紙の本
疾走感が凄い
2022/12/29 19:27
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
新宿鮫シリーズ第4弾。直木賞受賞作です。今までの新宿鮫シリーズで一番分厚いです。でも一気に読めました。なぜなら物語を推進していく疾走感が凄いからです。そのスピード感に乗って一気に読めるのです。傑作です。
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はまり小説の第四段!直木賞受賞作と前評判があったため、期待のハードルをちょっと上げ過ぎたかも?時代を感じさせない、旬な話題が取り上げられています。
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2015/12/11。新宿鮫シリーズ第4弾。いろんなキャストがそれぞれの利害や思惑で動き、誰がどうなるのかとどんどんストーリーに引き込まれた。なんと言っても、晶が鮫島が追う事件に巻き込まれどうなるかとハラハラした。強気の晶は期待を裏切ら無かった。スピード感のあるストーリーで最後まで楽しめた。
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覚せい剤を主題にして、ニンゲンの複雑な想いを
描き切る。
香川進が 自ら販売するアイスキャンディで、
崩壊していく過程の描写がじつにリアリティがある。
覚せい剤を100kg入手した 香川兄弟。
地方を牛耳る香川財閥のボスの腹違いの類系。
反発しながらも、その権力を活用する。
香川昇は、香川財閥のボスの娘 景子に秘めた想いがあった。
しかし、なぜ 覚せい剤 を扱おうとしたのかの動機となる。
景子つながりで、香川兄弟は 藤野組の新進 角に
アイスキャンディを 実勢価格より安値で おろす。
そのことで、若者たちに 急速にひろがる。
確かに、覚せい剤は ただで手に入れた。
精製過程だけの経費で済む。
それを追いかける新宿署防犯課刑事 鮫島。
晶は やっと CDをだしたばかり,
売れているとは言えないが、プロの自覚が。
そして、昔のバンド仲間 耕二にあうことに、
耕二は、景子のK&Kというクラブの店長で、ペットだった。
そのことが、事件に広がりを与える。
鮫島の晶に対する 想いが語られる。
そして、晶は 鮫島を信頼する。
香川進と角との関係が、いつの間にか
逆転する。それは、進の盲目の恋心だった。
物語としては、かなり完成された形となっている。
鮫島の ポジション、そして 桃井の存在。
麻薬取締官と警察との 軋轢と不具合。
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J様後追い第4弾
途中から一気読みでした。
最終的に大本の動機がそれかよという感じはあったものの、まあ人が何かしてしまう理由なんてそのあたりかもなぁとも思ったり。
それ以上に取引の方法がすっごく考えられていたり、我慢強い捜査方法とか、鮫島は確かに顔知られてるはずだよなぁというのがちゃんと描かれているのが、ほんとに信憑性があって楽しめました。
こんなにシリーズごとに前作を上回るとは。
びっくりしたけど、本作直木賞受賞したのですね。なるほど。
しかし、国前、平瀬、石渡の友人関係てなんだったのか。。むなしい。
あ、あと桃井課長、やっぱりカッコいい!
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新宿鮫シリーズの、第4作。1994年。
直木賞を受賞した作品で、シリーズ最高傑作、という人も多い1冊。
今回の敵は、
「東北の巨大財閥の兄弟が、覚せい剤の販売をしている。
それを卸して貰って捌いている暴力団」
という設定。
ただ、主人公にも読者にも、「覚せい剤を作って卸している大元」はなかなか分からない仕掛け。
だいたい、新宿鮫シリーズの特徴なのですが、読者、次いで、主人公に、仕掛けが全て分かるまで、つまり前半の方が面白い。
後半は、もうちょっと具体的に、つまり個人個人のアクションとか死の危険といった、
「まあまあ、そりゃさ、ゆっくりあわてなければいずれは悪者は捕まるよね」
というレベルのスリルとサスペンスで引っ張られて行きます。
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あと、やはりこのシリーズの特色は「けれん」ですね。
「無間人形」の犯人たちも、一体全体どういう動機で全てが転がり始めたのだか、よくよく考えるとよくわかんない(笑)。
なんだけど、自滅的に麻薬仕事にのめり込んでいくエリート、従姉妹の美女との運命的?な恋愛と失恋の過去、などなどの「けれん」で、なんだか読めてしまう。
(無論、その「けれん」がどっちらけで、読むに値しない、という読者もいらっしゃると思います。それはそれで、人の好みですね。僕はけっこう...ストライクゾーンが広くて楽しめます(笑))
それから、後半の怒涛のアクションと解決が、かなりご都合感があったとしても。
このシリーズが読めてしまう理由の一つとして思うのは、「犯人の側の魅力」ですね。
この辺は、「刑事コロンボ」も「メグレ警視」もそうだと思いますが。
