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囲碁は全然わからないので、棋譜の話になるとサッパリ。
それでも雰囲気は味わえた(と思う)。
親に捨てられたと思っていたから、そこが慶吾の弱点でもあり他人を判断する際に利用しようとする。
臆病になっているけど、そこは他人に悟られたくはない。
香田くんはそこも含めて慶吾についてまわるところが可愛いというかいい奴というか。
香田くんのお陰でずっと気になっていたことを知ろうと思えたんだから、友人に恵まれたんだなぁ。
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幼い頃に母に捨てられ施設で育った慶吾。
一人でいることを望む彼に
人懐こく寄ってくる下級生の香田。
後半が少しまだるっこしい感じ。
【図書館・初読・7/15読了】
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乾ルカ作品初読み。
初読み作家が増えております(笑)
囲碁のことはよくわからないけれど捨てられた子供と捨ててしまった母親がお互いに相手と自身に赦しを与えるストーリー。
幸せでなければ赦し合うことなどできないのかもしれない。
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2014.7.15.三月半ば過ぎの寒い日、沖田慶吾の母親は五つばかりのパンを置いて出て行ったきり帰る日を一日過ぎても戻って来なかった。寒さとひもじさに我慢ならず、慶吾は寒い日によく撫でに行っていた犬の小屋にもぐりこみ、犬の餌を食べ老犬の暖かい毛の中で一晩を過ごした。翌日、その家の人に見つかり、児童相談所に連れていかれ、そのまま施設で育てられることになった。施設で18まで育ち、優秀なことから地元の信金に採用された慶吾だが、ずっと孤独な境遇のままだった。一人の風変わりな友人香田をのぞいては…。母はなぜ、自分を捨てたのか、いろいろなことを乗り越えるうちに、その疑問に真正面から向き合おうとする慶吾の成長の物語。
読み応えがある深い話だったことはたしかです。ストーリーとしては五つ星。でも、実際問題として慶吾にとってはよかったと思いますが、慶吾の母親は何がとうあっても許せないし、理解できない。なぜ、作者のこの母親の描き方はちょっと想像を超えていました。子供の18年は長いし、誰もが慶吾のようにかしこく内省できる子供とは限らない。それを導いてやるのが大人の責任ではないかと思いました。その点で三つ星。
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母親に捨てられた経験から、人を信じることができず、何事もネガティブな捉え方をする青年が、天真爛漫な友人と過ごすうちに少しずつ成長していく。碁石と写真のモノクロームがタイトルの由来。
主人公が引きずっていた突然捨てられた理由は、最後に明かされる。が、やはり母親の行動は安易な責任放棄にしか見えない。もう少し、母親の立場を掘り下げて描いて欲しかった。
作者の作品では、「夏光」と「四龍海城」がいい。
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母に捨てられた過去と囲碁。
囲碁を全く知らないせいか、囲碁描写だけではうまく感情の機微が読み取れず・・・
最後がありがちな感じで終わってしまったかな。
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母に捨てられた過去を持つ少年が、自分の生きる意味を模索する物語。囲碁がテーマになっているけれど、囲碁に関する知識がまったくなくともそれなりには読めます。でも知っていたらもっと味わえたのかな、という気も。棋譜を見てもどっちが勝ったのかすら分からなかったので私。
何一つ苦しみを持たない人生などありえないのだけれど。自分の責任ではない不幸は、邪魔なハンデにしか思えないだろうことも確か。それでもすべてのことに意味があるのだと考えることは、前向きに生きることに繋がるのでしょうね。苦しみにも意味がある、と、思えるようになることが成長なのかも。
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お母さんに捨てられた子供が成長するストーリー。でも、なぜお母さんが捨てるに至ったかを考えると、ちょっと凄い。このお母さん視点での話しも読みたくなる。
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囲碁には知的でクールな印象を持っていたが、それに加え、碁石の冷たい手触りや碁盤に打たれたときのコツという音にモノクロームの色彩などなど、囲碁にまつわるイメージが孤独な主人公の心象をうまく象徴していて、カチンとしたものが心に残る。施設の園長先生や好意を抱いてくれる職場の女性との関係では、素直になれない頑なな主人公だが、一歳年下の友人の存在が心を開いてくれる。一番主人公の心に引っかかっているお母さんが幼い主人公を捨てた経緯については、おそらく書きだした時点での作者の意図通りにはいかなかったように思え、少し残念。
