテクラ族。そのテクラと東方人が手を結んで、帝都に待遇改善の運動と民衆の啓蒙を行っていた。この地下組織に参加していたカウティだが、ある時参加者の一人が殺されると、運動は徐々に暴動へと変化していく……。東方人の末路など興味も無いヴラドだが、妻の身を案じる気持ちに嘘偽りは無い。必然的に殺人と運動の中心へと巻き込まれていく。
ハードボイルドなファンタジーから、シリーズを追うごとにだんだんとヴラドの人間性が明らかになってきて、今回は口論してばかり。それもそのはず、妻の参加している活動にはドラゲイラの考え方に染まっているタルトシュには相成れないもので、自分の力でのし上がってきたタルトシュにしてみればなんとも本末転倒な話だからだ。かつては妻カウティも暗殺者だったわけだが、それでも東方人としての気風かタルトシュとは衝突を繰り返す。1、2巻のように事件を解決に導くためだけではなく、夫婦関係を円満にするために、言ってしまえばカウティとの仲を元通りにするためというのが一義的な目的に。もちろん、そこでタルトシュは自分にも誤りがあるかもしれないと思いつつ、やきもきしたり思考のループに陥ったりするわけで……。長い目で物事を捉えるドラゲイラとは対照的な東方人の生き方も浮き彫りになってきて、転生云々が絡んで、かつては東方人ではなかったタルトシュは今後どうするのか。作品としての爽快感は1、2巻に劣るけれども、今後のシリーズへの布石としては非常に面白い。残念なのは今後の翻訳の予定が無いことか……。
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