紙の本
『私の恋人』から遡行しました
2019/10/12 23:45
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投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
第160回芥川賞受賞作家・上田岳弘さんのデビュー作的単行本であるこの本に、私は出版の順序ではその後に位置する『私の恋人』を読んでから出会いました。彼の文体の祖型を見る思いです。面白い。
彼の知性が炸裂した突き抜けたユーモアが私の心に発する尊敬と励ましのmixtureなのですが、一例を挙げますと、
「例えばどういうことでしょう?」
「例えばどういうことをお知りになりたいんでしょうか?」(「太陽」p.37)
こんなささやかな会話の切れ味が、日々の思考を活性化させてくれる起爆性のmintです。その意味で彼の作品は、私にとっての「実用書」となっており、日常的に手に取られ参照される位置にあります。
読めば賢くなれる(あるいはそんな気がしてくる)本というのが彼の作品の購入に至った主因でした。また、東京オリンピックをこの時期に作品化したインスピレーション(「惑星」)に、これはもう圧倒的に追いつけない才能を感じます。
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なんか、すごい人が出てきた。
『太陽』(上田岳弘著)を読みました。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-11749888320.html
『惑星』(上田岳弘著)を読みました。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-11967285439.html
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太陽で錬金術をしようってお話。というとSFとか挑戦物語的なのを想像されると思うけど、内容は赤ちゃん工場とその調査に来た人達について、それに何台か先の子孫、そのまた子孫が出てきて…。
読むのは大変だったけど、よかった。
ただ、惑星の方はさらにややこしくてうーんって感じだった。
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よく分からない幻想小説2編。
太陽
金(カネ)を求める人類、その究極は太陽を金(キン)に変えること。個人も生命も何もかも、原子に還元され、その原子さえ変化するということ。
惑星
地球の全生命がひとつの意思にまとまる肉の海と絶対存在の話。
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言葉がほとばしっている。読み始めて即興奮しました。タガが外れている。
物語のスケールの大小、インテリジェンスと俗っぽさ、これらの混淆は一種のキッチュかもしれないけれど、今までに見たことのない、鉄臭いような無機物的な印象がある。
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これは大傑作。凄くスケールが大きくて、かつ、緻密。
長編2編で、どちらも人類(あるいは、この世)の終末を描いているのだが、空間的な広がり(登場場面や登場人物の属性が世界に広がっている)だけでなく、時間的な広がり(特に現在と未来を自由自在に行き来する)があって、それを神の目のような俯瞰的視点から描いている。SFといえばSFだが、妙にリアルで、思わず小説の中に引き込まれるような迫力がある。
読む人によって好き嫌いが分かれるかもしれないが、色々な人に一読をお勧めしたい。
著者の今後の作品に期待したい。後に、本書が彼の最高傑作だったと言われないといいが。
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太陽・惑星 - bookworm's digest
http://tacbook.hatenablog.com/entry/2015/02/23/200449
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『太陽』アイドル崩れの女。赤ちゃん工場。異常な嗅覚を持つ男。太陽。金。
『惑星』最高製品。肉の海。最終結論たる私。
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着眼点としては面白いと思うのですが、やりすぎな印象を受けました。
時間軸上を行き来しすぎている点も、ちょっと不自然に思いました。
個人的には、惑星よりは、太陽の方が面白かったです。
が、人にすすめはしないですね。
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「読み終わった」にしてるけど、
ほんとは返却期限までに読破できんかった本。
乾いた、突き放したような文章とかは好みやったんだけどね、
なんだろ…
「惹かれなかった」ってのが一番しっくりくる感じ。
次を、続きを読みたいって思えなかったさ。
最後まで読めば、もしか違ってたかもだけど、無理かった。
作者さん、すまぬ。
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「太陽」と「惑星」2話の中編。現代から人という種が終焉を迎えるまでの話。両方とも人類の未来に対して興味深い表現が多く、全体通してとても面白かった。反面、難解な個所も多く、私にはややついていけない、消化不良な点もあった。
子供工場のエピソードは、わかりやすく、シンプルながらも深く考えさせられた。
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デビュー作から完成度高過ぎて、これからどんな作品書くのか、想像もつかない。今、長編を読んでみたい作家No.1
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よくわからないけどすごく高度な小説を読んだ気になれる。
そして実際すごく高度な小説なのだと思う。
ただ、あまりにも高度すぎて、それが面白いか面白くないかというと微妙な感想になってしまうかも。
視点も時制もスタイルもひどく斬新で、読書好きの心をくすぐるし、読んでいる間中まさに錬金術を見ているような印象がある。この驚きは本当に新鮮なものだ。もう少しだけシンプルに、そして短めにしてもらえると、素直に「面白かった!すごい!」と言えると思う。
とはいうものの、この世界観を書ける力量はやはりものすごい。別の作品もぜひ読んでみたい。
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論説のような硬い文章なのかと思いきや、時折出てくる砕けた表現、作品の外にいるはずの読み手に話しかけるようなハッとさせる一行。まず文章がとても面白い。好きな人はとことんハマるはず。
ストーリーはやっぱり、「壮大」という言葉が一番似合う。どこでもいるような人間のどこでもあるような日常と、平凡とかけ離れた人間の人生が、偶然の連続で絡み合っていく。予想すらできないようなストーリー展開。ものすごく好きです。
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登場人物の複雑な相関と、偶然というにはあざとい出来事の連続、飛躍しすぎの結末、ディストピア的な世界観と滅亡という尻切れとんぼ。なぜここまで評価されているのかが、私にはわかりませんでした。