岩波文庫愛好家さんのレビュー一覧
投稿者:岩波文庫愛好家
傲慢と善良
2022/09/17 21:18
親ガチャもある一方、当世ならではの様態も。
21人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
プロローグを除き前半は男性側から語られ、後半は女性側から語られるという構成になっています。全体的には著者の特徴である気持ちの描写が非常に濃やかで、その為かグイグイ引き込まれました。
本書では随所に『傲慢』と『善良』の言葉が出てくる為、その度に本書のタイトルを思い起こします。傲慢の謂わんとする事柄、善良の謂わんとする内容がじわりと沁み入ってきます。この二つの言葉、本書だけではなく現実世界でも、基、現実世界こそ恋愛に於いて、婚活に於いて、キーワードとなります。
他方で親からの干渉、親の言いなりという事も本書では描かれており、この事についても現実と同様です。
本書で印象的な箇所がありました。それは結婚相談所の女性の言葉「婚活で成功する人は結婚後のビジョンを持っている」といった内容の台詞です。自分自身で何か少しでもビジョンを描くという事は自立的であり、腑に落ちました。
本書はフィクションではあるものの、現実と何ら変わらないテーマとなっており、否応なしに感慨深さが高まります。こういったテーマの本を読んだ事が無かった為、新鮮さを味わえたのと同時に色々と考えさせられました。
エピローグでは安堵感を得られました。
2023/08/26 07:51
日本もまだまだ見処が満載!
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
個々の写真が本当に美麗でした。色合い、被写体の構図、光の加減、眼を奪われました。
実際に行くと本書のような映像を目にするに至らない場所もありますが、そこは本書の登場です。充分に本書を眺めて、日常のストレスから我が身を解き放てば良いと思います。
殆どが知らなかった場所、訪れたことのない場所が掲載されていたので、是非行ってみたいです。
保存書として有用な一書です。
日本国憲法
2019/01/19 23:15
蔵書すべき一書
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最初が日本国憲法で次が大日本帝国憲法です。第一条から憲法が書かれてあります。更にはポツダム宣言や降伏文書、日米安保条約まで本書に所蔵されています!凄すぎ……。買いの一手でしょ(笑)!
字も大きく、見易いです。こういう一冊を所蔵しておく価値は十分にあります。それでなくても改憲、改憲と言われている昨今ですから……。
日本の古代国家
2018/09/29 00:05
濃密な一書
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
緻密な分析で推古朝の蘇我氏や、中国(隋・唐)・朝鮮(新羅・任那・高句麗)の外交情勢などについて述べられています。高校の日本史の教科書もこれ位詳しければ、更に興味を持てたと思います(個人的には自身が高校時代、山川の日本史を授業で使っていて、その教科書自体は大変好きで、決して当時日本史に興味を持っていなかったという事ではありません。日本史は当時も今も大好きです)。ただこれほど詳細になると教科書としては分厚過ぎてしまいますし…。
実は本書を読む前に事前に目次を見ました。これは絶対予習が必要だ!!そこで講談社学術文庫の日本書紀(上・下)を購入し、読みきってから本書に入りました。…大正解!!気持ち良く読めます。
この時代の本は諸々あるでしょうが、何冊も買う予算のない私のような方なら、本書をお薦めします。
日本語をみがく小辞典
2021/04/10 09:10
日本語の豊かさを噛み締める。
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本書のタイトルに『辞典』とありますが、どちらかと言うと言葉を解説した読み物という要素が強いです。よって言葉を調べる為の本というよりは、気軽に読み通せる所謂『通読本』の感覚です。
本書の最も良かった所は、現代では消えかかった言葉や表現を数多く知る事が出来る点と、和歌や詩を始めとする古典の味わいを得られる点との二つです。日本語以外の言語もその研究を深めていけばそうなのでしょうが、改めて日本語の豊かさを感じられる一書だと思います。
ところで本書は文体にちょっと特徴があります。それは、漫談風な感じがする点です。名詞篇の『風』を例にとると、『こちらが少し強ければ「どこ吹く風と聞き流す」こともできようが、庶民は「大木は風に折らる」で、なかなかそこまで強くなり切れない。「風が吹けば桶屋が儲かる」と、間接的に利益恩恵を受ける者もいるが、・・』といった文の調子です。これが読んでいて実にテンポが良いです。
本書を読むと結局の所、『ことばの意味というものは、変われば変わるものだ。語源は忘れ去られても、語そのものは結構しぶとく生き残る。それが過去の文化や生活を背負ってきた語であればあるほど、われわれ日本人には懐かしい、何かをゆさぶられる力を宿している。』に尽きると思います。本書に出会えた事に感謝です。
上手な心の守り方 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント
2019/06/11 20:05
癒しの一書
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読んで、ああ~癒されるなぁ~、という意味の癒しでなく、齷齪している自分に対してブレーキをかけてくれるという意味での癒しです。 日々の自分を見つめ直し、自分を少し若しくは少しずつ変えていく、という事に関して優しく諭してくれている本です。
右側のページがタイトルになっていて左側のページに内容が書かれてあります。内容は全てその左側で収まっているので、次のページに持ち越しという構成にはなっていません。簡潔に纏められていて判り易いです。
ズボラでもラクラク!内臓脂肪がスルッと落ちる 超悪玉コレステロールも減らす自宅でできる名医のワザ!
