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外国人から見た日本のおもてなしにまつわる誤解や、日本の高度成長の秘密の真実など、興味深いものであった。
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読み終わってこんなにすっきりした本も珍しい。
著者のデービッド・アトキンソンさんは、元ゴールドマン・サックスのアナリスト。日本の不良債権を暴くレポートを発表して注目を浴びます。
発表当時は物議をかもしましたが、その後の経緯を見ればどちらが正しかったかはっきりします。アトキンスさんのレポートがかわいく見えるくらい、日本の不要債権はとんでもないことになっていたわけですから。
現在は、国宝や重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長兼社長を務めています。
そんな日本通の著者が、辛口で日本の問題点を指摘してくれています。人によっては感情的に不快になるのかもしれませんが、僕はすっきりしました。意味不明に繰り返される日本礼讃にうんざりしていたからです。
<目次 >
第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす
つづきは⇒ http://amba.to/1zX8OIG
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てっきり保護や修復のことがあるのかと思いきや、
日本企業、それも文化的な業務をされておられる筆者が、
アナリストとしての経験をもとに、物ならぬ日本の経済の修復について書かれた本でした。
タイトルに「国宝」ってあるから、物の修復の話だと思って買ってしまい、読み進めてものすごーくガッカリしています。
タイトルのつけ方がお上手ですね、講談社さん。
文化にお金を払わない国だということは知ってるから、お金返して(笑)。
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著者の主張は「おわりに」に集約されている。
観光資源を他国並みに活用すれば、GDPで7%上乗せできるという主張はデータと経験に裏付けられており、説得力がある。
企業経営が感覚的、情緒的で合理的でない、サービスが受益者目線でなく、供給者の都合を優先しているなど、極めて正しい指摘と思う。
それにしても文化財保護の国家予算が80億ちょっとというのは、余りにも少なくないか。
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文化財の修復等を手がける小西美術工藝の社長であり、かつてはゴールドマン・サックスのアナリストだった英国人による日本への提言。
「ごもっとも」とうなずく事多し。
日本が自らの抱える問題点から目をそらしている現実を冷静かつわかりやすく指摘。
「おもてなし」「技術立国」などの、自己陶酔Wordに対して「本当にそうなのか」と分析しているところとか、けっこう面白いです。
苦言って大事。
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固い内容かな?と心配していたのですが非常に読みやすい
日本の文化財も経済の切り口から守れる事。日本の観光業が文化財を上手に活用していない事 等々が非常に分かりやすく書いてある。読み進んでいて楽しささえ感じる。
また日本人のそれなりのポジションに就いてしまった人たちに共通している 数字を分析をしない 面倒くさくてやらない 机上論 事なかれ主義 etc...
外国人から&アナリストの視点を通して面白いほど端的に書かれていて逆に小気味良い感じすらした。
本当に成長したければ 分析と実践 事なかれ主義ではダメという事! 良い本☆
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元ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして日本の金融再編に多大な影響力を与えながら、日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く老舗企業の経営者へと転身したデービッド・アトキンソン氏が、オックスフォードの日本学とゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、「日本」の経済と文化を深く考察。日本人だけが知らない「日本の弱みと強み」をわかりやすく解説する。