例えば「無間人形」だと、色と欲と恐怖と不安に溺れ死んでいく、財閥の弟くん。
財閥の弟くんに良いように振り回されながら、虎視眈々と逆転を狙って牙を剥く、ヤクザ。
などなど、の、犯罪に加害者として参加してしまう、ヒトの弱さというか、「わかっちゃいるけどやめられない」的な事情と感情。
これがなかなか、滋味深く読ませます。
それから「無間人形」では、主人公の恋人さんが、「主人公の恋人だから」という理由で危険にあって、暴力にさらされるという事件への絡み方をします。
これはこれで、こういったシリーズの場合、「2度も3度もその手を使うと、さすがにドッチラケ」というカードだと思うのです。
でも、恋人さん(インディーズのロック歌手、という設定)の設定を活かして、「地方でくすぶってるかつてのバンド仲間」が、「ヤンキー仲間と犯罪者になっていく」という、それはそれでなんとも哀愁ただよう人間ドラマを作れています。そのあたり、上手いですね。
相変わらず、前半の作りが圧倒的。
覚せい剤犯罪の全貌が見えてくるまでの、霧の中をてさぐりで進むサスペンスは極上でした。
(後半終盤のかなりなご都合性も、いつも通りではあるんですが、ま、それを批判するくらいなら、読まない方が良いのでしょうね)
そして、「踊る大捜査線」や「横山秀夫の世界」と並び、「キャリア、ノンキャリの警察社会」を取り込むことで、「リアリズム係数」を上げているシリーズなのですが、
「無間人形」では「麻薬取締官」という、厚生省管轄の仲間と言うかライバルというか、を描くことで、またまたそのあたりの「リアルっぽさ」を稼いでいますね。
そして、前半のサスペンス、後半のややご都合なたたみかける解決、リアリズムっぽい周辺の描き方...
それらが相まって、「確実にスッキリ、サスペンスとカタルシスを味わえる、安定ヒーローものの小説物語」を作れてるんですねえ。
批判したり限界を指摘するのも簡単ですが、意外にこれ、難しい。
そして、僕もそうですけど、多くの男性読者に需要はあるんですねえ。
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新宿鮫の4巻。
前巻があまり好みで無かった為、期待せずに読んだのだが、この巻ホントに面白かった~!
鮫島がキレキレでカッコいいのはいつもの事だが、ラスト近くになって、香川昇に感情移入してしまった。
愛していた女と一緒になれなかった事への絶望や、たった一人の弟を亡くした喪失感。ワルをやるには、優し過ぎる。
桃井のフォローもいつも通り頼もしい。
麻薬取締官、塔下、石渡もなかなか優秀。
真壁が出所してきたら、ますます面白くなるだろうな。
次巻も楽しみ!
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若者たちの間で流行っている薬「アイスキャンディ」。
錠剤を口にすると、すっと頭が冷静になり、感覚が鋭敏になる。そして何よりも安い。
今までになく手軽でお洒落な覚せい剤の出どころを追う鮫島。
そして鮫島とぶつかる麻薬取締官事務所。
取引の主導権を巡って争う「アイスキャンディ」の卸元と、東京の暴力団。
地方の財閥一族の愛憎。
そして鮫島の恋人・晶の運命。
いくつもの物語が平行して動き出す。
徐々に終焉に向かって収束していく後半は、とにかく続きが気になって、本を置くことができない。
妨害されようと、時間が足りなかろうと、とにかく一歩一歩確実に犯人たちを追いつめていく鮫島。
しかし事態は一歩一歩では追い付けないくらいの急転直下を迎えるのである。何度も。
それでもあきらめない鮫島の姿を読むのは、とてもスリリングで楽しい。
物語の構成も素晴らしいと思う。
ただ、地方財閥の香川一族が…。
こわいもの知らずのやんちゃな次男という仮面の下は、自分に甘く自己中心的な進。
頭が切れて冷静な長男という仮面の下は、若い頃の心の痛手が消えることなく、屈折した愛情を抱えたまま破滅していく昇。
いやこれ、20代ならまだしも、いい大人がこのメンタルはダメだろう。
しかも、思い通りにことを進められるだけの権力を持っているときたら、それは社会の迷惑でしかない。
癒えることのない心の傷を抱えているからと言って、不特定多数の若者に覚せい剤を売ったり、他人の人生を踏みにじったり、家名に泥を塗ったり、何も知らない家族を醜聞に巻きこんだりする権利はない。
自分だけが悲劇の主人公のつもりなのか、いい年をして。
本気で読んでいたから本気で腹が立つ、彼らに。
メインストーリーがいいだけに余計。
それほどに面白かったということなのだけど。
香川一族、嫌いだな。破滅するなら一人でして、って感じ。
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どうなるんだろうと続きが気になって、厚さのわりにするする読めた。直木賞を受賞したあったからどれだけ面白いのかなと思ったけれど、シリーズの中で1番面白いといかそうゆうことはなかった。
相変らず、犯人側の背景が少し足りない気がする。
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二日で読了。やっぱり新宿鮫は面白い!