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冬の日に、母親に見捨てられた少年。彼は、施設で暖かく見守られて育ちながらも、そのわだかまりの記憶を胸中に抱え続けていた。やがて彼は信頼できる友達と出会い、ゆっくりと一歩ずつ前に踏み出していき、過去の自分、そして母親の真実と向き合う覚悟を抱いていく、とう物語。
囲碁を話のキーとしてはいても、物語の重心は息子と母親の間の葛藤。
一人称で訥々と繰り返される主人公である彼の独白は、きりきりと痛ましいのだけれど、少しばかり、重すぎるように感じました。敵が周りにいるのではなく、自分が高い壁を作っているというのは、彼の境遇を思えば理解はできるのですが…。
エピソードほとんどが「壁を作る」「自覚する」「内省する」の繰り返しばかりなので、少し辛く思いながら読んでいました。コーラの話は少しホラー化と思いました…作者的に。
それでもユニークな友人の力添えもあって何とか踏み出していき、ようやく、ほっとしたものでけしてした。
終盤にきっぱり別れを選択した母子の姿は痛ましいし、母親はやはり身勝手だと感じてやみません。あの対局時に集中力を乱した理由、というのを考えると、「優先するもの」が違っていただけということになるのでしょうが、その意識は、あまりにも、残酷だと思うのでした。
彼がこの別れ以降、真っ当に進んでくれることを思うばかりです。
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5歳の時に母親に捨てられた沖田慶吾。ゆいいつの友達、香田と、なぜ母は自分を捨てたのか真相を調べ始める。
囲碁と友達を通して、だんだん人間らしくなっていく。
一気読みでした。
2014年9月8日
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母に捨てられ施設で育った慶吾の孤独。ただ一人の友人香田の強引な明るさにも、なかなか心を開いていくことができない。もどかしく、切なく、ジリジリと心を煎られるような気持ちで、一気に読み終えてしまった。
「本の雑誌」で北上次郎さんが取り上げていた場面は、本当に素晴らしい。慶吾が、自分が施設育ちであることを香田に告げて、その反応を待ち受けるところだ。傷つくまいと心を固い鎧で覆っている慶吾が不憫で、また、あっけなくヒョイと壁を越えてくる香田がほんとにいいヤツで、何度も読み返したくなる。
そうなんだけど…。諸手を挙げて良かったーと言う気持ちにならないのはどうしてだろう。読み終わってしばし考え込んでしまった。たぶん私は、慶吾の母に引っかかっているのだと思う。その行動にどうしても納得がいかない。彼女が本当に慶吾を「捨てた」のだったら、わかる。そうでないならあまりに不自然じゃないだろうか。
彼女が再婚を告げる場面、また、慶吾の彼女北村さんが慶吾をなじる場面、あまりに残酷で、つらい。それだけ感情移入してしまったということだけど。
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囲碁に魅せられた母親に捨てられた少年の物語。とても繊細に生きているせいか自分を抑えている姿がもどかしい。会話一つでそこまで考えるのかというくらい考えてから発言するなど小説では成立するかもしれないが何だかテンポが良くない気が。面白さはあるのだが肝心の母親の状況と心情がよくわからずラストは共感しづらかった。
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え棋士を目指す話じゃないんだ、しかも暗いよとかツッコミながらもぐいぐい読ませるリーダビリティはなかなか、なかでも香田との友情シーン(ちとホモくさもあったが)は良かったです。
ただ母親の方がだな。
いやまこの母親が自分が母親になる資格がないと思ったかどうか知らんが慶吾を捨てるところまではまだいいんだよまだ、でも何の社会的制裁も受けずにその後結婚して幸せですってのが意味がわからない。
別に不幸になってればいいってもんじゃないとはいえだ、一人で暮らしてるならまだそれなりに納得できたのだけどなー。
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18歳になって独り立ちした男の子
囲碁に夢中(プロではない)のお母さんに捨てられて施設で育つ
ひとりだちして友情や恋や
お母さんとの確執をなんとかしていく
暗い話だった・・
どんなりゆうがあっても子供を虐待したらだめぜったいと思った。