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メソアメリカーメキシコ等を含む地域の歴史や文化について書かれている本。
本署の冒頭で、日本人には馴染みのない地域のためマヤとアステカ、アンデスの区別もつかない人も珍しくないと指摘されていたが、正に自分がそういう人物。とある本を読んでいて、そう感じたので読んでみた。
様々な専門家が、メソアメリカの歴史や文化について詳しく述べているが、詳細に過ぎてメソアメリカについて全く知識のない自分にとっては情報量が多過ぎた。
しかし、それでも興味のあるところを拾い読みすれば楽しめるし、興味を引かれる部分も多かった。
石器時代を極めた建築や彫刻。宗教観(神々の属性が分裂する。原初の神のケツァルコアトルが様々な属性の神に分裂すること。イザナギやカグツチのエピソードが思い出されて興味深い。また、地下の世界から豊穣が送られてくるという宇宙観)。スペインによる征服とその後の統治政策・・・等など。
馴染みの少ない地域に関する知識を入れると、自分がひとつの文化圏の中で染み付いた思考回路を持っていることを自覚させられる。頭の中で様々に世界を想像していけるように、絶えずこうしたジャンルは読みたい。自分の住んでいる文化から遠ければ遠いほどいいような気がする。
メソアメリカの文化が持つ独自性や日本との共通性を通して、色んな角度で見る目が少しだけ増えた。一通り見ると、自分はメソアメリカの宗教観や歴史に強く惹かれたので、今後メソアメリカの宗教や神話の本を見つけたら読んでみたい。