2023/08/19 11:42
耳に痛い内容なるも、良薬な本。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
冒頭から最後までビッシリと、耳に痛かったです。炭水化物というのは永遠の快楽物質です・・。
さて、内臓脂肪を落とす方法は色々あるでしょうが、本書ではプチダイエットを推していました。いつもよりも白米の量を減らすが最たるものでした。また、白米から先に食べない、食物繊維と蛋白質をしっかり摂る、も重要です。
加えて運動も必要であり、代謝を図る意味で欠かせない要素です。ウォーキングやスロースクワットが紹介されてあります。
結局の所、巷間で言われているように、1つ:バランスの良い食事内容と量と咀嚼 2つ:適度な運動とその継続 3つ:十分な睡眠がポイントかと。
スマホ脳
2021/12/15 07:37
よく内容が纏まった良書
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読了して最初に感じた事は、非常によく纏まった内容の本だったなぁ、という事でした。説明や伝えたい事が解り易く、且つ的確でした。
また著者が私と同い年であり、育った年齢環境が同じであった点も共感を得ました。
私自身の子供二人をみていると、本書で述べられている事象にしっかり該当していました。運動不足、睡眠が不満足(眠りが深くない)、イライラ、家の外での活動不足などです。
運動不足は私にも言える事なので、子供たちと共に取り組んでいこうと思います。また、上の子供には試しにスマホの断捨離タイムを設けてみて、勉強への影響の実験をしてみます。
自分のことは話すな 仕事と人間関係を劇的によくする技術
2019/12/15 15:37
相手との距離を縮める為に、相手の立場に立つ。
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
タイトルにある『自分のことは話すな』というのは、ネガティブな意味で強烈なインパクトを感じましたが、本書はそういう意味ではありません。
一般的によく言われる天気ネタからの会話で口火を切るのではなく、まず相手を観察して、そこから相手に飛び込む。その事によって相手と距離を縮め、相手と中味の濃い会話を行えるというのを著者は伝えようとしています。天気の話をするな、というのではなく、そこからどういう会話を展開し、相手からの印象を強めて有意義なやり取りが出来るかがポイントだと。
何気ない会話よりも、折角の会話のチャンスを積極的に活かす参考になりました。
置かれた場所で咲きなさい
2019/02/26 00:59
身に沁みる一書
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
毎日一区切りずつ読む日捲りカレンダーのような構成になっている本です。
どのテーマも心を打つ内容でした。自身の心のバイブルとして大切に本書を所蔵し、時に読み返して自分に言い聞かせるようにします。
それにしてもいいタイトルです。別の似た表現の金言に『配られたカードで勝負しなさい』があったのを思い出しました。
読了した日が2月26日でした。著者の人生に於ける凄惨な出来事と同じ日にちでした。
北斎富嶽三十六景
2019/01/18 12:50
一枚一枚の絵と共に理解を深める愉しさ
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今、北斎展が開催されているようですが、個人的には先日読了した『小説 葛飾北斎』から影響を受けて本書を購入しました。1枚の絵画の次ページにその作品の解説がされており、1枚1枚の絵に対して深い理解を得ることができます。自身の肥やしとして読了でき、大変有意義でした。
友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える
2018/10/28 20:38
今の時代に必要かも。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私は40代半ばですが、私の時代でも色々友達関係は、当時なりに波乱に満ちていました。
今の時代は更に拍車がかかっています。その最たるはネット社会です。
ただ当時であろうと現代であろうと、変わらないのは人間の存象です。本書を読んで痛感しました。
人は人でしかなく、人の本質は変わらず、人は人たるを超える域には達していない、そんな気がします。
働く人のための自己肯定感 負の感情を捨てる6つの考え方
2023/01/29 20:48
かなり具体的な対処を教示
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
文庫本である為、サイズ感が手頃である点に加えて、本自体の厚みが薄い部類(1cm弱)にあることで、読もうとする気力を持てます。
さて本書ですが、自己肯定感を持つ為にはどの様なアクションを起こし、どの様な気持ちを持てば良いかについて、具体的な内容を指し示してくれています。自己肯定感に関する著書は巷間に溢れる位出回っていますが、『手軽なサイズ』で『肩肘張らない』をキーワードにするなら本書がお薦めかと思います。
著者は小学4年生から統合失調症を患ったそうで、自身の克服体験を踏まえて本書を著しており、そういった経験からの裏打ちは読み手にとって参考となると思います。案ずるより産むが易しで、先ずは一つでも実践してみます。
「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える
2022/02/20 11:46
今の時代への切実な警鐘
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今の時代に非常にタイムリーな内容の一書です。
『人それぞれ』とは巷間でよく使われる言葉でありよく聞く言葉です。現代は個人主義・個人の尊重が取り沙汰され、肯定的に捉えられている風潮があり、ある程度は寧ろ好ましいと思いますが、一方で猫も杓子も『人それぞれ』は、ちょっと行き過ぎに感じます。
本書ではこの『人それぞれ』の例を数多く紹介し、個々に洞察しています。絶対的に否定は出来ないものの、その弊害を的確に説諭してあり、共感を覚えます。
世知辛い時代趨勢において、他人との距離感や考え方の受け入れについて、しっかりと考えさせてくれる良書でした。
正義の天秤 1
2021/12/20 21:07
人が人を裁く。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
第一話から第六話という構成になっており、各々の章において本書で登場する弁護士が活躍する短篇ストーリー仕立てとなっています。
本書を読了して感じた事は、人が人を裁く、という事は本当にしてよい事なのだろうか、という事でした。世の中としては検察が居たり、弁護士が居たり、裁判官が居たり、ですが、これらの人達に共通している点は人間である、という事。
人間は完璧ではありません。間違い、勘違い、見落とし、怒り、憐れみ、憎しみ・・。人間はこれらの要素を持ち得ており、然る一方でこれらに巻き込まれない様に『判断』を行っていく立場にあるのが検察・弁護士・裁判官です。但し検察・弁護士・裁判官は実は人間です。この点が非常に悩ましい訳です。
本書はこの悩ましさを余す事なく描き出した一書だと思います。
