紙の本
竹中大臣の挑戦,その全体像
2009/02/19 20:56
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
小泉政権下での竹中大臣のさまざまな挑戦を挑戦者自身がえがいている.個々の問題をもっとくわしくあつかった本はほかにあるが,金融改革,郵政民営化,政策プロセスの改革など,全部をとおしてみるにはこの本を読むのがよいだろう.竹中大臣がただしかったかどかはより客観的にみる必要があるだろうが,彼自身がなにをかんがえ,なにをやってきたかを知ることができる.
(実名はあまり書いてないが) 批判されているひとがおおいなかで,北朝鮮訪問もふくめて,小泉首相には最大限の賛辞が書かれている.また,自民党税調のドンといわれた」山中貞則に対して「政界のドンと言われる人の志の大きさと人間の奥深さを,様々な形で学ばせてもらった」というのも興味ぶかい.
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<07/1/16読了>小泉改革のうち著者が直接携わった不良債権処理を始めとする金融改革、郵政民営化、経済財政諮問会議の活性化の3つの改革を描いています。そのどれもが面白いですが、特に迫力のあるのは、やはり小泉総理のライフワークであった郵政民営化です◆抵抗勢力や官僚との争いは、現にそれを体験した人だけに迫力にあふれており、手に汗を握る面白さ。そんな中で学者出身の竹中さんが意外にしたたかなのに驚かされます◆私が最も感心したのが「戦略は細部に宿る」作戦。通常政治家は基本的な方針を定めたら、法案や具体的な施策作りは官僚に任せてしまいますが、そこに官僚が「骨抜き」をするチャンスが生まれます◆竹中さんは法案や具体的な施策作りも官僚任せにせず自分とそのブレーンでやってしまいます。どころか、官僚の常套手段の「骨抜き」作戦を逆手に取り、妥協したフリをして答申案や法案にこっそりと重要な条項を盛り込んでしまう「骨抜き」ならぬ「骨入れ」をするしたたかさを見せます◆脂汗を額に浮かべながら抵抗勢力や野党、マスコミの執拗な攻撃に耐える竹中さんの様子をテレビで見ながら、私は「竹中さん大丈夫だろうか」とハラハラして見ていたのですが、その陰でこのようなしたたかさがあったとは知りませんでした。
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当事者の証言だから自分が正しいとしか言わないのは当然だが、不良債権や郵政民営化といったやるといったことをやり遂げたことは確か。そこから逆算して読み直すと、当時のメディアの情報がいかに歪んでいたかに思い至り、これではまともな判断などやりようがないと暗澹たる思いがする。自分の間違いを認めないことにかけては、官僚以上ではないか。
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意外と的確に手を打っていたんだなと言うのが最初の感想。そして、ローゼン麻生と塩爺が意外と老獪な政治観だと言うことがわかります。
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政策決定の過程が赤裸々に書かれていて、非常におもしろい。これを読むと、政策の中身はともかく、小泉純一郎という人物がまれに見るリーダーシップの持ち主であったことがわかる。
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ついに大学生になりました。
竹中さんの講演を聞いたことがありますが、この本からもわかる通り、非常に情熱的な方です。大事なのは“passion”だとおっしゃっていました。
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経済財政諮問会議がうまく機能していた時期の内幕を描いた本である。
表に出た割に仕事が出来なかった「チーム安倍」と違い、裏の実行部隊「チーム竹中」は実質的に構造改革・経済成長路線のシナリオを練り(官僚の裁量を許さないように「戦略は細部に宿る」と法案の文面まで細かく吟味し)、それを経済財政諮問会議が承認することで、改革エンジンの役割を果たしてきた。不良債権処理の金融改革や郵政民営化も、その新たな改革エンジンによって正面突破することができたのだ。なぜ他の政治家は同じことができないのか。
国レベルで公務員改革と公会計改革が成されるとともに、地方分権(税源移譲を含む)の上で地域格差の解決策や地方政府の構造改革が図られるべきであろう。
あと改造内閣は安倍首相の出身派閥清和会の厚労利権にどこまで切り込めるか。外添大臣に期待。
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また竹中本です。
この本で知った言葉。
無謬性
英語のがわかりやすい。
infallibility. ですね。
官僚を象徴した言葉だと思うが、これって、日本の会社にも言えるのでは。
世界的にも非常に奇妙な問題です。 なのでグローバルで論じられる「リーダー」とは違った特殊能力を持った人で無いと、この国では改革は成功しないのではないのかなあ。
この本だけ読むと興奮する。一方で竹中氏の客観的な評価を見たいが、ほとんどが極端すぎて比べれられない。
まあいいか。
それにしても、小泉さん以降の混迷がコレを読むと自ずとわかります。
ここまで改革したら、その後のオペレーションはもっと変人がリーダーとならないとまわらんでしょう。
「小泉以前」の体制に引き戻す力が猛烈に働き、今の政局混乱を招いているように思う。
infallibility.