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著者は本書と、あと2冊を立て続けに書いているのだが、最初の一冊としてこれは妥当だろう。
なぜ外国人が日本文化を語るのか、なぜ日本を豊かにしたいのか、なぜ一般的に言われていない結論が導き出されているのか。
2015年6月に出版された“新・観光立国論”には彼の言いたいことが詰まっている。そちらにも著者について書かれてはいるが僅かである。
彼を知るためには、先ずこれから読むべきである。
なお、同じく講談社α新書から出ている“イギリス人アナリストだから〜”は“新・観光立国論”の内容薄いバージョンなので、あえて買う必要は無いと思われる。
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耳が痛いし、カチンと来る所も無いではないが傾聴すべき点は多い。大企業であるほど、偉くなるほど無能になる(というか、無能な人間が多くはびこっている)、根っからのフォロワー気質でリーダー資質の無い日本人像。まるでWGIPのようだが、多くの優れたリーダーの必要な現代に国としてリーダーを育てられない仕組みは亡国的とさえ言えるだろう。
観光立国ありき、のような後半には疑問も残るが、観光立国とかオ・モ・テ・ナ・シを題目にすると金儲け根性が出てしまうので、若者の雇用の受け皿としての「職人」の市場を拡大するという見方にすると俄然期待感が増す。
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日本の高度経済成長は、爆発的な人口増加があったから。松下幸之助や本田総一郎のようなすばらしい経営者が居て、メイドインジャパンの自動車や家電が世界を石鹸した、日本人の職人手金あものづくりが大きな原動力になって日本を牽引したというのは、妄想に過ぎない。
GDPで技術大国ドイツを抜いたから、日本の技術の方が優れているというような考え方が当たり前のように語られているが、一人当たりのGDPでは、日本が1881ドルに対して、ドイツは2989ドルと、明らかにドイツの方が高い。日本の技術がドイツに勝ったというのは、数字として証明できない。
OECDのドル基準実質GDPの購買力平価換算で、日本は1939年、戦前すでに世界第6位だった。 終戦を迎えた時点でおよそ7200万人の人口だった日本は、そこから爆発的に人口が増えていく。戦前すでに先進国としての経済基盤を確立していたうえ、戦後復興に向けて建築やインフラ整備が急がれ、山ほど仕事があった。人口も増えて仕事もある。これでGDPが急成長しないほうがおかしい。
14億の中国のGDPがアメリカを追い抜いて世界一になるのは時間の問題。日本の高度経済成長が、技術立国の「日本でしか起きなかった奇跡」と語る人が多いが、妄想に過ぎない。
効率の悪さ。IMFにより一人当たりの購買力平価(PPP)でみた国民一人当たりの生産性では、日本は25位。ドイツは17位、アメリカ10位である。
日本の男性就業率が80%なのに対して、女性の就業率は62%。ウーマノミクスを実行して女性の就業率が男性並みになれば、日本は最大12%GDPを増やせる。しかし、女性就業率が70%を超えている国は無い。実際のウーマノミクスの効果は、それほどではない。
輸出入に機会がある。日本の輸出はGDPで15%。輸入は12%である。そのうえ、輸出は自動車産業に偏っている。これで貿易大国というには無理がある。輸出を増やした場合、可能な限り輸出入均衡を保つというのが国際社会の暗黙のルール。日本はこれまで守ってこなかった。輸出入によっていろいろな交流が生まれ、国内の刺激になる。
観光業に機会。観光業は世界的に9%であるのに、日本は2%。観光業は国内を消費してもらうという考え方で、輸出にカウントされる。
スケーラビリティ。 農業というが、GDPの1%しかない産業で経済成長が果たせるとは到底思えない。500兆円のGDPを成長させるというのは容易ではない。世界を見渡してもこのような経済規模の国は少ない。ものすごく巨大な船。シンガポールに学べというが、シンガポールは東京23区ほどの面積に人口も日本4%、500万人で、GDPが30兆。シンガポールでカジノがで効果があったからといって、日本がまねをしてカジノをやっても効果は小さい。 1億円企業がやれば利益が倍増するのを真似て1兆円企業が期待できることはない。日本がシンガポールから学べるものは少ない。
