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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンナの思考だったり、人間関係には共感するものがあります。
実はTwitterでネタバレをわざわざ読んでしまったのですが、
そのツイートをされた方の解釈に興味を惹かれて読んでいます。
中古だったのですが、出版社によってこれくらい価格差が!?というものがありました。
アニメ化で色んな所から出ているので価格は読みやすさと同じくらい購入材料になるかと思います。
<読了・以下、ネタバレ有>
入り江から湿地屋敷がどうしてもビジュアル的に想像できなくて、
あとがきにあった地名をグーグルマップ検索してみようかと考えているところです。
大方予想通りの流れと、ラスト100Pほどでの片づけ方に少しポカーンでした。
う~ん、これは空想と現実が曖昧にできる読書体験のほうが
イメージを固定してしまう映像よりもいい作品なのでは?と思いました。
マーニー自身の行動の裏付けであったり、回収できていない伏線もあります。
それに、アンナの養母の人間性はもっと語ってほしかったです。
(この分のページ数は、結局のところ全く関係なかった「田舎の豚子ちゃん」に割きすぎてしまっている!)
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風景等の表現が美しいです。(なるほど、作者はイラストレーターでもあったのですね)
ふわりとした中に少しミステリアスな雰囲気?で引き込まれていきます。
最後に過去と現在がつながり、清算されて、夢のような淡い色の世界がくっきりと輪郭を持ち、晴れ晴れとした気持ちになりました。
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アンナという少女が病気療養で移った先でマーニーという少女と出会い、不思議な経験をする物語。最初からアンナが周りのこども、大人になじめず、なじめないことで感情をおもてに出さず誰に対しても「ふつうのかお」をしてやりすごすようになってしまう。そのあたりの描写はとてもやりきれない。
生活の場所を移してマーニーに出会ってからははじめて友達に出会えた喜びの描写にかわる。しかしその描写はどこか不自然で、マーニーが急に消えてしまったり、急にあらわれたりする。しまいにはマーニーとけんかのようなことになってしまう。
物語をとおしてアンナの孤立が描かれている。マーニーをはじめ、まわりの人とコミュニケーションがとれるようになっていく過程においても、それが幻のような、はかなく崩れ去ってしまうような印象を与える。
最後はマーニーがアンナのおばあさんだったことが明かされる。それが本当だとすると、アンナが同年代の少女としてのマーニーと出会い、唯一楽しいと思えた時間は幻だったのだろうか。
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ジブリの劇場版を見た後、原作にも触れてみる。
映画では舞台が日本に変更されたため、後半のナイスギミックがいくつか撤去されてしまったのが勿体無いなぁ~と思った。
「マーニー」というのが、実は愛称だということも原作を読まないと分からないし、映画だとさやかだけに凝縮されていた、アンナと実世界との触れ合いも、ひとつの家族を通じて細かく描かれている。
ということで、映画が気に入った方には、一読を超絶オススメします!
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映画鑑賞後に読了。マーニーの正体が、なんとなく府に落ちなかったから…というのは百合視点だからなのかもしれない。
映画を見終わった後も、原作を読んだ後も、なんとなく寂しさが拭えない。
だって結局マーニーは死んでしまったんですもの。
アンナが主役なのだから、アンナの気持ちの描写がメインなのはわかる。だから尚更マーニーの気持ちはどうだったのが、想像してしまうね。
「外側」か「内側」か、という世界の見方があって、アンナはずっと外側にいた。
マーニーは特別な女の子。結末を知ればそう、確かに特別な女の子だった。もともと内側の人だから、自然とアンナと仲良くなったんじゃないのかな?
リンジー一家も、ギリーも、マーニーという共通点で結ばれてる中の人たちだ。
物語ではサンドラや、元の学校の子たちとのその後の話は書かれていない。その人たちの"輪"を前にしたら、やっぱりアンナは外側の人間なのだろうか。ただ戻れる場所があるから、もはやそんな事を気にはしないと思うけど…。
こんな考えは捻くれてるのかしら。
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マーニーの悲しさ、寂しさ、アンナの苦しさ…そこから自分を取り戻していく心の過程がすごく丁寧で、映画ではつかみきれなかった「許す」ということが原作ではよく読み取れた。映画はこの原作の雰囲気や登場人物の個性を活かしているし、ホラー的なミステリアスな雰囲気は映画ならではだったように思う。映画も原作もすてきな作品。感動しました。
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好きなタイプの英米児童文学。アンナの孤独感と頑なさ、世界中から身を守ろうとするやり方の不器用さと傷の深さにひりひりする。だからこそ、ラストが優しく心穏やかになれる。
マーニーの正体はかなり早めに読めてしまうし、周囲の大人たちの優しさが分かってしまうのも、自分が大人になってからこの本を読んだからだろう。児童文学には、主人公と同年代の時にこそ読むべき名作があるが、この作品はそういう特徴が顕著な1冊だと思う。
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自分の知らない名作って、きっとたくさんあるんだろうなぁ、と思った一冊でした。
いわずもがな、アニメーション映画の原作となっている作品です。映画の方はまだ観ていないのですが、書店で特集的に陳列されていたので手に取りました。