誰かが誰かのためにという感情が交差した話。
鮫島のカッコよさをもうちょっとクローズアップしてくれたら、もっと気持ちが良かった。
シリーズ全作、再読を決意。
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3.8
新宿鮫シリーズ第四弾。
その手軽さから、若者の間に静かに浸透して行く新種のシャブ・キャンディ。
その販売ルートに、今までに無い違和感を感じた鮫島は、売人の容疑者を泳がせネタ元を辿ろうとする。
一方、ライブツアーに出た晶は、昔のバンド仲間・耕二の元に身を寄せるが、何とその土地はキャンディのネタ元・香川兄弟の一族が警察機構から政治家までを支配する帝国だった。
鮫島が最も恐れていていた晶に伸びる魔の手。
麻薬取締官との激しい争いも絡み絶対絶命の状況に。
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2019/5/31読了。作者直木賞受賞作のシリーズ4作目の
濃厚ハードボイルド小説。エンタメ性としては、なかなか
よく出来ていると思うが、それ故に背景の世界のリアリティに満腹感があった。
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キャリア警察官出身の鮫島警部が所轄署の刑事になっていて、 そんなことは異例だから、警察内部機構の矛盾をついて いろいろぶつかりながら、事件を解決していくストーリーがおもしろい
この作品で直木賞を受賞というより、 これまでのシリーズ全体に受賞という感じ
ま、その後の10巻に及ぶ作品群もおもしろいらしいから
(夫が先に全巻読んでの感想で) 大沢氏、このシリーズ作品が大力作というわけである
作品の手に汗握る事件を追うのも楽しいが、 やはり展開の中にはさまれるフレーズにハッとする、 それが作家の妙味
たとえば次のような、鮫島(主人公の刑事)が、新しいバンドでプロのボーカルになっている恋人、晶に
「なぜ前のバンドチームが壊れたのか」
って聞く会話場面
それに答える晶
「よくある奴。みんなプロをめざしてたんだけど、
それはとりあえずのプロって奴で、なってからのこと何も考えてなかった。
で、プロの口がちょっとかかったとたんに、バラバラなこといいだした。
要はバンドがプロになることよりも、ひとりひとりがプロになることしか思ってなかったんだ、でも、向こうはさ、最初はバンドとして見てるじゃない。全体でどうかって、具合で。
だけど、口がかかると浮き足立っちゃって、自分から別のレコード会社へ、ソロ売りこみいったり、へんにプロダクションに相談したり、 足並みがてんでばらばらになっちゃった。それで一同、話し合ったら、 結局、プロになってからやろうと思ってることが、全員まるでちがうってことがわかってさ」
「なんだかもったいないような話だな」
「それでもとりあえずやってみようかってときもある。
プロになって、バンドとして何年かは我慢しようかって、
でも、そんときのメンバーは皆、我慢できる連中じゃなかった」
ちょうど、スマップの解散騒ぎがマスコミで沸騰、バンド組むのもグループで歌うのも同様のわけがあり
「なるほどなー」と思って読んでいた次第
この作品は1994年が初版
すこしも古びていない、というか
集団があれば、結束もあり離散もあるってこと
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シリーズの中で一番プロットは練られているし、多彩な人物が登場する。しかも直木賞受賞作。
が、様々な人間模様が交錯すのはいいが、あまりにも偶然やタイミングが重なりすぎているし、それぞれのドラマを深く描いているようで同じような描写が多く冗長に感じる。
それぞれのキャラの行動にも根本的に説得力がないため、ラストは十分に盛り上がるが読後感はやや物足りない。
他の作品のレベルが高いのでこちらの期待値が高すぎたのかもしれないし、根本的にこのヒロイン(描写)が好きになれないかもしれない。やたら若さと胸の大きさがだけが強調されていて、全く魅力が感じられない。
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新宿鮫シリーズ第4作。直木賞受賞作品。
新種の覚醒剤「アイスキャンディ」をめぐり、鮫島とマトリ、暴力団、財閥系の人間が複雑に絡み合う。
心理戦と暴力、それにおクスリの恐怖描写がよくできており、緊迫感と疾走感のある展開も相まって650ページ超の分厚い作品にもかかわらず1日で読了してしまった。良作。