紙の本
成人マークはついてないようですが、成人向け相当と思われる。
2024/02/06 17:20
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『家畜人ヤプー』や『BLACKBRAIN』あるいは駕籠真太郎などに連なる、アンモラルなSF作品であり、異形のポルノである。
グロテスクなエロは、多くの人には嫌悪感を引き起こすかもしれない。
この作品が特殊なのはそれだけでなく、醜い存在として、あるいは馬鹿げた存在としてネトウヨ・レイシストを描いていることが挙げられる。
多分真面目な反差別の人や、リベラリストは、この世界観に眉を顰めることと思うが、ネトウヨや保守派と親和性が高い、エロ漫画の文脈からこのようなものが出てきたことは意外である。
表現の自由を掲げる人が二名自民党の政治家として保守主義コテコテになってるのとはえらい違いだ。
本書は太田出版WEB雑誌に連載されてされたものらしい。
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なんと蜈蚣Melibeの新作単行本。絵柄はキレイになってるけど本質は全く変わってない。基本的にSFでコードウェイナー・スミス好きには通じるものが・・・。
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渋谷の漫画サロントリガーでお薦めされ購入。内容はえげつないし、登場人物もゲスな人々ばかりなのに丁寧に物語が進むため、あまり嫌悪感がなく読めました。個人的にボクシングの話と移民デモの話が好きでした。
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"脳まですすってェェ!!"などパンチラインが盛り沢山で楽しい。白石晃士『オカルト』的な第4話がベスト。コマ外の書き文字による作者の補足(及びツッコミ)と各短編の距離感が心地よく保たれている。誠実なあとがきを読まずとも伝わるものがあった。
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同作者さんの「バージェスの乙女たち」について述べた二階堂奥歯さんの日記を引用しましょう。まったくもって私も同感でして。
「身体改変マゾヒズムユートピア(ディストピア)ものとしては、世界で2番目の作品と固く信じているシリーズ。(1番目は家畜人ヤプー)。そして恋する乙女身体改変ものとしては世界一。」
「蜈蚣Melibeは常識的なポルノの文脈を一顧だにせず、自分が表現しようとしているものに対して邁進している。その作品からは自分の描いているものへの確信が感じられる。そしておそらく彼はその観念を離れては生きていけないのだ。」
(どちらの文章も『八本脚の蝶』《2002年8月11日(日)その1》からの引用になります。)
奥歯さん、Melibeさん新刊出してますよ、もうだいぶ前になりますけれど。そしてやっぱり変わってないです、いい意味で。(ちょっとグロかったり政治的になったりしてます)
「それしか書けない」と言ったらそれまでかもしれませんが、絶対的にその観念を貫く表現者は、私が最も尊敬する表現者です。私は蜈蚣Melibeさんの描く有機人形、大好きです(語彙力)。まわりからどう受け止められようと、貫くのです、自分を。
楽しんで読んだと言うよりは、そんな感じでしんみりすらしてしまいました、が、蜈蚣Melibeさん、やはり良いです。良かったです。
雑記)
『ドールフォンを吹く蛇』…なるほどなぁ。あとがきからしても、かわいそうだなぁって感情の方が強くなってしまう…。アングルのバイオリンの少女を描くところ、好きです。有機人形と芸術性が結びつく(酷い人もいるけど)哲学的なテーマでした。
『禁断のアンモフィラ』…展開は至ってシンプル。ですがこれはMelibeさんの筆致に圧巻な作品でした。アンモフィラちゃん…アノマロカリスちゃんをも凌ぐ存在と言及されていた通り、ある意味「バージェスの乙女たち」を越えたMelibeさんだからこそ辿り着いた存在だとも言えるでしょう。一番のお気に入りです。