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著者が書かれた別の本「新観光立国論」があまりに面白かったので、読んだ本です。結論を言うと、主張している内容は「新観光立国論」とさして変わらず、著者の意見を詳述し、論旨の構成も整えられているという意味で「新観光立国論」の方が面白く、特に本書を読む必要はなかったと思いました。
、、と言っても、私が本書に期待していたことにあまりページを割かれていないというだけで、「新観光立国論」と比較しなければ充分に興味深い本です。
本書を読む前に期待していたのは、超一流の投資銀行で成功した著者が、全く異質の文化財補修の会社で経営者になり会社を再建するまでのプロセスの詳細ですが、そこが本書のメインではなかったです。。
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外人アナリストが日本の経済を文化祭に絡めて解説する本
日本人の分析には数字が足りないは同意。
おもてなしに関する誤解に関して、供給側のことしか考えていないというのは違う。おそらく上司に言われたことを守らなければならないという日本人の勤勉さが裏目に出ただけだ。
観光業に力入れるべしは同意。
輸入増やすべし はもう少し裏付け欲しい。
本筋ではないが、日本の高度経済成長が人口によるものだというのは納得感。
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日本への愛が伝わってきた。
海外出張から帰って来る旅に日本賛美のテレビ番組に違和感を感じていた気持ちを代弁してくれた。知り合いの宮司から人となりは伺っていた。
「ステレオタイプの身方をする国民」とは島国根性丸出しの我々のズバリ痛いところをついてきた。
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ネットニュースでアトキンソンさんの事を知り、急速に興味がわきました。
日本のいい印象と悪い印象、アナリストという仕事での経験を全て持っているからこそ書ける、とてもバランス感覚のいい発言だなと思いました。日本の文化財にかけるお金は本当に少なすぎる!これを参考にして、アトキンソンさん以外の会社も頑張っていかなければならないのではと思わされました。。
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1985年来日 バブル時代 日本への興味→日本経済と金融機関をアナリストとして分析→不良債権指摘して中傷→茶道 日本文化へ興味
GDPは人口と相関
高度経済成長→爆発的な人口増があったため、技術力があったからではない。
イギリス人としては、フランス経済のほうが順位が上にあるのは気に入らないが、人口の差なので仕方がない。
1人当たりのGDPは低い→人口の影響の理由 中国が世界一のGDPになるのは時間の問題
「日本がドイツを抜いて世界一の技術立国になった」→科学的根拠なし 信仰に近い
サッチャー レーガン 経済を上向きにさせるまでに5から7年
アベノミクスを1年で批判→シンプルアンサーを求めすぎ 早すぎる
農業改革→GDPの1%の産業で経済成長に寄与できない。
メガバンク頭取発表 富裕層向けのプライベートバンキング・数万人規模の組織で人員は5人→日本人アナリストは評価→非科学的なことを大真面目で語る日本人
本当の意味で日本の生産性を測る指標 購買力平価で見た国民一人当たりの国内総生産 日本25位
弱点の改善 ×産めよ増やせよ×外国人労働者→外国人が栄進するキャリアの可能性が少ないので無理
○ウーマノミクス GDPへの効果は薄い→日本が抱える作業生産性が悪いという課題が解決する可能性
日本のGDPに対する輸出量15%→200カ国以上で下から8番目→明らかに自動車産業のみの輸出
小西美術工藝社 文化財の漆塗りや彩色の修繕 漆→75%が中国産
国産を用い技術の継承 ほとんど人件費であり材料費は小額
文化財修繕業 客観的な評価が少ない世界、検査なし→職人のモチベーション低下→悪徳業者
鎌倉市 世界遺産不登録を勧告→街がゴチャゴチャ、ごみ、渋滞☆なぜか鎌倉は魅かれなかった・大仏/鶴ケ岡八幡宮とお店の横丁…退屈・見飽きた風景
経営もアートからサイエンスへ
日本の会議の話=苦労話が多い
国際比較という罠 ワールドカップでごみ拾い→日本の花火大会後は?
