紙の本
もう一歩
2017/11/30 13:32
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投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一つの完結した話だとすると、ちょっと動きがなさすぎるかも…。
劇的な展開はこの話には必要ないけど、もっと感情面に動きがあると引き込まれるんじゃないかな、と惜しく思いました。
後半は実成視点にしたほうが面白く読めたのではないでしょうか。
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デビュー作なのですかね。
季節感のある植物の描写とかが良いなぁと思いました。
自然公園のお話もそうだけど、二人の高校時代の桜の花びらとかモミジとか。
赤城さんが小椋くんにした行いは本当にヒドイと思うので、
これからは本当に心の底からやさしくしてあげてほしい。
いまだに自分に部屋に入れないなんて、本当につらい。
というわけで、赤城さんが小椋くんをとことんまで優しく扱ってる
感じの続編希望です。
あとがきに、「BL」の文字が並び過ぎてて、
その情熱にちょっと笑いました。
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初読み作家さん。
ホリーさんからのデビューということで、期待大で読みましたが、中々に面白かったです。
構成自体があまりBLでは見ないというか、諸刃の剣というか、これ良く通ったよね……というくらい、BかLしてません。
物語を要約すると、手ひどく傷つけた初恋の彼に偶然再会した男の果てしない贖罪への道、という感じです。
いやもう、これ以上に表現のしようがないくらいに、そのまんま。
攻はクラスにひとりはいる何でも出来ちゃうマン。
高校時代、そんな攻に憧れて告白してきた受と付き合うことになったけど、初めてのセックスで失敗して恥をかいた攻が、手ひどく受を振ってからの転落劇。
この事件をきっかけに、全てが上手くいかなくなった攻が、仕事の企画で偶然受と再会し、あの時のことを謝りたいと思うものの、受の心は固く閉ざされていて……。
しかも自分は昔の憧れの男の面影すらも失った、ただの草臥れサラリーマンになってました、と。
里山で繰り広げられる、ヘタレアホ攻と、すっかりたくましくなった不憫健気受の繰り広げる壮大な追いかけっこです。
ただし、攻→→→→→→→…………(遮断)|||受。
高校時代編があまりに切なく、読むのも苦しいくらいの受への仕打ち。
こんな不憫健気ちゃんになんてことしてくれるんだ、このろくでなし!!
からの、攻ざまぁ(笑) は読んでいていっそ小気味良いほど。私大好きなんです、手ひどい扱いをした受から反撃くらう攻の話。
そういった意味では、過去類を見ないほどに攻が散々な目に遭ってます。しかも終盤も終盤、むしろラストまで。
受があまりに頑ななんですが、そうなっちゃうよね、と思ってしまうほど、この攻がろくでなしな上、優柔不断で情けなくてもうどうしようもないです。
そんな攻に対して、カケラほどに残っている情を全て注いでしまう受の優しさがまた切ない……。
この受、ガチ不憫健気です。ツンデレでコーティングしてるけど、中身は純粋100%の健気成分で出来上がってる。
ダメ男になりはてた攻を、ため息をつきながらも見守る姿には涙します。あんな目にあったのに、まだこんな男が良いのかよ、もっと他にいい男いるよ、と思うんですが、コイツがいいんでしょうね……。
ほぼ攻視点で話が進むので、ひたすらじれったくイライラするんですが、そこここに散りばめられたエピーソードが良い感じに作品に色を付けていて楽しく読了。
里山体験にかなり比重を置いているので、ん?これBL? という疑問がふっと沸いたのですが、たまにはこういう話もいいかと思いました。
文章が瑞々しく、田舎の風景の描写が凄いです。
むしろ作者が書きたかったのはこれですか、と言いたくなるほど。
桃色シーンは手酷い失敗初エッチだけというとんでも具合な上、おれたちの戦いはこれからだ! みたいなノリでの締めという、まさかの構成に仰け反りましたが、個人的には楽しく読めたので問題なし。
出来ることならもう1冊出して、ちゃんと仲良くなったふたり編を読みたいところです。
攻に魅力はゼロですが、受の魅力が半端ない。
バ��ンスは悪いですが、今後に期待したいキラキラを秘めてるお話でした。
挿絵が良い仕事してます。