紙の本
彦根の物語
2015/08/18 22:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shooting-star - この投稿者のレビュー一覧を見る
海堂サーガ、ずっと追いかけてきました。登場人物の中でも賢くて難しいことばかり話し、人と敵対ばかりする彦根が、今回、とても人間らしい一面を見せました。『ナニワモンスター』の続編で、もう少し村雨知事の話もあるかと思っていたら、本当に彦根の物語です。ヒロインとしてナナミエッグという養鶏場の娘、まどかも出てきて、まどか中心の話も展開しますが、そちらは成長の青春物語。相変わらず難しい話も多かったですが、彦根が目指す医療を主体とした国家をどうやって進めていくのか気になります。
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ワクチンや鳥インフルエンザについては面白かったが、色々盛り込んだ割に最後は尻切れトンボのように無理やりな結末に押し込まれてしまったようでならない。
彦根先生に振り回されたナナミエッグはどうなるのか、これがまた何かの作品に展開されていくのだろうか。
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表題の如く、“スカラムーシュ”・彦根先生がメイン。
浪速の医療国家としての独立のため、日本国内だけでなく、モナコ・ベネツィア・ジュネーヴまで、移動距離ハンパなく飛び回っております。
相変わらず頭がキレて、弁の立つ彦根先生ですが、いかんせん“孤軍奮闘感”が否めなく、敵も多いので、読んでいてハラハラさせられます。
併せて、彦根構想に巻き込まれたかたちの、有精卵プロジェクトに取り込む若者達も危なっかしくてハラハラしつつ、そして応援しておりました。
ラストは・・・まあ、亜麻色の髪の彼女が戻ってきてくれた。という事で良しとしますか。
そして二人はどこへゆくのでしょう・・。
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前作は、
インフルエンザ・パンデミックのお話も尻切れトンボのまま、
大阪の道州制やら、お決まりのAiやらのお話となりまして、
正直、多少ゲンナリもしましたが…、続編となる本作品では、
とりあえず、お話は完結してたので、及第点はクリヤーと…。
でも…、前作も含め、
パンデミック・クライシスとポリティカル・フィクションは、
分離してサイドストーリー化した方が、よかったと思います。
特にね、パンデミックの方は、きちんと読みたかったかな~。
ただ…、海堂さんのライフワークとも言える‘Ai’ネタが、
特に、本シリーズでは、かなりウザくなってきた感じかな~?
現実での疎外感もあるのか、お話が、誇大妄想的な感じも…。
本シリーズのよぅに、ポリティカル色を強く押し出さないで、
初期のメディカル・ミステリーに、原点回帰して欲しぃな~。
評価は、可もなく不可もなく、といぅことにさせて頂きます。
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ここまでくると過去の話が分かっていないとわからないことが多すぎて、初読みの読者に対する配慮が足らないし、かと
言って今までのものを読んでいる向きにも覚えていないことが多くて辛い。そういった背景はほっておいて、これは単純に養鶏業者の若者たちの物語として読んだ方が楽しめるかもしれない。
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「ナニワ・モンスター」の続編になるのかなぁ・・・ワクチンの話は面白かったけど、それに政治的な話が乗ってきて、結局ワクチンの大量生産はフェイクに太刀打ちするためとか、よく分からない話だった。でも、おいしいたまごが食べたくなった。
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きました!
彦根先生メイン回‼︎
相変わらずのジェットコースターのような展開。
道化師 彦根 は世界を渡り歩く。
未だに天城先生の部屋が借りられている事に涙。
行方を消したシオンが再度彦根と共にいる姿にウルウル。
以前はサブキャラだった人達が魅力的過ぎで。
その人たちがそれぞれ主役を張ってくれて嬉しい。
読み応え、ズッシリ。
加賀にて。
養鶏場を営むナナミエッグの一人娘 名波まどか。
同、真砂運輸の一人息子、真砂拓也。
同、鳩村獣医師の長男、鳩村誠一。
この三人、幼馴染にして、同じ大学院に通う。
そこに現れたのが、彦根先生。
シオンも出てきます!