Ladies first根本は自力でドアを引けない、女性は弱いから男性が守る、子どもをたくさん産んでほしいから大事にしなくてはいけないという考え→英国 女性の社会進出遅れ 貴族院に女性1963年
お茶のペットボトル→社内で総スカン 市場調査をきちんと行っていない
産業によって外資系があまり参入していないので、競争が激しくない→他に選択肢がないので仕方なく選んでいる×「品質世界一なので選ばれている」
高校時代の音楽の先生「人は好みを知らない。知っている物の中から好んでいるだけ」
和食ブーム 魅力を勝手に日本人が考えている→×季節感、繊細
○消化しやすい、洗いものが少ない、調味料が場所をとらない☆簡単料理できる。すし=乗せただけ
供給者側の理屈を押し付ける日本人の特徴
社内の会議 「悪い方と比べてどうする」
過去をすぐ忘れる→茶髪、ひげ→今は普通
重役出勤 プレゼンで「頭���が徹夜で数字を頭に入れました」→普段は頭に入っていないことに驚き
銀行の不良債権指摘 「銀行-不良債権からの脱却」1994年日経新聞社
食品偽装ホテル、オリンパス、朝日新聞の従軍慰安婦報道→経営者には甘い
大臣盗聴のイギリス新聞社 1843年創立→廃業
日本の経営者 先入観、カン、「信長に学ぶ」、「竜馬を目指す」→経営者がまずすべきは生き様を真似るなどではなく、数字を見ること。
サッチャー「私はコンセンサスというものを、さほど重要なものであると思いません。あれは時間の浪費の原因のようなものですから」
決められない政治、経営 合意形成型政治を終わらせた人物
大戦後の英国 34年にわたり、雇用、社会保障、マクロ経済政策まで組合や経済団体と話し合い→党派を超えた常識
インドの独立、植民地解放→市場を失う
石油発見→ポンド高で国内産業が設備投資できず、悪循環→製造業の倒産
真面目に働くが数字に基づいて分析して実行することのできない体制=今の日本と同じ→政治手法の限界→ストライキ、国家機能停止→サッチャーの登場
民主主義では過半数が絶対 国益のためにしばしば強行される政治運営には女王までもが懸念→行き詰っていたイギリス経済の復活に大きく貢献
日本 既得権益が明らかに国益に悪影響 農業
和を持って…→東洋、日本だけの特徴ではない→英国の30年前=既得権益によって経済が低迷
「大半の民主主義」から「過半数の民主主義」へ
根回し社会は高齢者に有利 顧問・相談役→年2回少し話を聞いてもらえれば十分、口出しは有害
戦後 戦前のGDPの半分からスタート→戦前の高い生産力→何をすべきかが見えていた時代☆今もよく考えれば、何をすべきかはわかるはず
五輪招致レースのお・も・て・な・し・スピーチ→単語を区切って強調する言い方→相手を見下している、バカにした態度ととらえられる。
法人が提供するサービス→評価は低い、臨機応変が効かない、堅苦しい
東京オリンピック イスタンブールー政治不安 マドリード→財政的不安
前回欠点とされた情熱のなさ→皇族の隣席、歴代メダリストの熱心なアプローチ
×日本のおもてなしが評価された→自国が外国人に無愛想だと思っている国はない
箱根の名門老舗旅館 3時前にチェックインさせず、レストランも使用不可
海外の一流ホテル→何かしらの対応はしてくれる
日本=供給する側の都合が優先 客の都合に合わせるという概念が欠如
客がいるのに閉店を知らせる店→欧州では珍しい、おもてなしの心がないと評価される。
日本のクレーム対応は説得→×「うちのサービスを理解してもらう」○クレームによって仕事のやり方を変える。
供給者側の都合 ガラケー
おもてなし 利休七則→客を快適にするためにいかに主人が心遣いをすべきか、相手の好みを察する、相手が求めているものを先回りして、それをもてなす
お茶の基本はもてなすための臨機応変→裏千家 組織を大きくするために型が協調されすぎ
日本 1人当たりの文化財修理予算は低い
英国 文化財=国民共有の財産、所有者は預かっているだけという基本的考え方
地域振興の起爆剤 新しい箱モノより文化財の修理と利活用が圧倒的に経済効果がある☆文化財がない場所は?観光客を呼べる文化財は少ない?
GDPに対する観光業の貢献度 世界平均9% 日本2%
日本にはお金を落とさないアジアの観光客多い。
文化財の説明少ない→茶室(a tea-ceremony roomのみ)
ゆるキャラ→文化財に金を落とす外国人観光客は興ざめ
日本の観光行政 人が楽しむ文化財よりも人が入らない文化財の保護優先→観光立国を掲げるのであれば改めなければいけない。