紙の本
沖縄の画家
2015/08/22 10:04
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投稿者:マッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
終戦直後の沖縄にこのような画家たちが住んでいようとは、あまり知られていないのでは。小説には違いないのですが、原田マハさんらしい美術の知識と尊敬のまなざしが垣間見えて、引き込まれました。一度はこれらの作品を鑑賞してみたい。
紙の本
するめ小説の誕生
2014/06/15 02:46
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投稿者:RYOUOU - この投稿者のレビュー一覧を見る
読めば、読むほどに味わいが出てくる小説です。
151回直木賞受賞してもおかしくは無いと思いますよ。
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終戦直後の沖縄で、米軍基地の精神科医が実際に体験したニシムイ美術村の芸術家たちとの交流を元に書かれた作品。
いろいろ複雑な背景があり、なおかつ実話がベースということもあって難しかったのかもしれないが、正直言って、上っ面だけの浅い物語で終わってしまったなというのが率直な感想。
戦争があり沖縄があり米軍があって芸術があったなら、もっと深く描き込めたのではないか、そうするべきだったのではないかと思わずにいられない。
心温まる交流、それそのものはいいとして、その裏に見え隠れする現実こそを思い切って描いて欲しかった。沖縄を描く小説ならば。
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第二次世界大戦後、精神科医として沖縄の米軍基地に赴任した青年医師と、アートビレッジに住む沖縄人画家たちとの交流を描いた物語。
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みんなが言っていることだが、原田氏の美術モノは熱くていいわ。彼女の語りだけでどんな絵なんだろうってスゴく引き込まれる。
それに加えて今回はアメリカ人医師と沖縄人との交流があってちょっと胸が熱くなります。実際よりはある程度盛ってあるとは思うけど、戦後、このような交流があったというだけでうれしくなれます。
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『楽園のカンヴァス』で気に入ったので、『ジヴェルニーの食卓』も読み、こちらも手にとったのだが…残念ながら★3未満という気持ち。
実在した沖縄人の美術家たちと、基地嘱託の軍医との交流に取材したものであるらしいが、事実に忠実であろうとするせいか、現存するモデルたちへの配慮が行き過ぎたせいなのか、窮屈に描いているような気がする。
正直言って、さほど表現力が高くなく改行も多いラノベのような読み応えであれば、構成で魅せるしかないのだが、本作はあまり大がかりな仕掛けもなく、終戦すぐの沖縄人の苦慮というのも、どこか見聞きしたことがある紋切り型のエピソードで終わっている。そこが惜しい。
タイトルが洒落ていたのだが、ラストのたったあれだけの意味のためにと分かって、拍子抜けした。もっと、こう、イデオロギー的な深い意味あいが含まれていると期待したのだが。
戦時中も何不自由ない暮らしぶりだった、裕福な階級のおぼっちゃまのエリートが、やさぐれた日本人画家と友好を深める必然性があまり感じられないような気がした。題材としては希少性があるのだけれども、沖縄人の苦しみを興味本位で軽く味つけしただけという感じ。
マティスかなにかの絵について語る時は筆が冴えていたけれど、沖縄人画家の絵についての描写はさっぱり。著者はこの絵にあまり思い入れがないような。
主人公を米人でなく、日本人側からの視点で描いた方が良かったのではなかろうか。文化のバックボーンが違い、性別も違う存在を描く違和感があって、出てくる男がファンタジー小説の少年としか思えなかった。
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内容紹介
サンフランシスコにある医院のオフィスで、老精神科医は、壁に掛けられた穏やかな海の絵を見ながら、光と情熱にあふれた彼らとの美しき日々を懐かしく思い出していた……。
結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エド・ウィルソン。
幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる心優しき男の赴任地での唯一の楽しみは、父にねだって赴任地に送ってもらった真っ赤なポンティアックを操り、同僚の友人たちと荒廃の地をドライブすること。
だが、ある日、エドは「美術の楽園」とでも言うべき、不思議な場所へと辿り着く。
そこで出会ったのは、セザンヌや、ゴーギャンのごとく、誇り高い沖縄の若き画家たちであった。
「互いに、巡り合うとは夢にも思っていなかった」その出会いは、彼らの運命を大きく変えていく。
太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた二枚の肖像画を巡る感動の物語。
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むせかえるような濃い緑と透き通った水色から濃紺へのグラデーションが美しい海。そして、じりじりと照りつく太陽と自分の身体との境界を曖昧にするような湿度。
