紙の本
曲線っておもしろい
2017/08/13 17:01
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投稿者:Katsu - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者も本文に書いているが、曲線について網羅的に解説するものではない。あくまでも天体の運行や、時を図るなど、古来から人間が自然をとらえるにあたって、曲線をどのように利用・分析してきたのかについてまとめられている。円・楕円・放物線・双曲線、サイクロイドから半立方双曲線、そして楕円曲線・楕円積分を登場させ、そして最後はフェルマーの最終定理へとつながっていく。代数学と曲線がどのように結びついていったのか、非常に興味深く、その軌跡を追うことができる。数式も難しいものは使っておらず、非常に読みやすい。
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おもしろい
2021/01/10 07:40
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投稿者:イ! - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりやすくためになる
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読み応え満点の曲線の真理を究明した画期的な数学書です!
2020/02/04 11:57
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、科学的知識を分かりやすく解説して高評価を得てきた「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は、曲線に秘められた真理を明かしてくれる数学書です。同書の著者は、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の「自然は曲線を創り人間は直線を創る」という言葉を引用して、自然や宇宙を知ろうとするとき、きまって曲線が現れると説いています。そこで、その曲線の秘密、そこに秘められた真理を解き明かそうとしたのが同書です。本書では、「太陽系とケプラーの3法則」や「ガリレオの円弧振り子からホイヘンスの振り子時計へ」や「周長問題から微積分へ」、そして「ピタゴラスの定理からフェルマーの最終定理へ」を中心に、数理の目で見る曲線の秘密に迫っていく読み応え満点の一冊です!
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【献本】ブルーバックス3月最新刊!世界は曲線で溢れている!松下泰雄『曲線の秘密 自然に潜む数学の真理』、大好評ロングセラー待望の続編!立山秀利『脱入門者のExcel VBA 自力でプログラミングする極意を学ぶ』を各タイトル5名様、計10名様プレゼント!【2016年3月22日(火)終日まで】
http://info.booklog.jp/?eid=877
▼内容紹介
「自然は曲線を創り人間は直線を創る」湯川秀樹博士の有名な言葉があるように、自然や宇宙を知ろうとするとき、きまって曲線が現れます。まずは完全な曲線とも言ってもいい円、そして、円をつぶしてできる楕円、さらに、物を投げると現れる放物線、さらに、双曲線、サイクロイドなど、自然の中には実にさまざまな曲線が現れます。 今回、本書のガイドとなってくれるキーワードは「円から楕円へ」です。すなわち、完全なる円に対するこだわりを捨て一歩踏みだし、考えが楕円におよんだ時に見えてくる、不思議な真実を紹介していきます。
基本の「円と円周率」から始めて、「太陽系とケプラーの3法則」「ガリレオの円弧振り子からホイヘンスの振り子時計へ」「周長問題から微積分へ」「ピタゴラスの定理からフェルマーの最終定理へ」を中心に、数理の目で見る曲線の秘密に迫っていきます。
▼本書に登場する、数学者&科学者
ピタゴラス、アリストテレス、アリスタルコス、ユークリッド、アルキメデス、エラトステネス、アポロニウス、プトレマイオス、ディオファントス、マーダヴァ、レギオモンタヌス、コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ガリレオ、ケプラー、デカルト、フェルマー、ホイヘンス、ニュートン、関孝和、ライプニッツ、建部賢弘、オイラー、ルジャンドル、ヤコビ、谷山豊、志村五郎、ワイルズ……。
▼著者プロフィール:松下泰雄 (まつした・やすお)
1949年東京生まれ。1974年横浜国立大学工学部卒業。その後、数学を京都大学の池田峰夫教授に、理論物理学を横浜国立大学の高野義郎名誉教授に師事。京都大学工学部助教授、滋賀県立大学工学部教授を経て、現在は、滋賀県立大学名誉教授、大阪市立大学数学研究所専任所員。ブルーバックスには『波のしくみ』(共著)がある。
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2次曲線の話から始まり、惑星軌道・振り子の等時性と進んでいき、単位円上の有理点の存在の話から楕円曲線とフェルマーの最終定理へと導かれていく、美しい流れの本。
惑星軌道の周転円の話が秀逸。今まで読んだ本の中で最も丁寧に書かれていた。
ただ個人的には2次曲線の性質を詳しく書いた本かと勘違いしており、それらの内容にあまり触れてくれてなかったので、星を一つ減らしました(本のせいではないのですか)。
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「数学や物理学において現れる、すなわち数理の目で見る曲線について」(p.3)、「天文、等時性を持つ時計作り、曲線の周長問題、それに代数学におけるフェルマーの最終定理など」(p.5)を話題に解説したもの。「円から楕円へ」をキーワードにして、数学や物理学の歴史を辿っていくようなストーリー性があるのが面白い。
著者の、数学の面白さを伝えようとする姿勢がひしひしと伝わってきて、いろんな有名な学者の思考過程を解き明かしてくれている。「プトレマイオスの宇宙像を描いた有名な絵」(p.55)や、「フィレンツェのベッキオ宮殿で時を刻むガリレオの設計による単針時計」(p.134)の写真、「ディオファントスの『数論』にあるピタゴラスの定理の例題の直後にフェルマーのコメントが書かれて出版されたもの」(p.197)など、資料や図、絵が多く載っていて、面白い。特に興味深いのは、アリストテレスとプトレマイオス、コペルニクスの3人の賢者が描かれた『天文対話』の扉絵(p.75)。あとは、ケプラーという人について、「『科学』だけにとらわれずに調和に満ちた宇宙を、あらゆることから美的に探究し続けた人だった」(p.117)というのも印象的だ。p.118には、ケプラー著『世界の調和』に「惑星の醸し出す和音」の図が載っている。音楽や美学の学問としての背景に、調和という、哲学的な、文系理系で分けることのできない概念が厳然と存在しているのを感じさせる。という訳で、宇宙や数理の真実という大きなテーマに挑む学者たちの物語を少しだけ感じることができる。
ただ「少しだけ」と言うのは、その思考過程はもちろん微分積分、力学などバリバリ理系の知識が必要なもので、読んでいても正直おれにはチンプンカンプンだった。(文系理系で分けることのできない云々、と言っておきながら、結局おれはド文系だし、という矛盾を感じながらも、)結局斜め読みして終わってしまった部分がほとんど。一応、「高等学校で微積分を学び始めた人たちへの贈り物として、ちょっとした副読本となるもの」(p.3)を目指して書かれたそうだが、解説してくれる人と一緒じゃないと理解するのは難しい。だいたい、ケプラーの法則は聞いたことあったのに、地球とか惑星の軌道が楕円、ということすら知らなかった。p.99の図4.15「円じゃないぞ、縮めろ、楕円だ!でも、わずかだぞ。」の絵は面白いし、記憶に残った。(16/05/03)
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惑星運動から振り子の等時性、フェルマーの定理へと、考え方の変遷が物語のように読める本ですね。自然に対してきれいな形を求めてしまうのですが、やはりそう単純なものではないと気付かされます。