くだらん。。
あと一冊。。どうしよっかな。
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小泉政権下で経済・財政・郵政の構造改革の全権を委任され、改革を推し進めた竹中平蔵さんの回顧録。
あのとき、あの裏側で行われていた策謀、政争について赤裸々に描かれている。
改革の最終評価については歴史が語るとして、大きな改革を推し進めようとすると、超人的な意志をもった孤高のリーダが必要なんだな・・・と感じた。
こういう本は、後年の歴史教科書の資料集に一部掲載されたりするだろうな。
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この本は、恐らく、3年後くらいに、もう一度読んでみたくなるであろう、そして、そのときの竹中氏の主張と比較してみたくなる。ぶれているのであろうか、一貫しているのであろうか、興味深い。内容はとてもリアルで、読み応えがある。非常に感銘を受けた。しかし、登場人物の描写があまりにも二元的で気持ちが悪い。中川氏の描写があまりにも「善」で、与謝野氏の描写があまりにも「悪」で、おいおい、そこまで人間は極端にラベル付けできないだろうと思ってしまう。そのぶんマイナスだが、それを除けば、おすすめの本。
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竹中平蔵って、ひ弱なイメージがあったけど、そのイメージは完全に覆される。この本に登場するのは理不尽な要求を繰り出す抵抗勢力に対して、ねばり強く交渉をし、信じた政策の実現に汗をかく、強い男だ。
不良債権処理、郵政民営化、経済財政諮問会議と大臣在任中の5年半の間に現れた高いハードル。それらの解決に学者と政治家、それぞれの視点を適切に使い分けるバランス感覚は、さすが。そして、せっぱ詰まったときの伝家の宝刀「小泉総理の一言」。
正直、自身と小泉総理を美化しすぎている気もするけど、政策決定のプロセスはドラマチックで読み応えがある。やはり、小泉政治劇場はおもしろかった。
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金融日記で紹介されていた本。
選挙も近いということで、小泉政権の功罪を改めて考えてみるべく読んでみた。
?不良債権処理と?郵政民営化を達成するための攻防戦が詳細に描かされている。
この二点については、特に異論もないし、業績と考えていいのではないかと思う。
もっとも、竹中氏らしく、郵政民営化の利点に関して、建前的な健全性の議論、法制度としての正しさ、という点のみが記述されている。
私としては、もっと本音の部分に踏み込んでメリット・デメリットを記述してほしい。
この本を読んだ後、小泉政権の功罪を考えるには、規制緩和委員会に関する文献も当たってみなければならないということに気づいた。
というのも、竹中氏が政権でおもに担当したのは、上記2点である。今むしろ問題になっている、貧富の格差の拡大の原因ともなったとされる大幅な規制緩和に関しては、竹中氏が直接担当したわけではなく、オリックスの宮内氏をはじめとする規制緩和委員会である。
小泉政権では、竹中チームと規制緩和委員会の両輪で政策が作られていたから、竹中氏の著作だけでは、網羅性を欠くのである。
ってなわけで、今度は規制緩和に関する文献を読んでみようと思う。そういう著作って宮内氏や、それに連なる村上ファンドとか六本木社長などの魑魅魍魎が出てくるから、きっと面白いはずだ。
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竹中氏の視点で小泉改革が語られている。
どうやら本当に日誌をつけていたようで、何月何日に何があったとか、かなり細部まで書かれている。
竹中チームの一員だった高橋洋一氏の同じテーマの本も読んでいるんだけど、かぶる内容がほとんどで、チームとして意思疎通できていたのがよく分かる。
あくまでも竹中氏の価値観で書かれているので、氏が嫌いな人は読んでもムカつくだけだろう。
しかし氏の考え方に賛成できるなら、「抵抗勢力」と呼ばれた族議員や官僚との戦いは、下手な小説よりもハラハラドキドキ楽しく読めるだろう。
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「日誌」というタイトルになっていますが、竹中氏が付けていたという日々のメモを元にして大臣時代の舞台裏を再構成した著作になっています。
あらためて、竹中氏は確かな伝える技術を持っていると感じさせます。郵政総選挙のときには、世の中郵政民営化だけが問題ではなかろうに、という感想を持って眺めていたのですが、読んでいると民営化に入れるしかないよな、と思わされてしまします。
大手マスコミの不見識に対する批判も辛辣で(ずいぶんとたたかれましたしね)、大物政治家の利益誘導型の行動には軽蔑の色を隠していません。ただ、名指しの批判をしていないのは、竹中さん自身の矜持なのか弁護士のアドバイスなのか。一方、官僚に対しては、無謬性の問題を強く批判するものの、その能力と役割には期待している感がありますね。
小泉政権の5年間という面白い素材を、当事者がうまく料理して見せてくれたという感じがします。全て竹中さんの言うことが正しいのか判断することはできないのですが、その実行力と強い志は全く尊敬に値するところです、というのが感想です。
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竹中平蔵の小泉政権下での出来事と考えを時系列で紹介。小泉元首相を心から尊敬しているさまが伝わる。書いてある事は妥当で、論理的で、この通りになればよいのにと思う事がほとんど。改めて政治家や官僚には失望する。利権ががんじがらめになって、日本のためになるような判断はできないのだろうから、政府は必要最小限でいい。小さな政府をやはり自分は求めている。
冒頭の『民主主義社会において、すべての経済政策は民主主義の「政治プロセス」において決定される』という言葉が深かった。