浪速を経由して四国は金毘羅、讃岐へと。
そこはワクチンセンターで『卵が必要』と。
白羽の矢が立ったのがナナミエッグ。
二月〜八月までと、十月〜十二月の間に1日10万個の有精卵を用意して欲しいと。
大学院でこれといった事もしていない3人組はまどかを中心にビジネスに取り組む。
院で野坂教授は『地域振興総合研究』のテーマに祭り上げる。
退路も失い前進するしかないまどか。
突き進む拓也と誠一。
浪速で開業医の菊間徳衛&祥一親子が後々絡む。
以前天城先生の心臓バイパス手術代をウエスギ・モーターズから引き出す。
同時に動き出す霞ヶ関。
デジタル・ハウンドドッグ加納とサイレント・マッドドッグ斑鳩。
狂犬はzooと言われる横繋がりを持つ。
そこで原田雨竜(シードラゴン(タツノオトシゴ)投入。
操作関係書類に埋もれて生きる人。
彦根先生、極北の世良先生を訪ねモナコへ飛ぶ。
天城先生の部屋はそのまま、グランカジノで一大ギャンブル。
マリッツィア子爵と会い、ジュネーヴ大のクリフを通しヒース学長を経由してwhoと繋がっていく。
パトリシアと出会い、公的発表よりも一週間早く感染症のデータを送ると約束を取り付け、ヴェネチアへ。
隠者と呼ばれるモロシーニ氏と話し、自らの答えを出す。
『意識改革』と。
有精卵の運輸方法が真砂運輸に委ねられる事に。
拓也はまどかにプロポーズ。
誠一は国家試験に向けて勉強。
プロポーズを受けるまどか。
浪速の村雨潰しに鎌形をはじめに潰しにかかる雨竜。
霞ヶ関をでて、加賀に。
次に狙いを定めたのはナナミの卵。
拓也は高速のパーキングを出るとパンクを起こし。
ナナミの卵を狙う黒い影。
拓也のパートナーである柴田。
柴田は実は医師で、彦根とは因縁あり。
菊田親子がワクセンに視察した折に祥一に柴田の正体がバレる。
それからすぐ、柴田は一週間のドライバー休暇を要求。
その時柴田と彦根の意見は一致して。
雨竜が卵を狙ってまどかの所へ出没。
あえなく柴田&彦根に捕まる。
因縁とは。
第二医師会でストを決行しようとした時に彦根はストはフェイクだ。結構はするな。と助言。
けれど、柴田はストを決行。
後に柴田は医師会除名、彦根はスカラムーシュと呼ばれ。
村雨氏の新党立ち上げのそのパーティーの壇上に雨竜。
特攻をかけて彦根を完敗させる。
成田空港で彦根は雨竜の見送り。
雨竜は勝手にぶち壊した事が原因でマサチューセッツ大へ栄転。
だが、本当に勝利したのは彦根では?
何しろ、マサチューセッツ行きになったのは彦根が糸を引いたから…
彦根は見切りをつけ浪速を離れる。
そこへ。
姿を消したシオンが戻ってきて、彦根と共に姿を消す。
まだまだクロスオーバーしている作品。
やっぱり、この流れは止まらないし、止めて欲しくない。
登場人物が多いので、その枝葉は数え切れないけど。
それでも連綿と繋がる物語はファンとして、一連の作品を通して嬉しい限り。
これから、最後まで物語を続けて欲しい。
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海堂ワールドにおける2009年の関西ワクチン騒動をめぐるメディカル社会派エンターテイメント小説。
久しぶりの海堂ワールドに浸りました。
「ナニワ・モンスター」の続編にして、他作品とのリンクが満載で、スカラムーシュ彦根がメインでこれまでの彼のイメージを刷新してくれます。
これで「すずめ四天王」でメインを張っていないのは島津だけかな。
海堂ワールドの関西では作者の意にそぐわない形ながらAIセンターができるようですね。
また、実在の大阪市長とダブる村雨浪速府知事も、浪速地検特捜部の鎌形副部長もあっさり失速してしまい浪速シリーズとしては一旦収束だと思いますが、加賀の若者トリオに未来の光を見いだせてよかったです。
相変わらず、シリーズファンの自分としては天城がらみのエピソードになると琴線に触れてしまいます。
海堂ワールドでは気になる登場人物その後の行方に対してなど空白時期もあったりするので、これからも新作に期待したいと思います。
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本編完結が宣言されてから、約3年。本作は、桜宮サーガと称される海堂尊さんの作品群の中でも、最も戸惑った作品『ナニワ・モンスター』の続編である。正直、二段組で400pというボリュームに、一瞬避けようかとも思った。
最初に言っておこう。本作は、『ナニワ・モンスター』を読み終えているのが前提である。関西最大の都市・浪速を襲ったパンデミック騒動。ある「男」が動き、パニックは収束したが、霞が関の次なる罠を予見した「男」は、先手を打つべく動いていた。
