紙の本
期待を裏切らない面白さでした。
2016/12/07 10:09
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待を裏切らない面白さでした。今回も、グレイソン(グレイ)・ピアース隊長は認知症の父親に悩まされ、更に母親を敵の爆弾テロで失ってしまうし、ペインター・クロウ司令官は姪のカイ・クォチーツ(ピクォート族少女)が爆弾テロ犯として追われるのを助けながらの活躍だし、モンク・コッカリスはまた左義手を奪われたうえに撃たれてしまうしで、皆それぞれボロボロになっての活躍でした。元ギルドの暗殺者であった?セイチャンは、今回は冒頭からシグマの一員として活躍するがこれも銃で撃たれて怪我してしまう。いやはや、主役級の登場人物が複数いるため、誰が死んでもおかしくないところが、主役は絶対に死なないという他の活劇物との大きな違いなのかな。とは言え、遂に第二子が生まれたモンク・コッカリスがラストで退役を願い出たが多分続投することになるのでしょうね。
さて、今回の主題は2つ。1つは、全ての物を分解してしまうナノマシンのような金の類似物質である。これに関しては、「ダマスカス鋼」(文末注)を事例に簡単に説明されているが、当然その実態は不明であり、当然実在する物質ではない。そういう意味で、本作での科学的側面はこれまでの作品に比較して少々物足りない。その分、2つ目である「アメリカ建国にまつわる謎」とギルドとの戦いは歴史的事実を巧みに繋ぎ合わせており事実であるかのように思えてくる迫力である。そして、ギルドに関する謎としては、残された暗号文書から「ゲント」という名前の一族がギルドの首脳部であることが明かされるが、何と「ゲント」は今ではアメリカ大統領である「ギャント」と呼ばれているという実に意味深な一文で終わっている。
また「アメリカ建国にまつわる謎」との関連では、アメリカ先住民(俗称インディアン) と、全ての物を分解してしまうナノマシンのような金の類似物質という超先進技術を使いこなしていたもう一つの謎の先住民(白色系)という構成が実に興味深い。この全ての物を分解してしまうナノマシンのような金の類似物質を巡って、世界の火山地帯での活劇は流石だし、特に最大の激戦地となるアメリカのイエローストーン国立公園の記述はそれだけでもワクワクする。特に人跡未踏(1990年代以降足を踏み入れた人は30人満たないという秘境中の秘境)とも言える、イエローストーン国立公園内の間欠石丘が点在する「フェアリーランド・ベイスン」の存在には別の意味で大いに興味を引かれた。
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ジェームズ・ロリンズの「シグマフォース」シリーズの……何作目にあたるかは失念。アメリカ合衆国の建国とトマス・ジェファーソンにまつわる謎、そしてニュートリノとナノテクノロジーを題材にして、シグマフォースと敵対組織「ギルド」の戦いが描かれる。
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世界を滅ぼす秘密がまだあった!!! 面白かったです。高校生のころ触れたモルモン教にまた出会えました。噴火の場面では御嶽山の映像を思い出しました。
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まさかのモンクが引退宣言!!!
しかもグレイのお母さんも殺されちゃうし。。。
ギルドにも少しづつ近づいて中々盛り沢山な巻でした。。。
海外ものには珍しく日本人の名前が普通の名前だったのが印象的(笑)。
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ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第6弾の上巻。
本作ではメインの舞台が始めてアメリカ本土となる。これまで同様、他の国でも事件が起きるし、日本人科学者が大きな役割を果たすなど、インターナショナル感は引き続きあるが、建国の父や先住民との問題など、アメリカ特有のネタを盛り込み、そこに古代のナノテクノロジーといった話題を織り交ぜることで重層的な物語を構築している。
現実にはないだろうが、全てを原子レベルにまで分解してしまうナノマシンを古代の人々が開発していて、それによって過去の大きな火山活動などが引き起こされていたのかも、という着眼点や、先住民と古代ヘブライとの関わりなど、今回も色々なうんちくを織り交ぜながらどこまで現実でどこからフィクションかわからないリアルな世界が描かれている。
ギルドとの戦いも佳境に入り、真実に徐々に迫っていきつつ、相変わらず先を越されるもどかしい展開も。スピード感溢れる筆致はさらに冴え、読者を惹きつける展開もあざといまでに効果的で、とにかく先が気になって読む手が止められない。
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ナノマシン、そして本格的なギルドとの対決。どちらも対処するのが困難を極めるだろうなあ、というところがワクワクします。前回グレイとベッドインしたのはセイチャンじゃなかったのかぁ。残念。
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読書録「ジェファーソンの密約(上)」3
著者 ジェームズ・ロリンズ
訳 桑田健
出版 竹書房文庫
p170より引用
“生き残り、強くあるためには、十三の植民
地が一つにまとまらなければならない。一つ
になって初めて、新しい国家は折れることの
ない存在になれる。”
目次から抜粋引用
“侵入
火災旋風”
機密部隊・シグマフォースの活躍を描いた、
長編アクション小説。シリーズ第六弾上巻。
18世紀アメリカ、未開の地に一人のフラン
ス人科学者が探検に訪れた。調査していた墳
丘で、発見された物には…。
上記の引用は、部族の族長が教えた十三本
の矢の逸話についての一節。日本でも毛利家
の3本の矢の話があって、世界中で同じよう
な教訓が語られているのかもしれないようで
すね。
今回の話で、日本のとある実在する科学施
設が登場します。それほど大きく取り上げら
れてはいませんが、世界的にも珍しい施設の
ようですね。
前回の話に続き、司令官が最前線で奮闘し
ています。困った身内がいると、管理職の仕
事もままならないようで、苦労の絶えない
キャラクターです。
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今回の科学技術は、ナノテクノロジー。日本のカミオカンデも登場。ニュートリノの観測で大きな役割を担います。
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アメリカのユタ州山間部で爆発がおきた。それが火山の噴火を誘発させる。ペインターは爆発の謎を追い、クレイはセイチャンと共にギルドの手がかりを追う。古代のナノテクノロジーであるおおいなる秘薬と建国の父トーマスジェファーソンと先住民との約束。14番目の植民地を追い求めて地球規模の大災害を止めるべく奔走する。
あとがきを読んで本作は対ギルドの三部作の二作目だと知る。ギルドの正体についてさらなる核心に踏み込んでいる
相変わらず面白い。科学、歴史、宗教、あらゆる要素を絡めて、謎解きとアクションも楽しめる作品はこのシリーズしか知らない。このシリーズをきっかけに科学や歴史をもう一度勉強し直そうと思える。