紙の本
凛として 近代日本女子教育の先駆者下田歌子
2016/02/12 20:54
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
岐阜県岩村出身の近代日本女性教育者である下田歌子は、幕末の岩村藩の儒学者である佐藤一斉を少なからず意識していたのではないか。
伊藤博文等明治を動かした人物との関りも深く、女性の地位向上に体を張って取り組んだ先駆者の生涯は大変興味深いと思います。
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帯文:”女性の社会進出に道を開く。” ”我国初のキャリアウーマン下田歌子の凛とした生き方。”
目次:1 ぬれぎぬ、2 忍び寄る危機、3 四面楚歌、4 招かれざる嵐、5 極貧にもめげず、6 青雲の大志に燃えて、7 夜明け前、8 宮中出仕、9 桃夭女塾を創立、10 華族女学校時代、11 満を持して実践女学校を創立
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岩村出身の下田歌子。歌人としても名高い彼女の業績を顕彰し始まった「下田歌子賞」。去年の12月に13回目を迎えました。
江戸時代から明治維新に移行する激動の時代、まだ女子教育に重きが置かれていない世を変えるため、教育に人生をささげた日本女子教育の先駆者の生涯に迫ります。
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日本の近代女性教育を創り出してきた人に下田歌子という人がいるが、下田歌子に興味をもってどんな人だったのかを知るために読んだ。
下田歌子の業績などを知るために読もうと思ったのがなんでこの本だったのかは忘れてしまったが、これは期待していた客観的な人物像を描く本ではなく、下田歌子とその周辺の資料をもとにした小説だった。
下田歌子にたいするおおまかな経歴、業績などについてはおそらく虚構ではないと思うので、自分の期待していたものはおおまかには得ることができたかなと思うが、小説なので下田歌子とその味方についてはとても好意的な描写をしているが、その敵対者につてはものすごく悪辣な表現をしている。
小説なのでそれでいいのだけれど、人物像についてはかなりの虚構が入り込んでいるのではないかという気がする。
同じように業績などについても読みやすさ優先で細部がかなり簡略化されていて、もっと詳細を知りたいのなら参考文献にあたってみるしかない。
とはいえ、男尊女卑が強かった明治の時代に自らの才覚でもって政治や社会とわたりあい、大きな業績を残した女傑という面からはなかなか面白い小説ではあった。