架けられている絵を見たわけでもないのに、そんな空気を感じられる作品。
戦争直後の沖縄にやってきた若い軍医と、貧しくとも逞しく、プライドを持って生きる画家たちの交流。
読みやすいのに、とても心に響いてくる。
沖縄未経験の私ですが、この実話を基にした作品の舞台になっているニシムイ美術村、ぜひ行ってみたい。
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アメリカ占領下にあった時代の沖縄が舞台。
ニシムイと呼ばれる美術村を訪れたアメリカの医師・ウィルと、若い画家たちとの交遊。
「ニシムイ」と検索して出てきたそばが美味そうで美味そうで。沖縄に行ける日が来るだろうか。
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戦後,沖縄というキーワードから,もっとゴツい中身を勝手に想像していたので,さーっと読み終えてしまって少し拍子抜けした。そういえば焦点はそこじゃなかった。
他の方も書かれているように,タイトルと内容がつながるところで胸が熱くなった。
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また、絵の具の匂いを感じた。
『楽園のカンヴァス』の時のような、
むせかえるほど強力な絵の具のみの匂いではない。
太陽や吹き抜ける風、
ほんの少しの潮の香りと生活などの匂いに混じり
画家たちの描きたいエネルギーに圧倒され
少々薄まったような、でも存在感のある匂い。
戦後まもなくのアメリカ統治下にある沖縄での
アメリカの軍医と沖縄ニシムイの画家たちのお話。
読んでからこの表紙と裏表紙の自画像を見返しました。
目が、いいですね。何かを訴えてくるようなまなざしが。
この絵を大切に保管されていた博士と
この絵たちに注目して私たちに物語と一緒に
届けてくれたマハさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
『太陽の棘』の表現、素敵でした。
また泣かされてしまいました。
まだ一度も行っていない沖縄。
逞しく何度も何度も立ち上がり、
生き抜いて今につないでくれた人々。
そして今を生き抜いている人々に
いつか会いに行きたいと思わせる一冊です。
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サンフランシスコにある医院のオフィスで、老精神科医は、壁に掛けられた穏やかな海の絵を見ながら、光と情熱にあふれた彼らとの美しき日々を懐かしく思い出していた……。
結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エド・ウィルソン。
幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる心優しき男の赴任地での唯一の楽しみは、父にねだって赴任地に送ってもらった真っ赤なポンティアックを操り、同僚の友人たちと荒廃の地をドライブすること。
だが、ある日、エドは「美術の楽園」とでも言うべき、不思議な場所へと辿り着く。
そこで出会ったのは、セザンヌや、ゴーギャンのごとく、誇り高い沖縄の若き画家たちであった。
「互いに、巡り合うとは夢にも思っていなかった」その出会いは、彼らの運命を大きく変えていく。
太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた二枚の肖像画を巡る感動の物語。
内容(「BOOK」データベースより)
私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―。終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。
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第二次世界大戦後
医科大学院卒業間近の
精神科医 エド・ウィルソンは
沖縄アメリカリック軍の
従軍意図して徴用され沖縄に赴任
島をドライブしているときに
偶然行き着いた
「ニムシイ」と呼ばれる
画家たちが暮らす集落
絵が好きな江戸は
絵に魅かれ
画家のタイラたちとの
交流を深めていく
アメリカと沖縄
勝者と敗者
医者と画家
戦争がなければ
会うことがなかったはず
絵を通した不思議な出会い
モデルがあるらしい
戦後、沖縄の情景、勝敗が
浮かんでくるような物語
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アートと本土を嫌う沖縄人の要因など、いろんな事も
小さく沢山感じられた作品だった。
読み終わった後、すぐ導入部分を読みかえしてしまった。
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沖縄が、日本ではなかった戦後の時代
芸術家が作ったニシムイ(北の村)と
そこに偶然訪れ、
自らの大切な時間・ものを得ることになった
若きアメリカ軍の軍医のお話で
名前は少し変えていますが、
事実を元にしているそうです。
奇跡の偶然というのか、運命であったのか
軍医と画家たちとの出会いは必然ではなかったかと思う
戦後の沖縄に在住するアメリカ人と
日本に見捨てられたような沖縄人の姿が
現実であるからこそ、つらかった
そして、画家たちの熱い熱い芸術への思いが
まぶしく、切なかった
淡々と書かれている小説だからこその感動
すごく、すごく、好きになりました
絵が好きで、好きで、どうしようもなく好きで
生きるために、ただ描いていた。
ただ描くために生きていた。
がむしゃらに、ひたむきで、格好わるくて、美しい
ニシムイの画家たち