ナニワの風雲児・村雨府知事と、暗躍する「男」の野望が明かされた時点で、前作は終わっており、戸惑うと同時に呆れた。元々、対行政、対司法という政治的要素を持つ海堂作品だが、ここまで政治的だったことはなかった。その続編なのだから、より政治的な内容だし、国家における権力闘争の様相を帯びてくる。
最初の章だけは、政治色が薄い。そもそも医療行政になど関わりがない、金沢のある企業。「男」の要請に応えるべく、懸命に動く無垢な若者たち。微笑ましいと同時に、ああ、この先、権力闘争に巻き込まれてしまうのだなあと気が重くなる…。
スケールだけは確かにでかい。何しろこんな野望である。先立つものが必要だ。日本を飛び出し、ヨーロッパに飛ぶ「男」。ほう、あんな名前やこんな名前が出てくるとは。スカラムーシュとはよく言ったもので、こういう場所での立ち居振る舞いが、堂に入っているというか鼻につく。でもさ、それじゃ意味ないだろうよ…。
敵側たる霞が関も、危険人物を投入してきた。エンタメとはいえ、霞が関というのはどんだけ魔窟なんだよっ! いわば詐欺師VS詐欺師であり、ワクワクというより読んでいてゲンナリしてくる。すっきりした結末なんて最初から期待していなかったが…。
そもそも、描いた絵に無理があったわけである。奴さえいなければ、実現していたのだろうか。それはともかく、誰が得して誰が損したか、誰が勝者で誰が敗者か、はたまた痛み分けなのか、やっぱりもやもやしたまま終わってしまったのだった。
せめて、若い彼らの将来に幸多かれ。
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結構最後の方までわくわくさせたんだけど、最後がなあ・・・
せめて小説くらいスッキリと終わらせて欲しいなあ、別にあの市長のファンではないけど。
まどか達の話は夢があって良かった。
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ワクチンセンターのワクチン増産に関わるナナミエッグや真砂運送が新会社を設立する話はとても面白い。第2章で政治色が濃くなって、ややこしくなるところが、ちょい残念。全体的には楽しく読めたかな。気になったのが、毎日10万個の卵を運ぶのに、500Kmの距離を2人のドライバーだけで、行うとか無謀と言うか無理だろ!ってツッコミしてしまった(笑)
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本書の前に「ナニワモンスター」を読んだが、どちらも物語の舞台が変わるのと同時に展開に日本で実際に起こりそうだなというリアリティ、ハラハラとヒヤヒヤを感じながら読み進め、最後の物語のまとまり方にホッとし、読了。舞台が加賀、浪速からモナコ、ベネチアまで世界を又にかけた大風呂敷だったなと感じたが、それぞれの場所で起こっている物語や策略などが面白みがある。まどか達のくだりが面白く、清涼剤となる。彦根が描く医療と政治関連についてのことはどこへ行き着くか、ナナミエッグの有精卵プロジェクトの未来が気になる読後。
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長かった(¯―¯٥)
有精卵やワクチンのくだりは結構楽しめたが、政治的な部分がどうにも頭に入ってこない。。。
「チーム・バチスタの栄光」とか「ジェネラル・ルージュの凱旋」のような作品が読みたい。
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『ナニワ・モンスター』の続きであり、『ケルベロスの肖像』の裏の話といった感じ。
タマゴの話から始まり、彦根が浪速と桜宮を行き来し、あのモナコに行って亡き天城の資金を譲り受け、ジュネーブのWHOに赤十字、ベネチアと幅広く移動。
天城の話が出てくると、スリジエ以降今でもちょっと切ない。
浪速の村雨を中心に西日本構想を立ち上げるつもりが霞が関の反撃に遭い、季節が一巡りする間に桜宮のAiセンターは『ケルベロス…』の話の通りに崩壊したりと目まぐるしく終わり、彦根は浪速を去ることに。
その政治的な話の間にあるキャメルインフルのワクチン準備の話は面白く、有精卵事業を立ち上げた三人の話はまた読みたいです。クロスオーバーの好きな作家さんなのでまたどこか出てくるかもしれませんが。
そして、彦根の傍にはやはりあの人がいないとね。
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シリーズ全部読んでるつもりだけど、細部は忘れてしまって関係性がわからず文章も難しくて読みにくい。物語が他の本と関わっていくっていうところで面白さを感じてはいたが、こんなに複雑になりすぎたら何がなんだかわからないなー。