紙の本
積小為大を座右の銘にしたい。
2019/07/11 21:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二宮尊徳といえば、幼い弟の面倒をみながらも苦学と勤労に励む姿・・を想起していたが、より深く本書で尊徳について知る事が出来た。
金融関係に長けていた点については知らなかった。また企業各界の重鎮が尊徳の思想を受けているのもよく判ったし、国外での影響の大きさにも感嘆した。
そういえば私の父の出身校は報徳学園だった。報徳記と二宮翁夜話を是非読んでみたい。
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おさらい的な内容。
前から思うけど、大河ドラマにしたら半沢直樹的なかんじで面白そう。当時の金融情勢とか農業情勢詳しく知れるし。
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農村における相互扶助の思想の由来の根拠を知ることができた。トヨタ自動車のカイゼンなどが報徳思想に由来していると推察するなど面白い面もあるが、思想の素晴らしさを持ち上げるに固執していたのが少々残念。もう少し思想から生まれたお金の流れのようなものを詳細に解説して欲しかった。
二宮尊徳の著書、二宮翁夜話を読んだ方が良いかも。
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二宮金次郎について知りたくて読んだ。
とてもわかりやすく万遍ないので目的にぴったりだった。
県知事が著者というのが意外?
二宮金次郎は神奈川の偉人だからか?もっと神奈川はアピールしたほうが。県民の認知度低いと思う!!笑
博物館にいってみたい。
尊徳以外の人のことにも触れられてるので勉強になる。
本当にこんな立派な人がいたとはすごいなぁ。
どんな人だったのかますます興味が。
あと、出自が貧しくないとなかなか偉人になれないのかな...
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有名な二宮尊徳が、どのようなことを成し遂げたか、どのような思想があったか等為になる内容が満載であった。特に、最初の改革で尊徳が一度挫折しかかったという人間味のあるエピソードでは、より尊徳に親近感を持つようになった。また、単に思想を説くのではなく、金を貸す相手に薪を5本ではなく3本使える方法を教え、薪を節約する方法を教える等、実生活の工夫による節約等の実践的アドバイスを与えることができる実践家であったことは意外であった。
機会があれば、もう少し尊徳の思想や行ったことを深堀して学びたい。
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元衆議院議員,元神奈川県知事として地元の偉人には深い思い入れがある。現代に通用する,世界に通用する二宮尊徳の思想を知って欲しいという願いが溢れている。二宮尊徳の仕事や思想については代表的なものが紹介されている。後半は二宮尊徳の思想がどのように伝わったのか,使われたのかなどを実例を示して紹介する。この部分で知識同士が繋がりやすくなるので「教養として」理解が深まる。
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二宮尊徳といえば、名前だけはよく知られている人物ながら、「銅像の人」「勤勉・苦学の人」くらいのイメージしかなかった。
報徳思想が多くの人に影響を与えたり、財政再建で実績を残したりといった部分は確かに凄い。しかし、個人的に感銘を受けたのは、実務家として民衆を動かす手腕に優れていた点だ。
人々を動かすには、人的魅力(か恐怖)に頼るケースも多いが、尊徳の場合は人望に加えて、やる気を引き出す技術に優れていたようだ。いま風にいう「ナッジ」の要素も入っていたりして。
「経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である」という「道徳経済一元論」は今でも通用するというか、今こそ大事にしたい考え方だ。
「立派な墓なんて残すんじゃない」みたいなことを遺言として残したのに、あちこちに墓ができたり、日本中に銅像ができたのは本人にも想定外だったのかも。私にとっての想定外は著者だったけど 笑。
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2021.11.13 読了
二宮尊徳の生涯、ルーツ、思想、影響力をすんなりと理解できる良書だった。
彼が高尚な思想体系だけでなく、高度なファイナンス能力と人を巻き込む力を有していることを知れたのが一番の収穫だったと思う。現代におけるPEファンドのLBOファイナンス、事業再生のスペシャリスト経営者に通じるものがあると強く感じた。
この根本はやはり、彼の本質的な人間力と数理能力の高さが人々を突き動かしたのだろう。
今後は二宮尊徳についての更なる洞察を深めるべく、
・四書五経の読破
・報徳記
・関連した人物の研究
をしてゆきたい。
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教養として知っておきたい二宮尊徳 日本的成功哲学の本質は何か
著:松沢 成文
二宮尊徳は、自らの実践を通じて「至誠」「勤労」「分度」「推譲」「積小為大」「一円融合」などの改革理念や思想哲学を生み出し、人びとを導いてきた。これらの教えは、日本人の社会規範や道徳としての精神的価値の基盤になっているといっても過言ではない。尊徳ほど、独創的な考え方や創造的な生き方を通じて社会を変革した人はいない。
尊徳の生き様や思想を学ぶことは、混迷を続ける世相のなか、私たちが日常の家庭や職場、地域社会で生きていくうえで、あるいは日本や国際社会にとっても、有益な指針を得ることになるはずである。
本書の構成は以下の8章から構成されている。
①困苦のなかからつかんだ成功哲学の萌芽
②「心」の荒廃を変えねば再建はならない
③各地に広がり受け継がれてゆく報徳仕法
④報徳思想 二宮尊徳の成功哲学の神髄
⑤実践で培い、発揮した七つの力
⑥思想の系譜 尊徳の思想はいかに継承されたか
⑦尊徳を師と仰いだ日本資本主義の立役者たち
⑧現代に受け継がれ、世界に広がる報徳思想
日本人が昔から大切にすべき倫理感や道徳の本質を濃縮した日本人の魂について尊徳は人に伝え、そして実践している。現場主義を大切にし、大きなことを成し遂げるために、地道に目の前の今にもしっかりと注目し、現場に即した実践を長い視点、広い視点から先頭に立ち行動している。
現代のような不安定な世の中だからこそ、大切にすべき大和魂のような忘れてはいけない思いが詰まっている。
その中においても2章に紹介されている「心」の荒廃を変えねば再建はならないについては「努力→成功→幸せ」と言った古い考えではなく「幸せ→努力→成功」といった科学的な根拠で成り立つ考えが取り入れてあったり、どこか今注目されている「purposeマネジメント」の要素を感じたりもする。
古いようで新しい、時代が変わってもマネジメントの本質は変わっていないことを立証されている。
「遠くをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す」
座右の銘のひとつとして胸に刻み込み行動していきたい。