新潮文庫や岩波児童文庫からも邦訳が出ているのですが、店頭で1ページ目を読み比べた印象と、女性が訳者の一人である(著者も主人公らも女性)という点で角川文庫版を選択しました。それがよかったのかどうかは読み比べていませんので分かりませんが、登場人物の感情の移ろいやそれを投影している自然(光・音・風...)の描写などが、普段私たちが使う言葉遣いでなされており、またとても優しく丁寧な印象を受けました。
作品のいわゆる「オチ」的なものは事前に知っていたのにも関わらず、これほどにじっくりと、かつ短期間で熱中して読んだ小説は久しぶりかもしれません。一文一文を無駄にしたくない、なにがそこに描かれているのか、各人物がそれぞれの場面でどんな気持ちでいるのか、強い関心を持って読み進めていくのは、まるで作品の中に溶け込んでいくような感覚でした。
境遇こそ違えど、誰もが主人公「アンナ」的な一面をもっているのではないかと思います。世界を“自分”と“それ以外”という二極で捉え、自分が“それ以外”にどう扱われているのか、どう思われているのかを強く意識すぎるあまり、結局は自分のことだけしか考えられていない...というのは、なんだか身に覚えがあるような気がします。
アンナを自分に置き換えながら、彼女を取り巻く人たちの優しさを感じていくうちに、現実世界での身の周りの人たちの優しさにもっと気がつけるようです。
ミステリーの要素も取り沙汰されがちですが、屈折した心がまっすぐになっていくその様に、そしてそれを見守ってくれ手を差し伸べてくれる人々に心を打たれる、純粋な作品です。
(まだ観ていませんが)映画のおかげでこの作品を知ることができてよかったなぁとしみじみ思います。
<引用>
「中」にいるとか「外」にいるって、不思議だなと思った。そばにだれかがいても、ときには「外」にいると感じていることを、今なら知っている。それは、自分の「中」の気持ちと関係しているんだ。
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児童文学という位置づけらしいんですが、大人でも十分読めますね。最後の締めくくりで、ほのかな感動につつまれた。まさか、マーニーが想像の産物だったなんて。実物かのような記述があったかと思うけど、よく考えたら、マーニーが急にいなくなったりなどのシーンもあったよね。
映画もみてみたいな。
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すべてが繋がっている。
霊とかじゃなくて何かの運命があって誰かと出会うこともあるんだ、福島県昭和村への旅のお供にに選んだ本がすごく旅で起こった運命とリンクしてそう信じずにはいられなくなる。
アンナの内と外の世界。すごくよくわかる。
私もそれを感じたから合宿に行かずにこの旅を選んだんだ。みんなはわいわいと楽しんでいる。そこに私がいないのは当たり前で、その当たり前の中で時が過ぎて行く。そうしたのはもちろん私のせい。私が中に入るのを拒んだから。アンナもそう。でも、中に入ることを拒んでイギリスの奥地に来てマーニーと出会ったのはそれこそ必然というなの運命なんだと思う。嫌だと思うことは、無理して中に入る必要なんかない。ただ、その代わりにすべてを拒絶するんじゃなくて何かを受け入れることは必要なんじゃないかなと思った。そこで新たな中が見つけられるかも知れないから。
アンナとマーニーがまさか家族だったなんてほんとに予想外で、途中までは退屈なお話だと思ったけど、すごく温まるすべてが繋がられたお話だった。
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2014年9月20日読了。
映画を観てからの原作です。マーニーの「幻っぽさ」はやはり文章の方がよりよく表現されてたかな、と思います。
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素敵なお話だった。心に傷をおった孤独な少女の再生の物語。
周りの大人たちも、とても素敵。いつか、子供にも読んでもらいたい。
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家族を亡くしたアンナは、やさしいプレストン夫妻のもとで暮らしている。ところが、みんなは“内側”の人間だけれど、自分は“外側”の人間だから――心を閉ざすアンナ。すべてに無気力で友だちもできない。心配したミセス・プレストンの計らいで、アンナはひと夏を自然豊かな海辺の田舎町で暮らすことに。そこでアンナはマーニーというとても不思議な女の子に出会う。初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい・・・。やがて、一冊の古いノートが、過去と未来を結び奇跡を呼び起こす。
ジブリで映画を見てじんわりときたので原作も読んでみた。ファンタジーですが、予想外の結末だなと。単なる児童書とはいえない温かい余韻を残す作品だと思います。マーニーが本当にアンナのもとへいたのかは読者の感じ方次第、なのかな。単なる妄想ではなく、マーニーの心がアンナを想って起こした奇跡だと信じたいものです。リンジー一家がみんな素敵。特に両親がね、アンナが飢えてた愛情を代わりにくれたようで優しさがつまってる。マーニーを許して、愛を知ったことで、アンナは成長して親や祖母に対して許すことができるようになったのかなと思いました。
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イギリス児童文学で時間テーマといえばフィリッパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』を思い出すがこれもまたさすがの出来栄え。
まやはりというか子供の頃に読んでたらとは思うが大人でも楽しめる実に良い小説だったかと。
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この作品も映画は映画、小説は小説。
アンナは映画よりも閉じこもった子。
やがて、マーニーと出会い、屋敷に新しく住むことになった一家とも仲良くなり、少しずつ病気を回復させてゆく。